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玉田 喜一, 菅野 健太郎
2004 年 46 巻 12 号 p.
2525-2531
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
経乳頭的に細径超音波プローブを胆管内に挿入する管腔内超音波検査(intraductal ultrasonography:IDUS)は,エコー減衰の影響を受けずに高周波プローブによる鮮明な胆管横断像を描出可能である.胆管癌の深達度診断においては壁深達度,膵実質浸潤,門脈浸潤,右肝動脈浸潤の診断に有用であったが,リンパ節転移の診断には限界があった.水平方向進展においては,癌による壁肥厚とドレナージカテーテル等の影響による炎症性壁肥厚の鑑別が難しい.良悪性鑑別診断においては,腫瘍による胆管壁構造の中断,腫瘍最大径10mm以上,無茎性腫瘤の存在が,悪性を示唆する所見であった.
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中沢 和之, 森畠 康策, 前田 浩輝, 前田 恒宏, 寺澤 宏, 渡辺 実香, 清水 靖仁, 一瀬 雅夫
2004 年 46 巻 12 号 p.
2532-2536
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は63歳,男性.意識障害にて当院を救急受診.慢性腎不全の急性増悪と診断され,緊急透析導入となった.透析中に少量のコーヒー残査様吐物を吐いたので,同日,緊急上部消化管内視鏡検査を施行した,食道上部から下部にかけて,暗赤色調の大小不同の多発性食道粘膜下血腫と全周性の白苔を認め,下部食道の食道粘膜下血腫の破綻と考えられる潰瘍から出血を認めたので,アルゴンプラズマ凝固法にて焼灼した,絶食,中心静脈栄養,プロトンポンプインヒビターにて加療,軽快した.腎不全急性増悪に対する透析導人時に認められた特発性食道粘膜下血腫はまれであるめで報告する.
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西崎 朗, 埴岡 啓介, 安武 晃一, 広畑 成也, 奥谷 俊夫, 堀田 和亜, 前田 哲男, 仁木 敏晴, 長野 秀信, 花房 正雄, 田 ...
2004 年 46 巻 12 号 p.
2537-2542
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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67歳,男性.胆石精査時の胃内視鏡検査にて,胃角対側大彎に辺縁隆起を伴う陥凹性病変を認めた.同部の生検により悪性リンパ腫,非ポジキン病,B細胞型,彌慢性大細胞型と診断した.EUS,CT検査において浸潤は胃粘膜下層中層にとどまり,stage Iと考えられた.手術に先立つH.Pylori除菌療法にて病変は内視鏡的に消失し,また手術標本上にもリンパ腫は認められなかった.胃diffuse large B cell lymphomaであっても,胃粘膜浅層に留まる病変であれば,厳重経過観察を前提として除菌療法を第一選択する意義を示唆した症例である.
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谷 洋, 田利 晶, 麻奥 英毅, 柏戸 宏造, 岡本 英一, 吉野 正
2004 年 46 巻 12 号 p.
2543-2548
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は60歳女性.前医で胃原発悪性リンパ腫(亜分類不明)と診断され,CHOP8クール施行後約1年で再発し,当院に紹介された.最終的にMALTリンパ腫と診断し,放射線照射を行った.局所根治と判断後半年で右顎下腺に再発した.染色体検査ではt(11;18)(q21;q21)転座を認め,Rituximab 1クール投与後,現在までCRを維持している.診断,治療,他臓器転移,染色体転座を含め,興味深い1例と思われ報告する.
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山本 龍一, 松浦 隆志, 盧 徳鉉, 小池 真生子, 山本 朱美, 高橋 行彦, 中垣 充, 山本 一郎
2004 年 46 巻 12 号 p.
2549-2555
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は61歳,女性.健康診断の上部消化管X線造影検査により胃体下部小彎後壁に多発する隆起性病変を指摘されて当科受診.内視鏡検査にて同部位に径10mm~20mm大の結節状の隆起の集合を認め,生検で低分化型腺癌であった.幽門側胃切除術(D1+β郭清,Billroth I法再建)施行.深達度Mの互いに連続性のない低分化型腺癌4個を認めた.fi症例の様に連続性のない結節性の隆起型低分化型腺癌が同時多発した胃癌の報告は極めて稀であり貴重な症例と思われる.
