術後再建腸管症例,特にRoux-en-Y法に対するERCPは癒着,Y脚の角度,吻合部からの距離などの問題から難易度が高いとされてきた.
近年,ダブルバルーン内視鏡(DBE)を用いたERCPの検討およびその関連手技の有用性が報告されている.DBEは鉗子起上装置を持たないため,胆管への深部挿管および内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)などの乳頭処置は難易度が高い.また鉗子口が2.8mmであり,処置具の径に制限があること,処置具のデリバリーシステムの長さがDBEに適合しない場合があるなど,解決すべき問題点も多い.現在の手技は標準化されているとはいえず,今後さらなる症例の蓄積,治療効果や安全性の検証,スコープや処置具の改良が求められる.
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