症例は69歳の女性.膵頭部癌に対して緩和治療中,下部悪性胆道狭窄を発症した.ヨード造影剤によるアナフィラキシーショックの既往があることから,術前のMRCPで胆管分岐を把握したのちにヨード造影剤の代替としてCO
2を使用してERCPを施行した.造影カニューラより胆管内に直接CO
2を30ml注入することで胆道造影並びに金属ステント留置を行うことが可能であった.術後は速やかに肝機能は改善し合併症も認められなかった.CO
2はヨードアレルギーを有する患者において代替として有用であると考えられた.
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