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武市 卒之, 家崎 桂吾, 柿沼 臣一, 小林 克巳, 蜂巣 陽子, 竹吉 泉, 下岡 華子, 大和田 進, 森下 靖雄
2004 年 46 巻 12 号 p.
2556-2560
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は67歳,女性.スクリーニング目的で施行した大腸内視鏡検査で下行結腸に小さな陥凹性病変を認めた.同部からの生検で中分化型腺癌の診断が得られたため内視鏡的切除を試みたがnon-lifting sign陽性で,sm massive以深の大腸癌と診断し手術を施行した.病理組織学的には,腫瘍は8×7mmのIIc様病変で壁深達度はss,lyl,v0でリンパ節転移は認めなかった.10mm以下の進行大腸癌は稀なため若干の文献的考察を加え報告する.
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笹田 雄三, 菊山 正隆, 春木 麻衣子, 村上 晴彦, 小出 茂樹, 芳澤 社, 萱原 隆久
2004 年 46 巻 12 号 p.
2561-2566
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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74歳女性.上行結腸癌による腸閉塞のため入院した.腸閉塞は経肛門イレウス管で速やかに解除できた.腫瘍は広範な肝転移を伴い,治癒切除は困難と判断し,上行結腸癌による狭窄に対してステント留置を行うこととした.経肛門イレウス管は留置したままとし,経鼻イレウス管を狭窄部まで挿人した.経鼻イレウス管から経肛門イレウス管の中を肛門までガイドワイヤーを通し,経肛門イレウス管抜去後,ガイドワイヤーに沿わせて経肛門で上行結腸癌による狭窄部にステントを留置した.鼻から肛門までガイドワイヤーを通すことにより比較的容易に行えた症例を経験したので報告する,
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松木 美知子, 友廣 敦文, 牛山 貴文, 石村 健, 井上 秀幸, 杵川 文彦, 栗山 茂樹
2004 年 46 巻 12 号 p.
2567-2574
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
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70歳女性.主訴は食欲不振.CT検査,超音波検査および注腸検査により,右側横行結腸への腸重積と診断した.大腸内視鏡検査では,肝彎曲部にほぼ管腔を占める隆起性病変を認めた.生検診断は絨毛腺腫であった.回盲部切除を行ったが,手術時には腸重積は消失しており,盲腸に約3.5cmの隆起性病変を認めた.隆起の頂部は開口しており,虫垂先端までつながっていた.切除標本の病理学的検索で虫垂重積症と判明,虫垂近位側の2/3は腺管絨毛腺腫で覆われていた.盲腸結腸型腸重積をみた場合,その原因として虫垂重積も考慮に入れなければならない.
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森 隆太郎, 三浦 勝, 高橋 徹也, 小尾 芳郎, 山中 研, 阿部 哲夫, 中村 恭一
2004 年 46 巻 12 号 p.
2575-2579
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
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症例は71歳,男性.健診で便潜血陽性を指摘され,近医を受診した.大腸内視鏡検査で上行結腸に1型腫瘍を認め,当科紹介受診となった.腹部超音波検査,CT,血管造影から右腎細胞癌,上行結腸浸潤の診断で右腎摘出術,右半結腸切除術を施行した.摘出標本では右腎下極の腫瘍が回盲部より10cmの上行結腸に直接浸潤していた.大腸内視鏡検査では,他臓器癌の直接浸潤及び転移についても十分に留意する必要があると考えられた.
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泉川 孝一, 稲葉 知己, 河合 公三
2004 年 46 巻 12 号 p.
2580-2581
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
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五十嵐 典良, 伊藤 謙, 三村 享彦, 鈴木 拓也, 岡野 直樹, 佐藤 大介, 三浦 富宏, 飯田 和成, 住野 泰清, 三木 一正
2004 年 46 巻 12 号 p.
