【背景・目的】二酸化炭素(CO
2)送気を用いた全大腸内視鏡検査の安全性と有用性を空気送気と比較し検討した.【方法】無作為に二酸化炭素送気(CO
2群)77例と空気送気(Air群)77例に振り分け,患者背景,バイタルサイン,腹囲,自覚症状,コストについて検討した.自覚症状はアンケート形式にて評価した.【結果】患者背景やバイタルサインに両群間で差を認めなかった.腹囲は検査前-直後では両群間で差を認めなかったが,直後-15分後ではCO
2群1.3±2.2cm減,Air群0.4±2.0cm増とCO
2群で有意に減少した(p=0.006).検査直後の腹満感はCO
2群で少なく(p=0.008),15分後にはさらに顕著となった(p<0.001).CO
2のコストは30.4±14.6円/回であった.【結論】CO
2送気による全大腸内視鏡検査は,バイタルサインに大きな変動をきたさずに腹満感を軽減させ,有用と考えられた.
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