日本消化器内視鏡学会雑誌
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53 巻, 6 号
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総説
  • 太田 正之, 平下 禎二郎, 北野 正剛
    2011 年53 巻6 号 p. 1591-1599
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/02
    ジャーナル フリー
    現在,腹腔鏡下肥満外科手術を含めた内視鏡的肥満治療が広く行われている.その適応はBMI≧40kg/m2やBMI≧35kg/m2で重症の肥満関連健康障害を持つ症例であるが,最近,特にアジアにおいて適応拡大の動きがある.現在の肥満症に対する内視鏡的治療の中心は内視鏡的胃内バルーン留置術であるが,最近,内視鏡的十二指腸空腸バイパススリーブや胃形成術のような新しい方法が開発されている.わが国においても腹腔鏡下肥満外科手術を含め,内視鏡的肥満治療は年間100例程度行われている.現時点では,内視鏡的治療はその継続性と有効性で,腹腔鏡下肥満外科手術に優るものではないが,今後さらなる器具の開発により,発展していくことが期待される.
原著
  • 水野 秀城, 加賀谷 尚史, 大石 尚毅, 鷹取 元, 山下 竜也, 水腰 英四郎, 酒井 明人, 中本 安成, 本多 政夫, 金子 周一
    2011 年53 巻6 号 p. 1600-1608
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/02
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤を合併する肝硬変症例の小腸病変について,カプセル内視鏡を用いて評価し,静脈瘤や肝予備能などの背景因子との関連について検討した.肝細胞癌の治療や静脈瘤の治療を目的に入院中の15例(平均年齢66.6歳,男/女;8例/7例,Child-PughA/B/C;8例/6例/1例,肝細胞癌合併8例)をLC群,同時期に検査した基礎疾患に肝硬変・門脈圧亢進症を有しない15例をcontrol群として比較検討した.全例でカプセルの滞留はなかった.LC群において,edema,erythema,telangiectasias,angioectasia like lesionsを有意に多く認めた.血管性病変をLC群の13例に認めたが(86.7%),小腸全域に多発していた症例は6例であった(40.0%).それらは食道胃静脈瘤や肝予備能との相関を認めず,食道胃静脈瘤出血の既往にのみ有意差を認めた.
症例
  • 中西 宏佳, 金子 佳史, 山田 真也, 片柳 和義, 車谷 宏, 土山 寿志
    2011 年53 巻6 号 p. 1609-1616
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/02
    ジャーナル フリー
    多発性骨髄腫の髄外臓器浸潤は,剖検例の約70% に認められ,肝臓,脾臓,リンパ節などの細網内皮系組織が好発臓器で,消化管浸潤例は少ないと報告されている.胃病変に対する内視鏡像の詳細な報告は極めて少ない.多発性骨髄腫の胃病変に対して白色光非拡大観察及びnarrow-band imaging併用拡大観察を施行し,その肉眼形態と病理組織像とを対比した.多発する発赤調微小扁平病変において,病理組織上は腫瘍の粘膜上皮下および粘膜上皮への浸潤増殖像が認められ,narrow-band imaging併用拡大観察所見では前者に血管拡張を伴う正常粘膜上皮が,後者に上皮構造の消失が認められた.これらは多発性骨髄腫の胃病変の初期像をとらえている可能性を考えた.
  • 堂原 彰敏, 角田 圭雄, 原 祐, 稲田 裕, 吉田 直久, 酒井 恭子, 金政 和之, 今井 俊介
    2011 年53 巻6 号 p. 1617-1625
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/02
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,男性.黄疸が出現し当院紹介受診.肝胆道系酵素上昇,IgGおよびIgG4の著明な上昇と,各種画像診断にて膵頭部腫瘤,胆管狭窄を認めた.上部消化管内視鏡検査では十二指腸主乳頭の腫大を認め,同部位の生検組織でIgG4陽性形質細胞浸潤を認め,自己免疫性膵炎に合併したIgG4関連硬化性胆管炎と診断した.ステロイド投与により黄疸は改善し,膵頭部腫瘤の縮小,十二指腸主乳頭の腫大および組織所見の改善を確認した.
  • 渡辺 崇夫, 日浅 陽一, 廣岡 昌史, 木阪 吉保, 古川 慎哉, 阿部 雅則, 村上 英広, 池田 宜央, 松浦 文三, 恩地 森一
    2011 年53 巻6 号 p. 1626-1633
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/02
    ジャーナル フリー
    ソラフェニブ投与により消化管出血を発症した2例についてその内視鏡所見を含めて報告する.症例1はソラフェニブ投与開始後,1週間以内に下血が出現.十二指腸下行脚に浮腫状で高度の発赤があり,同部からの出血が疑われた.症例2はソラフェニブ投与1カ月で下血・血便が出現.大腸に血管拡張があり,同部からの出血が疑われた.いずれの症例も出血部位の同定は困難であったが門脈圧亢進症でみられる消化管粘膜病変の所見を呈していた.またソラフェニブ中止のみで出血は速やかに改善した.
経験
注目の画像
新しい手技・処置具・機器
手技の解説
  • 中谷 吉宏, 松本 昌美, 津呂 公規, 森安 博人
    2011 年53 巻6 号 p. 1650-1663
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/02
    ジャーナル フリー
    PEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)は,経腸栄養を支える有用なツールの1つであり,造設手技は比較的簡便,かつ安全であることから近年急速に普及している.しかし,手技に伴うトラブルも少なからず存在し,対象患者は高齢のCompromised hostが多いため,不幸な転帰をたどることもある.トラブルシューティングのため,各施設で手技の工夫や手順の見直しが行われている.一方で,簡便性と安全性の向上のため,新たなデバイスの開発,改良が進み,PEG関連器具は多様化している.そこで,PEG造設医は,合併症,偶発症を熟知したうえで,個々の症例に適切なデバイスを選択し,手技上の工夫を施すことでトラブルを予防することが重要である.万一,トラブルが発生した場合は,迅速に適切な対応が行えるよう,日頃から準備するべきである.本稿では,PEG術中や術後早期の主要なトラブルとその対処法および予防法を具体的に述べる.
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