日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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46 巻, 4 号
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  • 日山 亨, 田中 信治, 吉原 正治, 茶山 一彰
    2004 年 46 巻 4 号 p. 911-918
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    昭和56年以降に判決が出された消化器内視鏡検査・治療が関係した民事裁判判決10例をリスクマネジメントの観点から検討した.これら判決文を検討を通して,消化器内視鏡治療・検査における現時点での,(1)具体的な予見義務や回避義務の内容と,必要な知識や技術,(2)患者側に行うべき指導や説明等の内容,を明らかにした,また,広島大学光学医療診療部のカンファレンスにおける裁判事例検討の取り組みを紹介した.内視鏡検査・治療施行者に負わされている注意義務や説明義務の内容を,われわれ自ら.具体的に確認していく作業は,リスクマネジメントの観点から非常に有意義と思われた.
  • 佐治 直樹, 酒井 勉, 木全 崇之, 村瀬 全彦, 天野 和雄, 高井 哲, 加藤 昌彦
    2004 年 46 巻 4 号 p. 919-924
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,男性.主訴は心窩部痛と吐血.平成13年2月18日の夕食に魚を摂食.食直後より心窩部痛と背部痛が出現.翌19日夕方,吐血のため当院を受診.胸部CTにて胸部食道に刺入する魚骨と縦隔気腫,胸水を認めた.緊急上部消化管内視鏡検査にて,刺入した魚骨を抜去.中心静脈栄養管理と抗生剤投与による治療を開始.4週間後に穿孔部は閉鎖し,縦隔炎,縦隔気腫も治癒.魚骨による食道穿孔には早期診断,早期治療が重要.
  • 加藤 貴司, 井上 善之, 平山 眞章, 河野 豊, 碇 修二, 高田 弘一, 丸谷 真守美, 中村 英明, 目黒 高志, 堀田 彰一, 浅 ...
    2004 年 46 巻 4 号 p. 925-931
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は74歳男性.既往歴として71歳時に早期胃癌のため胃幽門側切除術,D2リンパ節郭清術を施行された(M Circ O-IIc por2,muc>>sig,tub1-tub2T1(SM),Nl,MO,ly1,v0,Stage IB).平成14年2月(手術後2年7カ月後)スクリーニングのため大腸内視鏡を施行したところ,盲腸,上行結腸,直腸に約5mm大の頂部に発赤陥凹を伴うIIa+IIc様のポリープ病変を認めた.組織学的には大腸腺管は正常であったが,間質に著明な印環細胞癌を認め,早期胃癌からの転移性大腸癌と診断した.胃癌原発転移性大腸癌の肉眼形態は浸潤型がほとんどであり,IIa+IIc様の形態を呈する転移巣はまれである.さらに早期胃癌切除後にIIa+IIc様の大腸転移を来たした症例は,われわれが検索しえた範囲内において現在までに報告がなく,若干の文献的考察を加え報告する.
  • 佐野 亙, 大内 佐智子, 八十 新治
    2004 年 46 巻 4 号 p. 932-937
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は42歳,女性.食欲低下,腹部膨満感を主訴に近医を受診し,肝胆膵酵素上昇,黄疸精査加療のため当科に紹介人院となった.腹部超音波,CT,MRCP (magnetic resonance cholan-gigopancreatography),上部消化管内視鏡検査にてVater乳頭部に腫瘤を認め生検にてMALTリンパ腫と診断した.治療はHelicobacter pylori(以下H,pyloroi)除菌療法,CHOP療法,Ritusimab投与を行い完全寛解を得た.
  • 田尻 和男, 須田 剛生, 油井 薫, 佐藤 淳一, 山本 力, 久保田 大輔
    2004 年 46 巻 4 号 p. 938-942
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は87歳,女性.糖尿病,慢性腎不全で当院に通院中であったが,腎不全の憎悪があり,血液透析導入のため人院となった.入院後大量の血1便があり,ショックとなった。輸血と輸液によりバイタル・サインを安定させ,大腸内視鏡検査を行ったが大腸内に血便が残存し出血部位を確定できなかった.4日後再び血便があったため,輸血,輸液を行い,大腸洗浄液による前処置を行い大腸内視鏡検査を行った.直腸RbにDieulafoy潰瘍からの出血を認めた.露出血管を中心に潰瘍を縫縮するようにクリッピングを行い止血に成功した.再出血は認めなかった.6カ月後の大腸内視鏡検査では病変は白色瘢痕化していた.1回のクリッピングで止血に成功し,長期的にも再出血を認めていない直腸Dieulafoy潰瘍出血の1例を経験した.
