症例は67歳,女性.鮮血便にて当科受診した.大腸内視鏡検査にて,横行結腸に隆起を伴うびらんを認め,組織学的検討からMALTリンパ腫と診断した.まず,
Helicobacter pylori (
H. pylori)の除菌療法を行ったが効果が得られなかったため,大腸切除術を行った.切除標本では,所属リンパ節への浸潤があり,その後,胃にもMALTリンパ腫が認められたため,化学療法を行い寛解が得られた.大腸MALTリンパ腫に関する治療法に関しては,症例も少なく一定の見解が得られていないが,今後,症例を重ね検討を加えることが必要と考えられた.
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