日本消化器内視鏡学会雑誌
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45 巻, 6 号
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  • 清水 誠治
    2003 年 45 巻 6 号 p. 1017-1023
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     EUSは早期大腸癌の深達度診断法として普及しているが,診断基準は施設により様々である.しかし,粘膜下層の形態が病変の形態により変化し,EUSでは粘膜筋板の同定が困難であることを考慮するとEUS像のパターンに基づいた診断が妥当であると考えられる.専用機と細径プローブの比較では,特に厚みのある病変を除けば描出能に優れた細径プローブがより適している.病変の形態別では隆起型よりも表面型で良好な成績が得られる.通常内視鏡とEUSの比較では描出可能であればEUSの診断能がより高く,両者の診断をうまく組み合わせれば更に診断能の向上を図ることができると考えられる.誤診原因は病変の描出が不良であることに起因するものが最も多いが,炎症細胞浸潤や線維化の存在によるものもみられ読影上の工夫が必要と考えられる.第3層内低エコーの特徴を捉えれば組織像の推定も可能である.EUSは早期大腸癌の深達度診断において決して必須ではないが,他の診断法とは異なる情報が得られるという点で有川である.
  • 井上 博, 井上 修志, 佐藤 康紀, 福家 浩三, 面家 敏宏, 福森 信彦, 遠藤 純子, 植村 信隆, 岸清 一郎, 伊東 進, 弘井 ...
    2003 年 45 巻 6 号 p. 1024-1030
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     巨大な胃ポリープを伴うたTangier病の1例を報告する.患者は51歳の女性で易疲労感を主訴に当科を受診した,眼瞼結膜の貧血を認めた.上部消化管内視鏡検査において胃は粘膜全体が黄色調を呈し,巨大なポリープと多数の黄色腫を認め,脂質検査では血清コレステロール値の低下,特にHDLコレステロール(high density lipoprotein-cho1estero1:HDL-Ch),アポリポ蛋白A-1,アポリポ蛋白A-IIが著明に低下していた.Tangier病は上部消化管内視鏡検査を契機に発見されることは,極めて稀であり,若干の考察を加えて報告する.
  • 高橋 元, 蘆田 潔, 上田 惠, 清田 尚臣, 福知 工, 西出 智博, 伯井 俊彦, 豊田 穣, 永松 良介
    2003 年 45 巻 6 号 p. 1031-1035
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は79歳,男性.貧血の原因検索のための内視鏡検査にて胃前庭部小彎に6mmの白色の陥凹性病変がみられた.胃生検では扁平上皮を認めたが,異型細胞はみられなかった.1)ルゴール非染色であること2)これまでの報告では高率に悪性腫瘍を合併していることを考え合わせ内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行した.病理組織学的には,良性扁平上皮粘膜で悪性細胞は認められなかった.自験例は胃の扁平上皮巣にEMRを施行した最初の症例である.
  • 吉満 信一郎, 多田 修治, 郷田 憲一, 大湾 朝尚, 須古 博信, 神尾 多喜浩, 川野 芳朗, 松本 主之
    2003 年 45 巻 6 号 p. 1036-1043
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     いわゆる粘膜下異所性胃腺は,胃癌の併存病変として重要視されている,われわれは,粘膜固有層および粘膜下層内にびまん性に拡張した胃腺の増生と早期胃癌とが併存した3例を経験した.うち1例は,粘膜固有層にのみ拡張した胃腺を認めた。1869年にHarrisらが最初に報告したdiffuse cystic malformation(以下,DCM)の概念と最も一致すると考え,DCMを3例の総称とした,DCMと早期癌を併存した3例について,その病理学的所見と内視鏡所見とを対比した。症例1は内視鏡上,3カ所の粘膜下腫瘤様隆起として認められた.組織学的には,いずれも粘膜下層に数十個の嚢胞が多発する病変で,そのうち1カ所に高分化型腺癌を合併していた.症例2は多発するポリープ様病変としてDCMを認め,印環細胞癌を合併していた.組織学的には粘膜下層に多発した嚢胞性病変を認めた.症例3は,DCMによる皺襞腫大が認められ,高分化型腺癌を合併していた.組織学的にDCMは癌部周囲および腫大した皺襞部に一致してみられ,粘膜同有層深部に限局してびまん性に存在していた.今回の検討において,DCMはその組織構築により多様な内視鏡所見を呈することが示唆された.
