日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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52 巻, 9 号
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総説
  • 小田島 慎也, 藤城 光弘, 小池 和彦
    2010 年52 巻9 号 p. 2665-2677
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/03/03
    ジャーナル フリー
    これまでに数々の内視鏡機器が開発され,消化管内視鏡診断学に寄与してきたが,丹羽,田尻により分類された内視鏡観察法のひとつである画像強調イメージングは近年特に注目を集めている技術である.画像強調イメージングは主にデジタル法,光デジタル法,色素法に分類されるが,そのなかで特に注目を集めているのは,光デジタル法に分類されるNBIと,デジタル法にあたるFICE,i-scanである.これらは,微小血管や微細粘膜構造の強調し,消化管腫瘍に対する診断能の向上を目的としているが,さまざまな内視鏡診断に対する有用性が報告されており,今後の展開が期待される.
原著
  • 阪口 正博, 高尾 美幸, 橋本 貴史, 飴本 完二, 李 喬遠, 島田 守, 権 五規, 西原 政好, 山本 紀彦, 細田 洋平, 白浜 ...
    2010 年52 巻9 号 p. 2678-2686
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/03/03
    ジャーナル フリー
    1999年から2008年の10年間に上部消化管内視鏡検査を施行された27,982例中,消化管出血例573例,出血性胃十二指腸潰瘍性病変384例,出血性胃潰瘍256例を対象に,その年次的推移を臨床的に検討するとともに,内視鏡止血術の有用性と限界について検討した.最近の2年間の出血性胃十二指腸潰瘍性病変の32.8% がNSAIDs,抗血栓剤服用例であり,抗血栓療法の普及により,一時減少していた出血性胃十二指腸潰瘍は増加していた.潰瘍の形態にも変化がみられ,胃角部潰瘍が減少し胃体部潰瘍・びらんが増加していた.出血性胃十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血率は,出血の程度や併存疾患が重症になるほど低下したが,全体的には96.6% と高率であった.抗血栓療法が施行されている症例は高齢者や重篤な併存疾患を有する症例が多く,留意する必要はあるが,症例に応じた治療を選択することで良好な成績が得られると考えられた.
症例
新しい手技・処置具・機器
手技の解説
  • 矢野 智則, 山本 博徳
    2010 年52 巻9 号 p. 2730-2737
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/03/03
    ジャーナル フリー
    バルーン内視鏡を用いることで深部小腸の出血性疾患を内視鏡的に診断・治療することが可能になった.バルーン内視鏡は深部小腸でも良好な操作性を保つことができ,鉗子口も有していることから,電気焼灼法,止血クリップ,局注法,ポリペクトミー・EMRなど,胃や大腸で用いられている方法を深部小腸でも用いることが可能である.小腸出血の原因となる病変として,血管性病変,潰瘍性病変,腫瘍性病変,静脈瘤,憩室などがあり,病変種類に応じた治療方法を選択する必要がある.
  • 藤森 俊二, 高橋 陽子, 瀬尾 継彦, 坂本 長逸
    2010 年52 巻9 号 p. 2738-2744
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/03/03
    ジャーナル フリー
    カプセル内視鏡は,レコーダーを装着後に独立したカプセル型の撮影機を嚥下する内視鏡検査であり,通常の内視鏡検査とは全く異なる注意点がある.滞留・誤嚥に加えて,カプセルが外部からコントロールできないため撮影が不十分となる場合のあることを,検査前に患者に伝えておく必要がある.前処置やカプセル内視鏡の脱着法などにコンセンサスの得られた方法はなく,さまざまな試みがなされている段階である.近年のカプセル内視鏡内蔵電池の長時間化により,全小腸観察の成功率が非常に高まる可能性がある.
資料
  • 窪田 賢輔, 加藤 真吾, 秋山 智之, 藤田 浩司, 米田 正人, 高橋 宏和, 稲森 正彦, 阿部 泰伸, 桐越 博之, 小林 規俊, ...
    2010 年52 巻9 号 p. 2745-2754
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/03/03
    ジャーナル フリー
    【目的】自己免疫性膵炎(AIP)のearly-stageのEUS所見を検討した.【方法】ERCPおよびEUSを施行されたAIP19例を対象とした.AIPのearly-stageにおいて特徴的と思われる所見(hyperechoic foci,hyperechoic strand,lobularity,hyperechoic duct margin,reduced echogenicity)の有無を検討した.慢性膵炎におけるCambridge分類に従い,自験例をearly-stage(Cambridge grade 1-2)とadvanced-stage(grade 3-5)に分類した.さらにそれぞれの病理組織学的検討も行った.【結果】early-stage 9例,advanced-stage 10例であった.early-stageのうち5例は自然寛解を示した.early-stage群/advanced-stage群におけるEUS所見は各々hyperechoic foci,100%(9/9) vs. 100%(10/10),hyperechoic strand,66.7%(6/9) vs. 70%(7/10),lobularity,77.8%(7/9) vs. 20%(2/10),hyperechoic duct margin,88.9%(8/9) vs. 30%(3/10),reduced echogenicity88.9%(8/9) vs. 90%(9/10).lobularityとhyperechoic duct marginがearly-stageで有意に描出率が高かった(p<0.05).病理ではearly-stageでは膵腺房の小葉構造が保たれていたが,advanced-stageでは膵腺房の小葉構造が脱落し,線維化に置き換わっていた.【結論】lobularityとhyperechoic duct marginはearly-stage AIPに特徴的であり,自然軽快が期待できる.またそれらでは病理組織所見でも膵腺房の小葉構造が保たれていた.
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