日本消化器内視鏡学会雑誌
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47 巻, 9 号
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  • 上村 直実
    2005 年47 巻9 号 p. 2139-2145
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    1983年にHelicobacter pyloriが発見されて以来,上部消化管疾患の概念が変わってきた.それとともにH.pylori感染が胃粘膜の内視鏡像に影響することが判明してきている. 従来,加齢現象とされていた慢性萎縮性胃炎の進展がH.pylori感染者のみにみられる現象であることが判明し,H.pylori感染により生ずる組織学的胃炎が除菌により消失することも明らかになっている.さらに胃癌など個々の上部消化管疾患が発生しやすい特徴的な背景胃粘膜とH.pylori感染との問に深い関連が存在することも判明している. H.pylori感染に関連する組織学的変化は内視鏡像にも反映されるため,様々な感染動態における特徴的な内視鏡像を熟知することがたいせつである.とくに胃癌のリスクを考慮した場合,非感染者の胃粘膜,現在感染している胃粘膜,既感染者および薬物による除菌後A粘膜の4者における内視鏡像の特徴を把握することが重要である.
  • 柴田 早苗, 山本 力, 吉岡 篤史, 藤井 俊光, 堀内 亮郎, 田尻 和男, 渡辺 守
    2005 年47 巻9 号 p. 2146-2152
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)において胃壁固定併用が造設後2週間の早期合併症を減少させるか,retrospectiveに検討した.また,胃壁固定法は鮒田式胃壁固定法と当院考案の低コストに抑えた方法(北信式胃壁固定法)で行い両者の比較も行った.【方法】胃壁非固定群117例,胃壁固定群149例(鮒田式56例,北信式胃壁固定法93例)に対してカイ2乗検定を用いて検討を行った.【結果】創部感染は胃壁非固定群と比べ固定群において有意に滅少を認めた(7,7%vs2.0%).それ以外の合併症に関しては両群間で有意差は認められなかった.北信式胃壁固定法と鮒田式との問には合併症において差を認めなかった.【結論】PEGにおける胃壁固定は創部感染を減少させるため併用が望ましいと考えられた.また,従来の鮒田式と比べ北信式は低コストであり胃壁固定のさらなる普及に貢献できると考えられた.
  • 森隆 太郎, 小金井 一隆, 森 英理, 五味 淳, 嶋田 紘
    2005 年47 巻9 号 p. 2153-2158
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は26歳男性.2002年5月から心窩部不快感を認め近医で十二指腸潰瘍として内服治療を受けていた.2003年1月タール便が出現し,上部消化管内視鏡検査で十二指腸に縦走潰瘍を認めクローン病と診断された.この際,小腸,大腸に病変を認めなかった.症状が改善しないため当科を受診し,プレドニゾロンとペンタサ粉末,プロトンポンプ阻害剤と,経腸栄養を併用し症状は改善した.2004年6月食思不振,発熱のため入院した.病変は胃にも進展しており,十二指腸球部から下行脚までの縦走潰瘍を認め内腔は狭小化していたがスコープの通過は可能であった.絶飲食で自覚症状と炎症所見が改善した.胃十二指腸に限局したクローン病の報告は本邦で5例と極めて稀である.治療にはペンタサ粉末などが用いられるが狭窄例では手術を要することもあり,その治療方針の決定には胃十二指腸病変の精査が必要である.