  • 磯貝 圭輝, 加藤 智大, 守内 玲寧, 多羅 澤功, 矢花 崇, 中原 生哉, 村上 理絵子, 瀬ノ田 明範, 伴 紀宏
    2004 年 46 巻 4 号 p. 943-948
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は75歳女性.平成12年子宮体癌にて広汎子宮全摘出術を施行,組織型は扁平上皮への分化を伴う類内膜腺癌(Grade 2)と診断された.その後平成14年大腸内視鏡検査で直腸に限局して表面に潰瘍を伴う粘膜下腫瘍様の病変を認めた.生検診断は低分化型腺癌であり原発性直腸癌の診断のもとに手術を施行した.組織学的所見では充実性の増殖を示す低分化の癌が大部分を占めており,子宮体部を原発とする転移性大腸癌と診断した.
  • 山本 信彦, 星原 芳雄, 志田 勝義, 布袋屋 修, 飯塚 敏郎, 田中 達朗, 橋本 光代, 山本 敬, 乳原 善文, 谷本 昭英
    2004 年 46 巻 4 号 p. 949-954
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,女性.腎不全にて血液透析を行っている患者で,2002年7月頃より貧血の進行が認められたため,精査目的にて紹介となった.入院後,下部消化管検査にて回盲弁より10cmほど口側の回腸に径7mm大の亜有茎性隆起性病変を認め,出血源と考えられた.可動性があり,内視鏡的切除可能と判断し,ポリペクトミーを施行した.病理組織学的には,1層の内皮細胞からなる毛細血管様の細血管がびまん性に増生しており,毛細血管腫と診断された.切除後出血はなく,7カ月後の内視鏡検査でも遺残再発は認めなかった.小腸毛細血管腫は極めて稀な良性腫瘍である.また,本邦では,小腸血管腫を開腹せずに内視鏡的に切除したという報告はない.
  • 持田 淳弘, 高橋 広喜, 岩渕 正広, 横山 大, 松田 泰徳, 今井 豪, 菅田 英明, 椎名 正明, 鈴木 達彦, 田辺 暢一, 真野 ...
    2004 年 46 巻 4 号 p. 955-959
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,男性.突然の下血の後,下部直腸に狭窄を生じた.狭窄型の虚血性大腸炎と診断し,内視鏡的バルーン拡張術,ついで経肛門的にヘガール拡張器を用いた拡張術を施行した.術後,症状は改善し,6カ月後の内視鏡検査でも再狭窄は認められなかった.下部直腸の狭窄型虚血性大腸炎に対して、内視鏡的バルーン拡張術および経肛門的ヘガール拡張術は有効な治療法であると思われた.
  • 岡部 義信, 鶴田 修, 菅偉 哉, 福出 直樹, 和出 有希, 唐原 健, 於保 和彦, 佐田 通夫, 豊永 純
    2004 年 46 巻 4 号 p. 960-965
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は41歳,男性.急性膵炎後,膵尾部に径約10cm大の仮性嚢胞を認め当科入院.保存的治療で縮小せず,内視鏡的経胃膵嚢胞ドレナージ術を施行.術終了直前に,ドレナージチューブが嚢胞内へ迷入浮遊した.再度嚢胞を穿刺し,チューブ端をスネアで把持し,回収することなく再留置に成功した,術後合併症は認めず嚢胞は消失した,本法は膵嚢胞内迷入ドレナージチューブの回収法としても,有用であると考えられた.
  • 冨木 裕一, 東山 明憲, 岡田 豪, 渡部 智雄, 仙石 博信, 鎌野 俊紀, 鶴丸 昌彦, 林田 康男, 関英 一郎, 櫻井 秀樹, 藤 ...
    2004 年 46 巻 4 号 p. 966-971
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    【目的】内視鏡的内痔核結紮術(Endoscopic hemorrhoidal ligation: EHL)の治療効果について検討する.【方法】EHLを施行した119例の治療効果を,遠隔成績を含めて検討した.【結果】EHLの治療効果は,著効は67例(56.3%),有効は41例(34,5%),無効は11例(92%)であった,無効11例のうち3例が手術に移行し,他の8例は坐剤による保存的治療を継続した.主な合併症は肛門痛と出血であった.経過を追えた92例の累積5年無再発率は90.4%で,62例(67.4%)に永続的効果が認められた.しかし,22例(23.9%)はEHL後も症状に応じて適宜,坐剤,軟膏を使用していた,再発は8例(8.7%)で,4例は再度のEHLにより軽快したが,2例が手術に移行した.他の2例は坐剤による保存的治療による経過観察を行った.【結論】EHLは,内痔核の状態を把握し,その適応に合った症例を限定して施行すれば,効果的な治療法のひとつになると考えられた.
  • 外間 昭, 中沢 和之, 一瀬 雅夫
    2004 年 46 巻 4 号 p. 972-973
    発行日: 2004/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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