日本消化器内視鏡学会雑誌
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50 巻, 9 号
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  • 丹羽 寛文
    2008 年50 巻9 号 p. 2443-2465
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     日本消化器内視鏡学会は昭和34年(1959)に日本胃カメラ学会として設立され,本年で創立50周年を迎えた.昭和36年の第3回総会時には,より広い範囲の内視鏡を包含する目的で日本内視鏡学会と改名し,昭和37年には社団法人の認可を得ている.さらに昭和48年には対象を消化器系に絞り日本消化器内視鏡学会と改名し,昭和54年には日本医学会分科会に加盟が認められた.学会発足時には僅か280名であった会員は,現在では3万名を越えている.現在までの総会,大会,地方会を含む学会議の活動状況,邦文・英文学会誌の発行の状況,内視鏡機器の発展に応じてますます広がった研究課題の詳細,学会セミナーの実施状況,専門医制度と専門医,指導医数の増加の状況,内視鏡博物館の設置準備,崎田賞の創設,内視鏡技師の現況,さらに国際関係の活動等々を詳しく説明した.併せて治療内視鏡の一層の普及を背景とした今後の展望を述べた.
  • ―現状と問題点―
    斉藤 裕輔, 垂石 正樹, 小澤 賢一郎, 藤谷 幹浩, 渡 二郎
    2008 年50 巻9 号 p. 2466-2477
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     早期大腸癌に対する内視鏡診断と治療の現状と問題点について概説した.現状における根治的内視鏡治療の適応病変は,M癌及びリンパ節転移危険因子のない浸潤距離1,000μm未満のSM癌である.内視鏡治療か,外科手術かの治療法選択に有用な通常内視鏡所見として緊満所見,内視鏡的硬さ,凹凸不整,陥凹内の凹凸,皺襞集中,孤の硬化,台上挙上などの所見が抽出された。拡大内視鏡においてはVN型pitの観察がSM深部浸潤癌の診断に重要である.また,近年Narrow band imagingが使用可能となり,病変の拾い上げ,腺腫と癌の鑑別,癌の深達度診断に有用とされており,この分野の今後の発展が期待される.内視鏡治療に関しては,計画的分割切除を含めた内視鏡的粘膜切除が主体に行われているが,この技術の標準化が求められている.また,近年,一括切除率向上を目的として内視鏡的粘膜下層剥離術も大腸に導入され,合併症が比較的多い点や手技の長時間等の問題はあるものの,今後の技術改良により,安全・確実な本治療手技の確立が重要である.早期大腸癌の内視鏡治療後の経過観察についても局所再発の他,SM癌においてはリンパ節や遠隔転移の早期発見可能なプログラムの確立が必要である.
  • 古川 大輔, 千野 修, 島田 英雄, 山本 壮一郎, 原 正, 加藤 優子, 幕内 博康
    2008 年50 巻9 号 p. 2478-2483
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は78歳男性.胸部中部食道に2型とlp型の2種類の腫瘍が接して存在し,生検の結果食道癌と診断して,右開胸開腹胸部食道全摘術を施行した.病理組織検査では2型病変は高分化扁平上皮癌であった.lp型病変はいわゆる食道癌肉腫で,癌腫成分には扁平上皮癌と類基底細胞癌および腺癌が混在する多彩な組織像を呈した.また形態的にも扁平上皮癌と癌肉腫との衝突癌が疑われた同時性多発食道癌であり,稀な症例であった.
  • 羽田 匡宏, 大竹 由美子, 橋爪 泰夫
    2008 年50 巻9 号 p. 2484-2487
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     経鼻内視鏡を用いたDirect法による胃瘻造設術を施行した.気管切開および開口障害をもつ脳梗塞後遺症患者に対して,経鼻内視鏡はスコープの挿入をスムーズに行うことが可能であった.Direct法はチューブを腹壁に直接留置するため,口腔・咽頭細菌による創部感染の防止が可能である.また,ダイレーターの使用により,一期的に太径のダンパー型のチューブが留置可能である.腹壁固定が必須となるが,4点の腹壁固定糸で腹壁と胃前壁を挙上することで,安全に胃壁穿刺を行い,さらに気腹と胃後壁損傷を予防することが可能であった.また,造設後に固定糸2本を抜去することで,瘻孔部の血流を確保することができると考えられた.