  • 来住 稔, 藤澤 貴史, 大西 裕, 竹田 章彦, 坂口 一彦, 前田 光雄, 西上 隆之
    2005 年47 巻9 号 p. 2159-2165
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は69歳の男性で,胃癌にて幽門側胃切除の既往あり,健診異常にて当科を受診し,胃線検査にて残胃吻合部大彎に山田III型の立ち上がりを呈した半球状隆起を認めた.胃内視鏡検査では病変は表面凹凸不整で発赤調の粘膜及び厚い白苔が混在していた.隆起表面の生検で印環細胞癌と診断し残胃全摘術を施行した.腫瘍の大きさは18×14mmで大部分が粘膜下層に広がる粘液結節で構成され,一部粘膜内に中分化腺癌を含む粘液癌であった.深達度はMPで,軽度のリンパ管浸潤を認めた.免疫組織化学的検討では粘液癌部,管状腺癌部とも完金腸型の粘液形質を呈した.病理組織学的にM-22-A,pType1,muc>tub2,T2(MP),medullary type,INFα,ly1・v0,pN 0,18×14mm,stage IBと診断した.胃粘液癌が亜有茎性に隆起することはまれであり,病理組織学的ならびに免疫組織化学的検討を加えて報告した.
  • 赤木 純児, 光野 利英, 猪山 賢一
    2005 年47 巻9 号 p. 2166-2171
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は78歳男性であり,肺小細胞癌の再発に対する化学療法中に吐血をおこし,その精査目的で行った胃内視鏡検査で肺小細胞癌の胃転移が発見された.肺小細胞癌の胃への転移が生前に発見されしかも内視鏡的に経過観察された症例はまれであり,われわれが検索し得た限りでは現在まで本症例を入れて14例の報告があるのみである.
  • 屋比久 貴子, 八尾 建史, 宮里 史郎, 高橋 祐一, 仲宗根 啓樹, 金城 光世, 佐久本 健, 伊佐 勉, 外間 昭, 金城 福則
    2005 年47 巻9 号 p. 2172-2177
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は57歳の女性.関節リウマチと骨折のため,非ステロイド系消炎鎮痛剤(nonsteroidal antiinflammatry drugs:NSAID)を長期間服用していた.下腹部痛で発症し,腸閉塞と診断した.小腸造影で認めた小腸狭窄の診断のために施行したダブルバルーン小腸内視鏡で回腸に膜様狭窄を認め,NSAID起因性小腸膜様狭窄と診断し,小腸切除術を施行した.NSAIDによる小腸の膜様狭窄はまれであり,ダブルバルーン小腸内視鏡で術前に診断しえた貴重な症例と考え報告する.
  • 日山 智史, 小森 真人, 伊藤 敏文, 伊藤 善基, 山本 政司, 最上 夏帆, 林 暢彦, 野口 正彦, 辻井 正彦, 辻 晋吾, 川野 ...
    2005 年47 巻9 号 p. 2178-2184
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は66歳男性.主訴は黒色便,貧血近医にて上部・下部消化管内視鏡検査施行するも出血源の同定出来ず,精査・加療目的にて当院紹介入院となった.ダブルバルーン小腸内視鏡検査を施行し出血源を同定,さらに生検結果より小腸多発マントル細胞リンパ腫と診断し,加療を行い得た.ダブルバルーン小腸内視鏡により,小腸全域の精査を存在診断のみならず質的診断に至るまで,以前より容易に行い得るようになったと考えられる.
  • 山本 豪, 入澤 篤志, 小原 勝敏, 引地 拓人, 渋川 悟朗, 高木 忠之, 若槻 尊, 今村 秀道, 高橋 裕太, 佐藤 由紀夫
    2005 年47 巻9 号 p. 2185-2190
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は55歳女性.39歳より慢性腎不全にて腹膜および血液透析を施行されていた.腹部膨満感,黒色吐物嘔吐を主訴に受診した.緊急で施行した上部消化管内視鏡では,十二指腸下行部に粘膜浮腫とびらん,および同部位の狭窄を認めた.虚血性病変や十二指腸周囲の腫瘍性病変の存在も考えられたため,腹部造影CTおよび腹部超音波検査を施行したところ肝内門脈内にガス像を認めた.この後,敗血症性ショックの状態になったが,エンドトキシン吸着療法を施行し状態は改善した.肝内門脈のガス像は翌日には消失していた.本症例の十二指腸病変は長期透析に伴った非閉塞性腸管虚血症と診断した.また,門脈ガス血症の原因は,内視鏡施行時の送気により,腸管虚血により生じたびらん部位からの空気が流入したためと考えられた.
