【目的】大腸病変に対してnarrow band imaging(NBI)拡大内視鏡によるvascular pattern診断と色素拡大内視鏡によるpit pattern診断の有用性を検討した.
【方法】2006年1月より2008年2月にNBI・色素拡大観察した後に切除された1,185症例1,473病変に対してvascular/pit patternの質的・深達度診断の精度を比較した.
【結果】Vascular patternに関して,faintを過形成性ポリープの指標とすれば,感度/特異度は88.9%/98.5%であった.また,irregular/sparseをSM深部浸潤癌(SMm)の指標とした場合,感度/特異度は94.9%/76.0%であった.一方でII型pit patternを過形成性ポリープの指標とすれば,感度/特異度は86.8%/99.2%であった.V
I高度不整/V
N型pit patternをSMmの指標とした場合,感度/特異度は89.7%/88.0%であった.
【結論】NBI・色素拡大観察は両者とも腫瘍・非腫瘍の鑑別に有用であった.SMmの診断に関してはpit pattern診断の方が特異度が高いため,治療方針の決定にはvascular pattern診断に加えてpit pattern診断をすることが有用であると考えられた.
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