早期大腸癌に対する内視鏡診断と治療の現状と問題点について概説した.現状における根治的内視鏡治療の適応病変は,M癌及びリンパ節転移危険因子のない浸潤距離1,000μm未満のSM癌である.内視鏡治療か,外科手術かの治療法選択に有用な通常内視鏡所見として緊満所見,内視鏡的硬さ,凹凸不整,陥凹内の凹凸,皺襞集中,孤の硬化,台上挙上などの所見が抽出された。拡大内視鏡においてはVN型pitの観察がSM深部浸潤癌の診断に重要である.また,近年Narrow band imagingが使用可能となり,病変の拾い上げ,腺腫と癌の鑑別,癌の深達度診断に有用とされており,この分野の今後の発展が期待される.内視鏡治療に関しては,計画的分割切除を含めた内視鏡的粘膜切除が主体に行われているが,この技術の標準化が求められている.また,近年,一括切除率向上を目的として内視鏡的粘膜下層剥離術も大腸に導入され,合併症が比較的多い点や手技の長時間等の問題はあるものの,今後の技術改良により,安全・確実な本治療手技の確立が重要である.早期大腸癌の内視鏡治療後の経過観察についても局所再発の他,SM癌においてはリンパ節や遠隔転移の早期発見可能なプログラムの確立が必要である.
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