日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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51 巻, 6 号
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総説
  • 岡崎 和一, 内田 一茂, 小藪 雅紀, 楠田 武生, 高岡 亮
    2009 年 51 巻 6 号 p. 1403-1415
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル オープンアクセス
    自己免疫性膵炎とは,高γグロブリン血症,高IgG血症,高IgG4血症や自己抗体の存在,ステロイド治療が有効など,自己免疫機序の関与を示唆する所見を伴う特徴を有するため,その発症に自己免疫機序の関与が疑われる膵炎である.高齢男性に多く,病理組織学的に,著明なリンパ球・形質細胞浸潤,IgG4陽性形質細胞の浸潤,花冠状線維化(storiform fibrosis),閉塞性静脈炎を特徴とするlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)を呈するものに相当する.わが国では,びまん性膵腫大や膵管狭細像を示す症例が中心であるため,膵臓の1/3以上の領域にわたるのが典型的とされるが,限局性病変や腫瘤形成型もある.臨床的特徴として,上腹部不快感,胆管狭窄による閉塞性黄疸,糖尿病を認めることが多い.長期予後は不明であるが,膵石合併の報告がある.本症には膵以外の臓器病変(硬化性胆管炎,硬化性唾液腺炎,後腹膜線維症,腹腔・肺門リンパ腺腫大,慢性甲状腺炎,間質性腎炎など)を合併することがあり,全身的疾患である可能性も指摘されている.これらの所見にもとづいて,診断,病態生理,治療についてのべた.
症例
経験
新しい手技・処置具・機器
手技の解説
  • 佐仲 雅樹, 安食 元, 江川 直人, 門馬 久美子
    2009 年 51 巻 6 号 p. 1462-1472
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では主として内視鏡初級者を対象に,以下の点を強調しながら,上部消化管出血に対する内視鏡止血の基本的手技を解説する.
    1)循環動態の評価と安定化が最優先される.初期輸液によって迅速に循環動態を安定させることが救命率向上につながる.循環動態が不安定な例では内視鏡は禁忌である.
    2)緊急であるからこそ,通常の検査以上に丁寧にスコープを操作する.嘔吐反射を誘発しないように過度な送気を慎む.
    3)適切な視野を確保することが内視鏡止血を成功させる鍵である.
    4)内視鏡止血が困難と判断したら,時期を逸することなくinterventional radiology(IVR)や緊急手術を選択する.
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