日本消化器内視鏡学会雑誌
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52 巻, 4 号
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総説
  • 梅野 淳嗣, 松本 主之, 中村 昌太郎, 飯田 三雄
    2010 年 52 巻 4 号 p. 1233-1242
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    Collagenous colitisの診断と治療について概説した.本症は慢性の水様性下痢と大腸粘膜直下の膠原線維帯の肥厚を特徴とし,中年以降の女性に好発する.原因として遺伝的要因,薬剤(プロトンポンプ阻害薬,非ステロイド性消炎鎮痛薬,アスピリン,チクロピジンなど),自己免疫疾患,腸管感染症,一酸化窒素などが示唆されている.本症の内視鏡所見は,正常あるいは毛細血管の増生などの非特異的所見にとどまることが多いが,mucosal tearsと呼ばれる幅の狭い縦走潰瘍がみられることもある.本症の診断基準は臨床症状および病理組織学的所見よりなり,薬剤が関与する場合にはその薬剤の中止のみで改善することもある.治療薬として,アミノサリチル酸製剤,ステロイド,免疫抑制剤などの有効性が報告されている.
原著
  • 上原 正義, 多田 修治, 江口 洋之, 塩屋 公孝, 上川 健太郎, 吉田 健一, 工藤 康一, 浦田 淳資, 今村 治男, 藤本 貴久
    2010 年 52 巻 4 号 p. 1243-1249
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    【目的】内視鏡的に摘出した上部消化管異物について,自験例をもとに異物の内容と合併症のリスクについて臨床的検討を行った.【方法】当院にて1996年7月から2008年12月にかけて内視鏡的に上部消化管異物を認め,摘出術を行った成人104例を対象にした.年齢,性別,原因,既往歴,種類,停留部位,摘出法,症状,合併症について臨床的検討を行った.【結果】上部消化管異物は,鋭的異物が多く,PTP30例,義歯24例,骨22例などであった.停留部位は,食道が59例(57%)を占めた.合併症は7例認め,すべて鋭的異物であった.誤飲時期が明らかであった75例では,合併症は24時間未満が67例中4例(6%)に対し,24時間を超えた症例では8例中3例(38%)であった.【結論】上部消化管異物はPTP,義歯,骨などが多く,24時間以上経過した患者は合併症に注意が必要である.
症例
経験
注目の画像
手技の解説
  • 布袋屋 修, 矢作 直久
    2010 年 52 巻 4 号 p. 1292-1300
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    ESDのコツは出血対策につきる.それは剥離層に存在する血管を事前に認識し,pre-coagulationし,出血させずに剥離することである.個々の病変や患者に応じた適切な治療ストラテジーと周術期管理によって出血のリスクを最大限に減らすことが,安全で確実なESDを実現する上で重要である.フレックスナイフ・デュアルナイフのような先端系ナイフの場合,血管を直接視認しながら処置が可能であり,太い血管をpre-coagulationすることにより,出血させずにESDを行うことが可能となる.
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