日本消化器内視鏡学会雑誌
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47 巻, 12 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 明石 隆吉, 清住 雄昭, 相良 勝郎
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2623-2631
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Papillotomeの選択的胆管挿入困難例は,内視鏡的乳頭括約筋切開術の開発当初から内視鏡医を悩ませる問題点であった.その対処法として様々な胆管アクセス法が思考錯誤されて今日に至っている.近年,学会発表等でprecutという言葉が頻繁に聞かれるが,各々の手技には仔細な相違点がありそれら用語の使用には若干の混乱がみられる.今回,これら用語の統一化をふまえて,文献より各手技の特徴を検討した.また,報告されている文献数,症例数からみると,近年胆管アクセス法はneedleknife法のほか膵管括約筋切開術の報告も次第に増加している.偶発症発生率を文献的にみると,膵管括約筋切開術のそれはneedle knife法にくらべて低い傾向にあり,最も危惧される膵炎も重症例が少ない.precut施行に際して最も危惧される膵炎の発症予防を踏まえて,何れの方法がスタンダードとなりえるのか,膵炎予防として膵管ステント付加が必要であるかなど検討することが今後の課題と考えられる.
  • 青木 太郎, 小林 研二, 西岡 清訓, 松本 崇, 小山 太一, 辻野 督, 文 正浩, 廣瀬 創, 趙 明美, 畠野 尚典, 牧野 泰巳 ...
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2632-2637
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    [目的] 進行胃癌症例において超音波内視鏡検査(EUS)により描出された胃壁周囲微量腹水の臨床診断的意義について検討した. [方法] 術前EUS検査にて深達度T2以上と診断した胃癌手術症例85例を対象とし,EUSによる腹水描出結果を1)腹膜播種因子(CY/P因子)の有無,2)造影CT検査による腹水描出結果と比較した. [結果] 1) EUSによる腹水描出結果と腹膜播種因子の有無との比較ではsensitivity74.1%,specificity86.4%,正診率83.5%となった.2)EUSで腹水陽性であった27症例の81.5%がCTでは腹水陰性であり,腹水がEUS陽性/CT陰性であった22症例の72.7%が腹膜播種因子陽性であった.3)EUS腹水陽性の27症例中7例に診断的腹腔鏡を施行し治療方針を決定した. [結論] EUSで描出される微量腹水所見は進行胃癌症例において腹膜播種因子の診断に有用である.
  • 有馬 秀明, 有馬 美和子
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2638-2645
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は75歳,女性.主訴は食物のつかえ感.上部内視鏡検査で胸部中部食道に内腔を占める亜有茎性,4cm大の0-Ip病変を認めた.基部の0-IIc病変には,拡大観察で微細な異常血管を認めた.生検で癌肉腫と診断され,超音波内視鏡で頸胸腹部リンパ節腫脹はなかった.0-Ip+IIc型,深達度m3~sm1の食道癌肉腫と診断,内視鏡的粘膜切除術(以下EMR)を施行.本症例は根治目的のEMRで切除し得た,いわゆる癌肉腫の最初の症例と考えられた.
  • 山田 高義, 田村 智, 大西 知子, 一森 俊樹, 森田 智子, 横山 雄一, 松浦 靖, 松浦 喜美夫, 荒木 京二郎, 大西 三朗
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2646-2651
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    71歳,男性.下肢の浮腫が出現し,近医受診し貧血と低蛋白血症を指摘され,蛋白漏出性胃腸症による低蛋白血症が疑われ当科紹介受診となる.上部消化管内視鏡検査にて易出血性の1型隆起性病変を認め,入院となった.生化学的検査ではTP3.8g/dl,Alb2.2g/dlと著明な低蛋白血症を認めた.α1-アンチトリプシン・クリアランスは168ml/dayと異常高値であった.上部消化管内視鏡検査では,胃体上部から中部の大彎前壁側に粘液付着著明で絨毛状,表面粗造な,易出血性の1型隆起性病変(径10cm程度)を認め,生検にてadenocarcinoma (tub 1)と診断され,手術を施行した.病理組織学的所見では,深達度sm1,Infα,ly 1,v0, n1(No4sa)で総合病期はstage IBであった.術後,下肢の浮腫は消失し,術後55日目の検査でRBC 430万/μ1,Hb12.8g/dl,Ht38.1%,TP6.0g/dl,Alb3.6g/dlと改善し退院の運びとなった.
