内視鏡観察は通常観察・画像強調観察・拡大内視鏡観察・顕微内視鏡観察に分類される.そのうち画像強調観察は光学法・デジタル法・光デジタル法・色素法に亜分類され,今回詳述するNarrow Band Imaging(NBI)とAuto-Fluorescence Imaging(AFI)は光デジタル法にあたり,その他の観察法とは異なる点が重要である.NBIは光源フィルターを狭帯域に設定することでヘモグロビン吸収領域に設定され,粘膜表層の毛細血管を中心に観察される.画像の切り替えは手元のボタン操作一つで容易に行うことが可能で,複雑な手技は必要ない.観察は通常白色光から行い,色素撒布前に行うことが望ましい.観察の際に病変部の水洗で出血をさせないように注意する.また拡大観察はpit pattern観察と同様弱拡大から行い強拡大へと移行する.NBI観察の有用性は病変の拾い上げ,腫瘍一非腫瘍の鑑別に有用とする報告がなされてきている.微小血管模様から見た深達度診断においては,各施設における分類が様々で,その有用性においては,今後の更なる検討が必要である.一方,AFIは現在,電子スコープに搭載された青色励起光と緑色光を回転フィルターに設置し,粘膜面から発せられた自家蛍光像を撮像し,再構築してAFI画像としてモニター上に描出している.AFI観察もボタン操作一つで画面の切り替えが可能である.AFI画像下では腫瘍性病変および活動期における炎症性粘膜はマゼンタ(赤紫)調に描出されるのに対して,正常周囲粘膜では深緑色に描出される.以上から,腫瘍一非腫瘍の鑑別が瞬時にして把握され,AFI観察が有用と考えられる.
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