日本消化器内視鏡学会雑誌
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51 巻, 7 号
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総説
  • 八隅 秀二郎, 多田 真輔, 千葉 勉
    2009 年 51 巻 7 号 p. 1531-1541
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/26
    ジャーナル オープンアクセス
    肝臓移植は肝不全患者もしくは肝臓癌患者にとって究極の福音となる治療法である.しかしながら,レシピエントだけでなくドナーでも,少なくない患者が術後胆道合併症に悩まされている.特に生体肝移植後の胆道合併症(18-47%)は脳死肝移植(10-15%)より頻度が高い.また,生体肝移植ドナーの5.3-7.5% に胆道合併症が発生している.
    胆管空腸吻合による胆道再建術後に対して小腸内視鏡下のバルーン拡張術が可能となっており,移植後胆道合併症の治療には胆道再建法とは関係なく,内視鏡治療が第一選択とする考え方が定着し始めている.しかしながら,生体肝移植後胆道疾患には通常では経験する事の無い病態が多数生じる.本稿では,消化器内視鏡医が知っておかなければならない肝移植時の解剖学的特徴,胆道合併症とその危険因子,治療法,そしてドナーの胆道合併症について解説した.
症例
経験
新しい手技・処置具・機器
手技の解説
  • 中島 滋美, 高橋 恵子, 佐藤 仁, 山本 和雄, 井上 徹也, 奥村 嘉章, 吉田 章子, 林 裕司, 馬野 真次, 福田 方子, 藤山 ...
    2009 年 51 巻 7 号 p. 1588-1595
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/26
    ジャーナル オープンアクセス
    Updated Sydney System(USS)の組織採取の仕方から結果の解釈まで,内視鏡医の立場で手技を解説した.内視鏡医は保険適用を守りながら必要に応じてUSS用の定点生検を追加し,背景胃粘膜のヘリコバクター・ピロリ感染診断と慢性胃炎の評価をする必要がある.生検部位は本来5箇所であるが,日本の諸事情を考慮し,体部と前庭部大彎から最低1個ずつ,さらに必要に応じ胃角または体下部小彎からの組織を追加するとよい.生検組織採取の際には胃粘膜深層まで組織が採取されるように心がけるべきであるが,出血などのリスクも考慮して鉗子を選択し,USSのための組織採取のメリットとデメリットをよく知った上で生検を行うべきである.内視鏡医はUSS診断を依頼する時に,その旨を病理検査技師に伝え,適切な標本を作製してもらう.また,正確な病理診断を下せるように,内視鏡医は生検採取部位を病理医に伝える必要がある.
資料
  • 藤田 直孝, 菅原 俊樹, 野田 裕, 小林 剛, 伊藤 啓, 尾花 貴志, 洞口 淳, 高沢 磨
    2009 年 51 巻 7 号 p. 1596-1602
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/26
    ジャーナル オープンアクセス
    [背景]胆管ドレナージの新しい選択肢である超音波内視鏡ガイド下胆管ドレナージ術(ESBD)では,内視鏡のチャンネル径の問題から留置可能なステントの径には制約があり,ステント閉塞のリスクを減らすために,より太径のステントに交換する必要がある.しかし,ステント抜去後の瘻孔に直接ガイドワイヤー(GW)を挿入することは,瘻孔の破損,ステント再留置不能,胆汁漏出を続発する危険がある.
    [方法]ESBD後のステント交換に際し,ステントに対して挿管し,これを通じてGWを胆管に送り込み,スネアループにGWを通しスネアを誘導,スネアでステントを把持しGWを残したまま抜去するsnare-over-the-wire(SOW)法を試みた.4例で本法を施行し,SOW法の有用性を評価した.
    [結果]全例でSOW法に成功した.留置されたGWに被せて新しいステントを留置することにも全例で成功した.偶発症はみられなかった.
    [結論]SOW法はESBD後のステント交換において,GW逸脱,ステント再留置不能に陥るリスクを回避するために有用な方法である.
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