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中沢 貴宏, 大原 弘隆, 城 卓志
2007 年 49 巻 4 号 p.
1105-1117
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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自己免疫性膵炎には高率に硬化性胆管炎を合併する.われわれは自己免疫性硬化性胆管炎と呼称しているが,それらは4つのタイプに分類された.びまん性に硬化性の胆管狭窄をきたす症例では難治性の原発性硬化性胆管炎との鑑別を,限局性に胆管狭窄をきたす症例においては胆管癌との鑑別が重要である.自己免疫性硬化性胆管炎の胆管像を詳細に検討すると原発性硬化性胆管炎といくつかの異なる所見が見出された.よって自己免疫件硬化性胆管炎と原発性硬化性胆管炎の鑑別には胆管像が有用と考えられた.
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松枝 重樹, 川崎 俊彦, 長谷 寛二, 宮岡 哲郎, 木村 利幸, 鷹巣 晃昌
2007 年 49 巻 4 号 p.
1118-1124
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は72歳男性.食道通過障害を主訴として来院した.上部消化管内視鏡,食道透視,胸部CTにて,全長12cmの全周性食道狭窄と右肺下葉の腫瘍を認めた.進行食道癌,肺癌合併例と考え食道ステントを留置した.直後より胸水が増加し急速な死の転帰をとった.病理解剖で食道病変は肺腺癌の食道浸潤と判明した.肺癌による食道狭窄は時に経験されるが,極めて予後不良なため,食道ステントの適応となることも少ない.反省すべき点のある1例と思われ報告する.
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矢口 義久, 小林 宏寿, 高畑 りさ, 坂本 直子, 菅澤 英一, 帖地 憲太郎, 辻本 広紀, 小野 聡, 市倉 隆, 前原 正明, 望 ...
2007 年 49 巻 4 号 p.
1125-1129
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は36歳の男性.1歳時に先天性食道閉鎖症に対し根治術を受けた.以後,特に問題なく経過していたが,1歳時の手術の際の胃瘻チューブ抜去部と思われる上腹部瘢痕創より,35年経過後に突然に胃液の排出を認め来院した.瘻孔造影検査にて,胃皮膚瘻と診断した.禁飲食にて経過観察したが,胃液流出は持続した.そこでまず内視鏡的に瘻孔部のクリッピングを行い胃液流出を抑えた後,体表よりフィブリン糊を充填したところ,瘻孔は閉鎖した.本法は難治性の胃皮膚瘻に対し低侵襲で有効な治療と思われる.
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大田 浩平, 柳川 憲一, 高畑 哲也, 野田 英児, 井上 透, 西原 承浩, 入代 正和, 前田 清, 平川 弘聖
2007 年 49 巻 4 号 p.
1130-1135
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は75歳女性.2000年5月18日急性虫垂炎にて虫垂切除術を施行した.初診時腹部単純X線検査・CT検査にて盲腸から横行結腸にかけて石灰化を認め,術後大腸精査施行.大腸内視鏡検査にて右側結腸の粘膜に浮腫,暗紫色の色調変化を認めた.生検病理組織では好酸性沈着物を認めたが,コンゴーレッドにて染色されず,腸間膜静脈硬化症と診断した.腸間膜静脈硬化症はまれな疾患であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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赤松 拓司, 山下 幸孝, 中西 祐貴, 幡丸 景一, 清水 孝洋, 堀 貴美子, 田中 敦俊, 神田 啓太郎, 瀬田 剛史, 浦井 俊二, ...
2007 年 49 巻 4 号 p.
1136-1144
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は28歳男性.腹部膨満感,体重減少を主訴に受診した.上部消化管内視鏡検査,消化管造影,CT,EUS等にて十二指腸膜様狭窄症と診断した.ERCPにて乳頭部と膜様部の位置関係を確認した上で,2チャンネルスコープ,ポリペクトミー用スネア,ITナイフを用いて内視鏡的に膜様部部分切開術を施行し,その後愁訴は消失し,良好に経過している.
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大久保 俊一, 大沼 啓之, 西家 極仙, 櫻井 環, 佐藤 康弘, 藤川 幸司, 新谷 直昭, 高橋 康雄, 鈴木 宏明, 山城 勝茂
2007 年 49 巻 4 号 p.
