陳旧性腸結核を母地として発癌したと考えられる1症例を経験した.症例は62歳,男性.便潜血陽性による大腸内視鏡検査で,上行結腸近位側の瘢痕粘膜に約3cm大の平坦型腫瘍を認め,内視鏡的摘除を行った.病理所見は,一部に癌を認め,異型の弱い部位にもp53が過剰発現していたため,cancer in high grade dysplasiaと診断された.本例では,潰瘍性大腸炎と同様の炎症性発癌が考えられた.
【目的・方法】女性が女性医師による大腸内視鏡検査を望んでいるかどうかを検討するために,当院において大腸内視鏡検査を受けた女性被験者110名に対して検査前・後にアンケート調査を行った.【結果】検査前アンケートでは,女性の内視鏡医希望56%(61名),男性の内視鏡医希望5%(6名),どちらでもよい39%(43名)と女性医師を希望する女性被験者が半数以上を占めた.内視鏡検査を被験者の希望に沿って行い,検査後アンケート調査では,女性医希望67%(74名),男性医希望5%(6名),どちらでもよい27%(30名)と女性医の希望者が増加していた.検査前アンケートでは,50歳未満の若年者(72% vs 45%),大腸内視鏡検査の未経験者で(70% vs 43%)有意に女性医師を希望する割合が高く,就業女性や無症状の女性も,女性医師を希望する傾向が強かった.【結論】女性の大腸内視鏡被験者には女性内視鏡医による検査を希望している者が多いと考えられた.