  • 吉田 暁正, 藤井 常志, 柴田 直美, 折居 史佳, 松本 昭範, 垂石 正樹
    2005 年47 巻9 号 p. 2191-2196
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は77歳男性.右季肋部痛にて当科を受診血液検査にて総ビリルビンと肝胆道系酵素の上昇を認め入院内視鏡的逆行性膵胆管造影では総胆管結石の他に針状の胆管内異物を認め,内視鏡的切石術および異物摘出術を行った.異物は弾性硬であり,成分分析にてリン酸カルシウムが検出され,魚骨であると推測された.医原性ではない胆管内異物の報告はまれであり,貴重な症例と考え報告した.
  • 北野 正剛, 白水 章夫, 遠藤 裕一, 太田 正之, 吉松 博信
    2005 年47 巻9 号 p. 2197-2201
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内科治療抵抗性肥満症2例に対し,わが国で初めてBioEnterics(R) Intragastric Balloon System(BIB(R) system)を用いた胃内バルーン留置療法を施行した.いずれの症例も内視鏡観察下に生理食塩水をバルーン内に4001nl注入した.治療後4カ月と3カ月にはそれぞれ-33.4%および-19.3%の過剰体重減少率と高血圧症,高脂血症の改善を認めた.胃内バルーン留置療法は内科治療抵抗性の肥満症の治療に有効であると考えられた.
  • 長谷部 修, 立岩 伸之, 保坂 典子
    2005 年47 巻9 号 p. 2202-2203
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 木田 光広, 菊地 秀彦, 荒木 正雄, 渡辺 摩也, 近藤 一英, 今泉 弘, 山田 至人, 坂口 哲章, 西元寺 克禮
    2005 年47 巻9 号 p. 2204-2217
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     超音波内視鏡(EUS)は,内視鏡先端に超音波振動子を有し,内視鏡周囲の断層像を得る検査法である.上部消化管に対する適応は,悪性腫瘍の局所進展度診断,粘膜下腫瘍の診断,食道静脈瘤,胃潰瘍などの評価,悪性腫瘍化学療法後の評価などに用いられる.機種選択に関しては,大きな病変は通常型EUSを,平坦で小さな病変,食道癌狭窄例などには超音波プローブを用いる.描出に関しては,食道ではバルーン法,脱気水持続注水法,ゼリー法を,胃疾患には脱気水充満法を主に用いる.胃においては,脱気水で洗浄すること,存在部位別の脱気水量のコントロール,体位変換などが大切である.食道では,誤嚥に注意して行なうが,ゼリー法では誤嚥例を経験していない.上部消化管に対する超音波内視鏡下吸引細胞診・生検(EUS-FNA)は,ある程度以上大きさの粘膜下腫瘍,リンパ節,原因不明の狭窄などが適応となる.機材に関しては,初心者には自動穿刺針が望ましく,ある程度経験を経た後ディスポーザブル針とすべきである.実際の穿刺に際しては,病変が同定できる最小限度の脱気水量とすること,病変を押さえ込むような位置で中心から,基部側を穿刺すること,陰圧をかけた針を病変内で方向を変えながら20~10回ストロークさせ組織を針内へ押し込むこと,病理医の同席のもとに組織が採取出来たか確認するのが望ましいが,同席が難しい場合には,肉眼での確認,あるいは4,5回を目安に穿刺するとある程度以上の診断率が得られる.
  • 責任者:高瀬 修二郎
    伊藤 透
    2005 年47 巻9 号 p. 2218-2221
    発行日: 2005年
    公開日: 2024/01/29
    ジャーナル フリー
  • 2005 年47 巻9 号 p. 2226-2230
    発行日: 2005/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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