症例は心窩部焼灼感を主訴とする38歳のペルー人女性.上部消化管内視鏡で胃から十二指腸下行部にかけて顆粒状隆起を認めた.隆起からの生検でリンパ濾胞を認めたが,HE染色で反応性か腫瘍性かの鑑別が困難であった.免疫組織学的検査にて胃病変は
Helicobacter pylori関連鳥肌胃炎,十二指腸球部・下行部病変は濾胞性リンパ腫と診断した.下部消化管内視鏡およびカプセル内視鏡で空回腸に多発性結節状隆起を認め,鳥肌胃炎と小腸濾胞性リンパ腫の合併と診断した.両疾患の合併例の報告はなく,内視鏡像からの鑑別は困難であるため,積極的に生検・免疫組織学的検査を行うことが確定診断には重要である.
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