[背景]胆管ドレナージの新しい選択肢である超音波内視鏡ガイド下胆管ドレナージ術(ESBD)では,内視鏡のチャンネル径の問題から留置可能なステントの径には制約があり,ステント閉塞のリスクを減らすために,より太径のステントに交換する必要がある.しかし,ステント抜去後の瘻孔に直接ガイドワイヤー(GW)を挿入することは,瘻孔の破損,ステント再留置不能,胆汁漏出を続発する危険がある.
[方法]ESBD後のステント交換に際し,ステントに対して挿管し,これを通じてGWを胆管に送り込み,スネアループにGWを通しスネアを誘導,スネアでステントを把持しGWを残したまま抜去するsnare-over-the-wire(SOW)法を試みた.4例で本法を施行し,SOW法の有用性を評価した.
[結果]全例でSOW法に成功した.留置されたGWに被せて新しいステントを留置することにも全例で成功した.偶発症はみられなかった.
[結論]SOW法はESBD後のステント交換において,GW逸脱,ステント再留置不能に陥るリスクを回避するために有用な方法である.
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