  • 久保田 大輔, 戸塚 輝治, 鈴木 伸治, 田村 倫朗, 金井 隆典, 檀 直彰, 黒崎 雅之, 榎本 信幸, 宮田 達也, 滝沢 登一郎, ...
    2003 年 45 巻 6 号 p. 1044-1050
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は21歳,男性.1999年8月急性白血病に対し同種骨髄移植を施行された.2000年5月中旬より腹痛,下痢が出現し5月23日入院.下部消化管内視鏡にて結腸に多発性の潰瘍を認めた.各種細菌,ウイルス検査は陰性であり,抗菌剤,抗ウイルス剤による治療に反応せず,組織学的所見もあわせ慢性GVHDと診断し,免疫抑制剤により治療したところ軽快した,多発性潰瘍を伴う慢性GVHD腸炎は非常に稀であり報告する.
  • 今川 敦, 山本 博, 松枝 和宏, 歳森 淳一, 野崎 勲, 藤井 雅邦, 藤原 大介, 松村 毅, 植木 亨, 毛利 裕一, 手銭 高志 ...
    2003 年 45 巻 6 号 p. 1051-1055
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は78歳の女性.主訴は嘔吐.前医にて腸閉塞と診断され当院紹介となった.腹部単純レントゲンと腹部CT像で著明に拡張した腸管ガスと鏡面像を認め,右下腹部に盲腸を確認できないことから同盲部での軸捻転症が疑われた.全身状態良好であり,大腸内視鏡での整復を試みた.盲腸の手前に強いひだの集中を伴う狭窄を認め,同部での軸捻転症と診断した.スコープで狭窄部を通過することが困難だったため,ガイドワイヤーと食道拡張バルーンを使用し狭窄部の拡張を行った後に内視鏡を通過させた.内視鏡通過後に腸管内の残渣とガスを吸引することによって捻転は解除され,腹部症状も劇的に改善した.盲腸軸捻転症に対し内視鏡的治療は有効であり,今後は病態に応じて選択肢の一つとなると思われた.
  • 安藤 朗, 石塚 泉, 西山 順博, 來住 優輝, 吉川 浩平, 辻川 知之, 小山 茂樹, 藤山 佳秀
    2003 年 45 巻 6 号 p. 1056-1060
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は38歳男性.再発性口腔内アフタ,毛嚢炎様皮疹.下痢,腹痛にて来院、回盲弁周囲に巨大潰瘍を認め,腸管型べーチェット病と診断.ステロイドホルモン内服は副作川にて継続困難,サラゾスルファピリジン,コルヒチンの投与にも腸管病変は抵抗性を示した.アザチオプリン50mg/日の内服を開始したところ,回盲部潰瘍病変の瘢痕化を認めた.腸管べーチェット病に対するアザチオプリンの効果を内視鏡的に観察し得た貴重な症例を報告する.
  • 東田 元, 作本 仁志, 東 征樹, 住吉 健一, 加藤 周子, 佐川 美羽, 若原 成行, 小坂 星太郎, 松本 啓一, 矩 照幸
    2003 年 45 巻 6 号 p. 1061-1067
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     Expandable metallic stent(EMS)による治療は,悪性消化管狭窄に対する姑息的治療法として重要な役割を担っているが,幽門部癌性狭窄ではステンティングに難渋するケースも多い.われわれは幽門部癌性狭窄症に対して,delivery systemを内視鏡に装着する手技的工夫によりステントを留置し,良好な治療成績を得た.われわれの提唱したステント留置法は,手術不能な幽門部癌性狭窄に対するステンティング手技をより円滑にすることで,患者のQOL改善に貢献する可能性が期待される.
  • 2003 年 45 巻 6 号 p. 1072-1075
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 45 巻 6 号 p. 1119
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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