日本消化器内視鏡学会雑誌
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52 巻, 6 号
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総説
  • 神澤 輝実, 宅間 健介, 糸井 隆夫
    2010 年 52 巻 6 号 p. 1511-1521
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    膵・胆管合流異常(合流異常)は,解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常である.長い共通管を介して膵液の胆道内逆流が起こり,高率に胆道癌を引き起こすので,合流異常と診断されれば,予防的外科手術が行われる.合流異常の診断は画像または解剖学的検索によってなされる.ERCPでは膵管と胆管の合流部に乳頭部括約筋作用が及ばないか異常な形で膵管と胆管が合流する場合,合流異常と診断される.合流異常の膵胆管像には,長い共通管の拡張,共通管からの分枝膵管様のductの派生,副膵管の発達,膵管癒合不全の合併,種々の胆道系の拡張などの特徴がある.EUSやIDUSでは,十二指腸筋層の上流の膵内に存在する膵胆管の合流部の描出により合流異常と診断し,また合併する胆道癌の診断も可能である.ERCPで合流異常と診断されない例でも,合流異常と類似の病態を示す例(膵胆管高位合流)があり,胆嚢癌との関係で今後検討を要する.
原著
  • 吉田 直久, 柳澤 昭夫, 酒井 恭子, 角田 圭雄, 金政 和之, 森本 泰隆, 井上 健, 若林 直樹, 八木 信明, 内藤 裕二, 吉 ...
    2010 年 52 巻 6 号 p. 1522-1527
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    【目的】内視鏡的に摘除された大腸SM癌はsm浸潤距離を測定しその測定値が1,000μm以上の場合リンパ節郭清を伴う外科的腸切除が必要とされている.本研究の目的は,sm浸潤距離測定がすべてのSM癌に必要かを明らかにすることである.【対象・方法】対象は大腸SM癌158病変である.sm浸潤距離測定は粘膜筋板の状態により明瞭(n=22),想定可能(n=25),想定不能(n=111)群に分類し行い,各群のsm浸潤距離を測定した.【成績】平均sm浸潤距離は明瞭群512μm(80-1,250μm),想定可能群1,504μm(500-3,710μm),想定不能群4,468μm(1,000-11,000μm)であった.【結論】粘膜筋板想定不能病変は全例sm浸潤距離1,000μm以上であり,追加外科的腸切除の適応となりその測定は不要と考えられた.
症例
新しい手技・処置具・機器
手技の解説
  • 菅野 良秀, 平澤 大, 藤田 直孝
    2010 年 52 巻 6 号 p. 1572-1579
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    腸閉塞に対するイレウスチューブ挿入は一般的に行われている治療法であるが,しばしば手技的難度が高く,患者の苦痛が大きい.近年極細径内視鏡の治療への応用が進み,イレウスチューブ挿入にも臨床応用されている.経鼻内視鏡下に留置したガイドワイヤーを用いてイレウスチューブを挿入する手法は,手技時間,透視時間,患者苦痛度を有意に低減することが明らかになっている.成功率も従来法より優れているという報告が多く,安全性も高い.経鼻内視鏡補助下イレウスチューブ挿入は,積極的に臨床に取り入れられるべき手法であると考えられる.
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