  • 小島 英吾, 大石 美行, 束原 進
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2652-2657
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は55歳男性.人間ドックの内視鏡検査にて十二指腸に約15mm大のブルンネル腺腫を認めた.ESDを施行中に穿孔したが,クリップにて穿孔部の閉鎖を行い,その後手技を続行し一括切除を行った.術後は保存的治療にて軽快した.標本は,異型腺管が粘膜内から粘膜下層に圧排性に発育しておりブルンネル腺腺腫と診断した.ブルンネル腺の真の腺腫の本邦での報告は本例も含め4例であり,貴重な症例と考えられたため報告する.
  • 横沢 秀一, 赤松 泰次, 村木 崇, 三澤 倫子, 伊東 一博, 金子 靖典, 井上 勝朗, 小見山 祐一, 進士 明宏, 清澤 研道, ...
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2658-2663
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は40歳の女性.2003年7月28日下腹部痛,下痢,体重減少を主訴に某病院を受診した.大腸内視鏡検査にて盲腸に隆起性病変を指摘され,精査加療目的にて同年10月14日当科へ紹介された.盲腸の虫垂開口部に一致して粘膜下腫瘍様隆起と,終末回腸の拡張を認め,各種画像診断を行なったが,確定診断には至らなかった.症状が一旦軽快したため,外来で経過観察したところ,2004年2月15日に腸閉塞を発症した.本人に改めて問診したところ,月経の時期に一致して腹痛が出現することが判明し,回盲部子宮内膜症を疑って,回盲部切除術を行ったところ,病理組織所見で子宮内膜症と診断された.
  • 岩川 和秀, 田中 仁, 杉山 圭三, 市川 幹郎, 梶原 伸介, 栗原 憲二
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2664-2669
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は79歳女性.貧血の精査にて大腸内視鏡検査を受け,盲腸に3cm大の隆起病変を認め,1型進行癌と診断された.腹部CT検査にて腸間膜根部付近に4cm大の腫瘤を認めた.回盲部切除術を施行したが,虫垂の腫瘍が先進部となり盲腸内に完全に内翻した状態であった.病理組織学的には,反転した虫垂の先端部に高分化腺癌を認め,中心部は粘液癌となり漿膜外へ露出していた.腹腔内の腫瘍は生検にて粘液癌であり,腹膜播種性転移と診断された.虫垂重積と限局性腹膜播種という稀な進展形式をきたした虫垂癌症例を経験した.
  • 青木 哲哉, 大川 清孝
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2670-2671
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 山本 博徳, 喜多 宏人, 砂田 圭二郎, 宮田 知彦, 矢野 智則, 岩本 美智子, 小俣 俊明, 新畑 博英, 刀根 幸夫, 藤枝 真司 ...
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2672-2680
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    大腸におけるESDを議論する場合,その特殊性をよく理解しておく必要がある.計画的分割切除を行うか,ESDを行うかはリスクとベネフィットの比率をよく考慮して決定するべきである. 大腸においてESDを安全かつ確実に行うためには局注剤としてヒアルロン酸ナトリウムの使用が必須といっても過言でない.ヒアルロン酸ナトリウムの局注により,薄く柔らかい大腸壁に厚みと硬さを与え,安全にESDを行うためのセーフティマージンが得られるようになる. 粘膜の切開,剥離には先端系の処置具を用い,透明フードを併用するのが大腸で安全にESDを行うこつであり,粘膜隆起を維持する戦略と,重力をうまく利用することも重要な要因である. 適切な手技の選択により,大腸においても安全にESDを行うことは可能であり,今後の処置具,手技の改良により,ますます大腸のESDが実用的なものとなっていくことを期待する.
  • 小越 和栄, 金子 榮藏, 多田 正大, 峯 徹哉, 芳野 純治, 矢作 直久
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2681-2690
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 小越 和栄, 金子 榮藏, 多田 正大, 峯 徹哉, 芳野 純治, 矢作 直久, 後藤 信哉
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2691-2695
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 責任者:藤田 力也
    五十嵐 正広
    2005 年 47 巻 12 号 p. 2696-2699
    発行日: 2005年
    公開日: 2024/01/29
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 47 巻 12 号 p. 2704-2707
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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