日本消化器内視鏡学会雑誌
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53 巻, 7 号
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総説
  • 八木 一芳, 水野 研一, 中村 厚夫, 関根 厚雄
    2011 年 53 巻 7 号 p. 1759-1765
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    酢酸を併用した内視鏡観察は(1)酢酸による白色化のため拡大観察にて粘膜構造が立体的に観察され,その形態から診断する酢酸エンハンス拡大内視鏡,(2)癌部と非癌部で酢酸による白色化の消失時間が異なる現象を利用した酢酸ダイナミック・ケミカル法,(3)酢酸と共に,または酢酸撒布の後,インジゴカルミン撒布を追加すると癌部にはインジゴカルミンが付着しないが,非癌部には付着する現象を用いて診断する酢酸・インジゴカルミン・併用法および(4)酢酸撒布下でNBI併用観察すると癌は茶色,非癌は緑に見える現象を用いた酢酸撒布下NBI観察法がある.以上の手技を詳細に解説する.
原著
  • 神田 直樹, 藤本 大策, 山中 雄介, 山崎 秀司, 渡邊 千尋, 玉田 尚
    2011 年 53 巻 7 号 p. 1766-1771
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    背景・目的:早期胃癌の同時・異時多発の頻度は報告により大きな差がある.この原因は同時多発の見逃しと考えられるが,近年,スコープ性能の向上により多発病変の発見率は向上していると予想される.このため,早期胃癌ESD症例をハイビジョンスコープにて1年間経過観察し,同時及び1年以内発見の臨床的同時多発胃癌の頻度を検討した.
    方法:早期胃癌ESD症例に,3,6,12カ月後にハイビジョンスコープによる内視鏡検査を施行し,同時及び1年以内発見の多発癌の頻度を検討した.1年以内の発見例については治療前の画像で認識できるかを検討した.
    結果:40例中2例に同時に,6例に1年以内に異所性早期胃癌が発見された.そして,1年以内発見の6例中3例が初回治療前の画像で確認できた.
    結論:最新のスコープを使用し検査を行えば,同時及び1年以内発見の多発早期胃癌の頻度は20.0% と極めて高率で,1年以内の発見例の半数は術前の見逃しであった.
症例
注目の画像
手技の解説
  • 三好 広尚, 乾 和郎, 芳野 純治
    2011 年 53 巻 7 号 p. 1818-1827
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    PTCSによる結石治療のコツについて解説した.PTCSは総胆管結石および肝内結石に有用な治療法である.PTCSはERCP関連手技による治療が困難な場合に適応となる非手術的な治療法である.PTCSによる結石治療のポイントとしては(1)PTCSによる結石治療の適応,(2)PTBDの挿入と拡張,(3)PTCSによる結石除去,(4)結石除去後のPTCSによる観察,(5)偶発症の予防と対策について理解しておく必要がある.また,PTCSを行うために最も重要な手技はPTBDであり,安全に行えるように習熟しておかなければならない.ERCP関連手技に加えてPTBD,PTCSの手技を身につけることで,胆道結石を含めた胆道疾患において,幅広い対応が可能となる.
内視鏡室の紹介
最新文献紹介
  • 竹下 公矢
    2011 年 53 巻 7 号 p. 1831
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    アスピリンを含めたNSAIDs投与が,大腸憩室炎や憩室出血の病因としてその頻度を増加させるか否かについて,大規模なコホート研究を行った.方法は,47,210人の40-75歳の米国男性を調査したところ,最近の22年間に,939人の憩室炎と256人の憩室出血を認めた.これらの症例で,週2回以上アスピリンを服用していれば,服用していない場合と比較して,憩室炎では1.25のハザードレイショ(以下HRの値),出血には1.70の結果を得た.アスピリンを中等量服用(325mg/週),あるいは頻回服用(4-6日/週)すれば,極めて高い出血率を認めた.一方,NSAIDsの常用者は,非服用者と比べて憩室炎は1.72,出血においては1.74の発症率を認めた.結論として,アスピリンないしはNSAIDsは,憩室のこれら合併症の更なる発症の危険性を高めるので,十分な注意が必要である.
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