  • 市東 昌也, 石井 誠一郎, 大森 泰
    2008 年50 巻9 号 p. 2488-2493
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は96歳,73歳,66歳のいずれも胆石症手術の既往を有する女性で,原疾患はそれぞれ総胆管結石症,肝門部胆管癌,下部胆管癌疑いであった.治療もしくは細胞診目的でERCPを施行した.穿孔は検査時に2例,検査翌日に1例が診断され,損傷部位は十二指腸下行部2例,球部1例であった.診断後直ちに全例開腹手術により穿孔部閉鎖,洗浄ドレナージ術が行われた.術後経過はいずれも良好で,軽快退院した.
  • 藤澤 貴史, 上山 茂充, 森 要之, 小柳 真希, 大内 佐智子
    2008 年50 巻9 号 p. 2494-2502
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は41歳,女性で主訴は貧血である.高脂血症による2度の重症膵炎の既往があり,4年前2度目の膵炎発症時に膵体尾部の腹側から脾門部にかけて広範囲に仮性嚢胞を形成し,その後嚢胞感染を発症したが保存的治療で仮性嚢胞は消失した.2型糖尿病,慢性膵炎などの加療中に今回高度貧血のため入院となった.上部消化管内視鏡検査では食道に異常を認めなかったが,胃噴門部から体上部にかけて胃静脈瘤を認め,一部に粗大結節状の静脈瘤と同部に潰瘍形成を認めた.画像診断では脾静脈周囲に豊富な側副1血行路を認め,短胃静脈を介して胃静脈瘤が形成され,門脈に流入しており,脾静脈は描出されなかった.以上より,脾静脈血栓症および胃静脈瘤破裂と診断し,脾摘術を行い,術後は胃静脈瘤の縮小を認めた.本邦報告例38例の文献的考察を加えた.
  • 上甲 秀樹, 日前 敏子, 佐藤 元通, 青野 真実, 岡 清仁
    2008 年50 巻9 号 p. 2503-2507
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     【背景・目的】安全な胃瘻力テーテル交換を施行するために経鼻内視鏡,ガイドワイヤー,スネアを用いた交換方法(ガイドワイヤー把持法)を考案し,その有用性を検討した.【方法】内視鏡挿入後に,留置カテーテルよりガイドワイヤーを挿入し,内視鏡から挿入したスネアでガイドワイヤーを把持した状態で,留置力テーテルを抜去し,ガイドワイヤー下に新しいカテーテルを留置した.また,内視鏡を経鼻的に挿入した群(経鼻群)と経口的に挿入した群(経口群)に無作為に振り分け,交換時間,咽頭反射回数を比較検討した.【結果】両群とも全例で合併症なく安全に胃瘻力テーテルを交換した.経鼻群の方が経口群と比べ手技時間は短く(P<0.Ol),咽頭反射回数は少なかった(P<0,001).【結論】経鼻内視鏡,ガイドワイヤー,スネアを用いた胃瘻力テーテル交換(ガイドワイヤー把持法)は患者にとって低侵襲で安全に胃瘻カテーテルを交換することが可能であり有用な方法と思われた.
  • 赤星 和也, 本田 邦臣, 赤羽 秀文
    2008 年50 巻9 号 p. 2508-2512
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     早期胃癌に対するナイフ型処置具を用いたESDは手技的に難しく穿孔や出血の危険性が高い.われわれは目標部位を把持し,通電切開する把持型鋏鉗子(Grasping type Scissors Forceps : GSF)を開発した.早期胃癌6例を対象にGSFを用いたESDを施行し,その臨床的有用性を検討した.全例容易かつ安全に病変を一括完全切除でき,合併症も認めなかった.GSFを用いたESDは高度な技術を要さず,安全かつ効果的に早期胃癌を切除できる内視鏡的治療法と思われる.
