日本消化器内視鏡学会雑誌
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51 巻, 11 号
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総説
  • 三井 啓吾, 田中 周, 藤森 俊二, 坂本 長逸
    2009 年 51 巻 11 号 p. 2853-2865
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/10/19
    ジャーナル フリー
    カプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡はともに高い診断能を有する検査法である.小腸内視鏡検査の一番の適応は原因不明の消化管出血であり,その最終診断は腫瘍・潰瘍・血管性病変など多岐に渡る.カプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡の診断能は出血から検査までのタイミングによって大きく異なることが知られており,速やかにカプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡に施行することが大切であり,各種検査方法の特徴を熟知した上で,出血症状や詳細な病歴から症例ごとに最良の検査戦略を組み立てる必要がある.
原著
  • 中村 正直, 大宮 直木, 宮原 良二, 安藤 貴文, 渡辺 修, 川嶋 啓揮, 伊藤 彰浩, 廣岡 芳樹, 丹羽 康正, 後藤 秀実
    2009 年 51 巻 11 号 p. 2866-2876
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/10/19
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】昨今小腸疾患の診断に有効性の高い検査法であるカプセル内視鏡(VCE)とダブルバルーン内視鏡(DBE)が臨床導入された.本研究の目的は原因不明の消化管出血(OGIB)におけるVCEの異常所見とその診断能を評価することである.【方法】VCE,DBEともに行った116例を検討した.遡及的にVCEの診断,所見をDBEを中心とした最終診断と比較し,最終診断が小腸外疾患であった症例を除いて,VCEの診断能を評価した.【結果】VCEの有所見率は73/116例(62.9%)であったがVCEの所見のみで消化管の出血源に関する最終診断が可能であったのは13例(11.2%)と低率であった.VCEの感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,正診率(%)は各々76.7,74.2,87.5,57.5,76.0であった.76% の患者で最終診断への有効な情報を得ることができた.【結論】VCEはOGIBにおいて最終診断を得ることは少ないが,最終診断への有効な情報源としての役割を果たすと考えられた.
症例
経験
  • 上甲 秀樹, 日前 敏子, 矢野 達哉, 佐藤 元通, 岡 清仁
    2009 年 51 巻 11 号 p. 2918-2923
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/10/19
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:以下,PEG)を安全に施行するためには,内視鏡下での良好な視野が必要である.今回,われわれは経鼻内視鏡を用いて内視鏡を反転した状態でPEGを施行する方法(以下,反転法)を考案し,有用性を検討した.【対象・方法】経鼻内視鏡を挿入後,反転した状態でPEGを施行した群(以下,反転群)10例と従来の見下ろした状態でPEGを施行した群(以下,見下ろし群)10例に無作為に振り分け,視野,操作性,合併症,胃瘻造設時間,咽頭反射回数を比較検討した.【結果】反転法では胃体部の前後壁が同一視野となり,安全にPEGを施行したのに対し,見下ろし法では胃体部の後壁の視野が不良であり,後壁の粘膜損傷による軽度の出血を2例で認めた.【結論】反転法によるPEGは前後壁が同一視野で得られることで,手術操作が安全となり,有用な方法である.
注目の画像
手技の解説
  • 中路 聡, 平田 信人
    2009 年 51 巻 11 号 p. 2926-2935
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/10/19
    ジャーナル フリー
    従来,Roux-en-Y法再建症例をはじめとした胃切後症例における内視鏡検査・治療は困難とされ,限られた施設でしか施行されておらず,大部分は術者の技量と熱意により支えられていた.しかし,2001年のダブルバルーン内視鏡の開発によりそれまで困難とされていた十二指腸乳頭到達が比較的容易なものとなった.その結果,胃切後症例におけるERCPは様々な施設で行われるようになりその手技における工夫も多数報告されるようになった.胃切後症例に対するERCP・ESTの手技の実際について述べた.
資料
  • 岡部 義信, 鶴田 修, 加治 亮平, 石田 祐介, 菅 偉哉, 安元 真希子, 光山 慶一, 豊永 純, 佐田 通夫
    2009 年 51 巻 11 号 p. 2936-2944
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/10/19
    ジャーナル フリー
    胆管内あるいは膵嚢胞内へのチューブステントの迷入は比較的稀な合併症である.しかし,放置すれば2次性合併症(感染,膿瘍,穿孔など)を来たす可能性があるため,ステントの回収及び再ステンティングが必要となる.ステントの回収方法には,外科的あるいは経皮的方法があるが,内視鏡的にアプローチする方法が最も低侵襲である.しかし,内視鏡的ステント回収専用デバイスが少ないため,既存のデバイスを駆使し様々なアイデアやテクニックを用いているのが現状である.本稿では,胆管内あるいは膵嚢胞内へ迷入したチューブステントの内視鏡的回収方法について,われわれの経験した症例や既報告を中心に解説する.
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