2582-2588
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
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内視鏡的膵管ドレナージ術は,外瘻術である内視鏡的経鼻膵管ドレナージ術(Endoscopic nasopancreatic drainage: ENPD)と内瘻術である内視鏡的膵管ステント留置術(Endoscopic pancreatic stenting: EPS)に大別される.ENPDの適応は,短期間のドレナージで病態が改善する症例が適応である.EP主膵管狭窄を有する慢性膵炎例で,膵液のうっ滞で腹痛一や背部痛などの症状を有する症例にEPSは有効である.手技に際しては患者監視モニターを使用して血圧,脈拍,血中酸素飽和度などを監視する.十二指腸スコープを挿入して主乳頭を正面視してERCPカニュラを主膵管に挿管し,透視下にガイドワイヤーを留置し,ENPDチューブまたは膵管ステントを留置する.術前後に各種画像診断を行う.治療効果を判定し,治療の継続の有無を決定する.術後合併症に留意して,ENPDチューブの抜去またはステントの交換などで対処する.
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津村 剛彦, 鳥居 惠雄, 藤田 真也, 武田 純, 疋田 宇, 西川 温博, 越智 次郎, 三浦 賢佑
2004 年 46 巻 12 号 p.
2589-2593
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
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近年大腸内視鏡検査における斜型先端透明フード(以下OTC)の有用性が報告されている.今回われわれは,従来型のロング(L)フードより有効長を短くしたショート(S)フードとウルトラショート(US)フードを新たに開発し有用性について検討を行った.大腸内視鏡検査経験年数4年以上の6名の内視鏡医の行った1,005例と1名の初心者の内視鏡医が行った177例の症例を対象とした.経験のある医師による盲腸への平均挿入時間はフードなしが12.4±0.3分,USフードが9.0±0.3分,Sフードが8.5±0.4分,Lフードが6.9±0.8分であり,OTCを用いることにより有意に短時間で盲腸へ到達することができた.SフードではLフードに比較し視野と操作性が改善された.一方Lフードを用いることにより初心者の内視鏡医は7カ月後には盲腸への挿入率が90%を超え,挿入平均時間が16.4±1.8分となり,技術の習得に有用であった.
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喜多島 康弘, 岡山 安孝, 坂 哲臣, 上野 浩一郎, 平井 正明, 内藤 格, 林 香月, 岡本 哲, 秋田 真志, 後藤 和夫, 中沢 ...
2004 年 46 巻 12 号 p.
2594-2599
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
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【背景】内視鏡的乳頭切開術.(endoscopic sphincterotomy:EST)後の小さな総胆管結石の摘出におけるメモリー®8線バスケットの有用性を明らかにする目的で検討を行った.【方法】ESTを施行した61例の総胆管結石患者を対象としたが,1cm以上の結石を有'する患者では,機械式砕石バ深ケット(mechanical lithotriptor:ML)を用い。結石を胆管内で1cm以上まで破砕した.まず,通常の4線バスケットと,採石用バルーンカテーテルを用いて採石を行い,内視鏡的,X線的に結石が無くなった事を確認した後.メモ.リー®8線バスケットで,再度,採石を試みた.後日7胆道造影を行い結石の遺残を確認した,【結果】メモリー®8線バスケットにより,4線バスケット及びバルーンカテーテルで採石終了となった.47.5%(29/61)で1小結石の追加摘出が可能であった.その後の胆管造影で,遺残結石を認めたのは2例(3.3%)と低頻度であうた.【結論】総胆管結石患者のEST後に,1cm以下の小結石を内視鏡的に摘出するため,メモリー®8線バスケットは極めて有用な処置具であった.
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小越 和栄, 多田 正大, 熊井 浩一郎, 古川 俊治, 岡崎 和一, 乾 和郎, 矢作 直久
2004 年 46 巻 12 号 p.
2600-2609
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
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責任者:渡辺 守
竹下 公矢
2004 年 46 巻 12 号 p.
2610-2613
発行日: 2004年
公開日: 2024/01/29
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2004 年 46 巻 12 号 p.
2618-2623
発行日: 2004/12/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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