  • 白藤 智之, 大曲 武征, 矢嶌 弘之, 山崎 和文
    2008 年50 巻9 号 p. 2513-2517
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は近年広く普及している.しかし一方でPEG困難例も増加してきており様々な工夫もされている.今回われわれはPEG施行時に横行結腸が介在し通常では造設不能であった症例に対し大腸内視鏡併用にて安全にPEG挿入を施行しえた2例を経験した.症例1は脾彎曲部を下方に牽引する方法で,症例2は横行結腸を下方にたわませる方法で穿刺部位を確保した.本法はPEG適応症例を今後拡大しえると考えられた.
  • 原 明史, 渡部 博昭
    2008 年50 巻9 号 p. 2518-2519
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 久米 恵一郎
    2008 年50 巻9 号 p. 2520-2521
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 嶋尾 仁
    2008 年50 巻9 号 p. 2522-2530
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道ステンティングは,手術不能の悪性狭窄が適応である.経口摂取を可能にすることが,主たる目的であるが,瘻孔の閉鎖では激しい咳嗽の改善が目的となる. 頸部食道狭窄で狭窄部位が入口部に近いとステントの口側端が喉頭にあたり,喉頭の圧迫壊死を起こす可能性がある.腫瘍のため食道の軸が変異していると,入口部近くの食道潰瘍や医原性の食道皮膚瘻をおこすため,留置後の観察が重要である.浸潤による気道系の狭窄を来たしている場合には,まず気道系の狭窄の改善を計らないと,ブジーやステンティングで,気道系狭窄が増悪し,肺炎,無気肺をひきおこす.食道のステンティングに先立ち,気道系EMSを留置する.瘻孔が気管分岐部にあると,食道側の閉鎖は行えても気道系の閉鎖が困難である.噴門部狭窄は逆流防止弁を装着するなど,一工夫が必要である.悪性腫瘍が噴門部に限局しておればステンティングによる効果は得られる.浸潤性の悪性腫瘍で胃体部が浸潤している場合,狭窄を改善しても経口摂取改善効果が見られないことが多い.EMS留置後も食道潰瘍の防止や再狭窄の治療のため,経過観察が必要である.食道潰瘍にはEMSの抜去が,tumor ingrowthにはstent in stentが,overgrowthには追加ステンティングが行われる.
  • ―日本人における適切な休薬期間設定―
    玉井 佳子, 石澤 (小松)知子, 高見 秀樹, 中島 均, 福田 眞作, 棟方 昭博
    2008 年50 巻9 号 p. 2531-2539
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     抗血小板薬は血栓性疾患の予防・治療に広く使用されているにもかかわらず,内視鏡手技前の抗血小板薬休薬期間を検討した報告はほとんどない.血栓性疾患の発症には人種差も認められると考えられており,日本人における内視鏡手技前の適切な抗血小板薬休薬期間を決定することは重要である.われわれは,1)従来の日本における内視鏡手技前抗血小板薬休薬期間のアンケート調査(2004年),2)内視鏡手技前の休薬期間と偶発症に関するアンケート調査,3)アスピリン服用に伴う大腸出血時間,4)健常者における抗血小板薬休薬と一次止血能改善過程について検討した. 検討結果から,アスピリン単独では3日間,チクロピジン単独では5日間,両者を併用している場合には7日間程度の休薬期間が日本人における内視鏡手技前の適切な抗血小板薬休薬期間であると考える.
  • 責任者:羽田 勝計
    藤谷 幹浩
    2008 年50 巻9 号 p. 2540-2542
    発行日: 2008年
    公開日: 2024/01/29
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2008 年50 巻9 号 p. 2548-2551
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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