1145-1151
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は62歳の女性.下血にて当科紹介され下部消化管内視鏡検査施行.上行結腸に巨大なポリープと憩室を認めた.出.血は憩室からのものと考えられた.後日の下部消化管内視鏡検査にてポリープは約4cm大で,その肛門側は細長く分葉しており,表面は平滑でやや発赤調の粘膜で覆われていた.口側は透明感のあるイクラ状の部分からなっていた.確定診断のため口側,および肛門側を内視鏡的に切除した.病理組織学的所見は非腫瘍性でretension polypに近いものであった.総合的には,若年性ポリープ様の組織像を示した巨大大腸ポリープと診断した.
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島谷 昌明, 松下 光伸, 内田 一茂, 福井 由理, 田橋 賢也, 關 壽人, 岡崎 和一, 植村 芳子, 坂井田 紀子, 河南 智晴
2007 年 49 巻 4 号 p.
1152-1158
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
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症例は67歳女性.臍部不快感を主訴に来院.精査にて肝腫瘍を認め,生検にてカルチノイド腫瘍と診断した.小腸透視にて腫瘤を認め,回腸カルチノイド腫瘍の疑いでダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)を施行した.腫瘍部分は癒着が強く深部挿入困難であった.手術にて,回腸カルチノイド腫瘍の肝転移と診断した.本症例は術前にDBEを行うことで小腸多発病変の有無を検索し,切除範囲決定の一助となった.
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大久保 俊一, 平山 眞章, 小笹 里砂, 佐々木 宏嘉, 近江 直人, 高橋 稔, 加藤 淳二, 新津 洋司郎
2007 年 49 巻 4 号 p.
1159-1165
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
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【背景及び目的】シース型バイポーラスネア(B-WAVE)はスネアの構造上の工夫により従来型バイポーラスネアに比べて処置後の出血は少ないと報告されている.しかし,モノポーラに比しまだ出血が多い印象がありさらなる工夫が必要と考える.一方,高周波装置に注目するとエルボトームICC200(ERBE)は組織のインピーダンスを感知して常に適性な出力を供給するエンドカットシステムを有しており,様々な内視鏡治療に幅広く使用されている.そこでわれわれは大腸腫瘍の内視鏡的粘膜切除術(以下EMR)においてB-WAVE使用時にERBEを併用する事でさらに処置後の出血を減らせるか否か検討した.方法:大腸腫瘍64症例100病変に対してEMR施行時にB-WAVEとERBEを併用した群(以下ERBE群)とB-WAVEと通常のBlend電流を使用した群(以下Blend群)とに群別し,出血の有無を検討した.結果:ERBE群では61病変中1病変にのみ出血を認め,またBlend群では39病変中5病変に出血を認め有意差(P<0.05)を持ってERBE群のほうが出血が少なかった.結論:B-WAVE使用時にERBEを併用する事で出血のリスクは減り,より安全な大腸腫瘍のEMRを施行できると考えられた.
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久野 博, 野川 辰彦, 佐藤 賀昭
2007 年 49 巻 4 号 p.
1166-1167
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
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河野 辰幸, 荻谷 一男, 春木 茂男, 川田 研郎, 中島 康晃, 西蔭 徹郎, 小嶋 一幸, 永井 鑑, 荒木 昭博, 杉本 太郎, 中 ...
2007 年 49 巻 4 号 p.
1168-1174
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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最近の機器の進歩により経鼻的上部消化管内視鏡検査が容易に施行可能となってきた.経鼻内視鏡検査の手技は難しくないものの,経鼻法の導入時に多少の関門は存在する.特に重要な要素は,検者の検査に対する否定的な感情と前処置に関する知識の不足である.前処置では,硝酸ナファゾリンなどの収斂剤と高濃度のリドカインを少量使用すること,リドカインゼリーや注射剤を使用しないこと,必要に応じてネラトン管による鼻道の拡張を図ることなどがポイントと考えている.適切な前処置によりほぼ全例における経鼻内視鏡検査が可能で,患者満足度も高い.現在の経鼻内視鏡は上部消化管疾患に関して標準的な経口内視鏡とほぼ同等の診断能を有しており,更なる細径化の要否は別として,拡大観察や画像処理機能などの付加が求められるようになるかもしれない.
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責任者:稲土 修嗣
稲土 修嗣
2007 年 49 巻 4 号 p.
1175-1178
発行日: 2007年
公開日: 2024/01/29
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間部 克裕, 深瀬 和利, 鈴木 康之, 松田 暁子, 加藤 喜信, 小関 大平, 阿部 貴志, 鈴木 克典, 松田 徹, 斎藤 博
2007 年 49 巻 4 号 p.
1179-1185
発行日: 2007/04/20
公開日: 2011/05/09
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