現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
12 巻
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 中島 英喜
    2002 年 12 巻 p. 3-30
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    先進17カ国の株式,債券,通貨市場(計42市場)の月次リターンは,自己相関,不均一分散,歪み,尖りといった非定常性もしくは非正規性を持つ.直交3囚子モデルは,これらの非定常性や非正規性をうまく分類できる.AR(1)=GARCH(1, 1)モデルは各因子の非定常性をほぼ説明できるが,通貨独自囚子の非止規性と共辿囚子に集約された株式市場の非正規性は説明しきれない.これらの非正規性を表現するには,よリ一般的な動学モデルが必要である.さらに,こうした「因子構造に適当な動学構造を組み合わせたモデル」を外挿テストすると,定常正規分布モデルに対して安定的かつ大幅なリターン予測(同時分布の事前推定)能力の改善か認められる.ただし,この改善は,独自囚子の非定常性を考慮する部分が大きい.また,因+構造を仮定することで2段階推定の効率性低下を抑制できる点もこのモデルの長所といえる.なお,ARMAやGARCHのようなパラメトリゼーションにおいては,パラメータの有意性やモデルの効率性に過大評価の可能性が生じるため注意が必要である.

  • 平元 逹也
    2002 年 12 巻 p. 31-55
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,日本企業を対象に,比較可能な専業企業のポートフォリオから求めた多角化企業の理論上の企業価値と実際の価値との比較によって,多角化による企業価値への影響を検証した.分析結果から,多角化による企業価値の破壊が確認された.多角化の辿展により価値破壊は増大し,関連事業への多角化も非関辿事業への多角化と同様に企業価値の破壊をもたらすことが確認された.企業の多角化は経営者の専門性の低下,経常資源の分散などによるマイナスの影響を引き起こし,多角化の進展はその影響を強めると考えられる.関連事業への多角化は,事業間のシナジー効果が期待できるが,関連事業であるがゆえの事業間のコンフリクト,重複投資による非効率性などにより企業価値にはマイナスの影響を与えると考えられる.また,ガバナンス構造との分析では,メインバンクは債権者の立場から,多角化に対してもモニタリング機能を果たしているという示唆が得られた.

  • 倉澤 資成
    2002 年 12 巻 p. 57-69
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    ブラック/ショールズのオプション価格にみられる顕著な特徴の一つは,対象査産である株式価格過程のドリフト(株式の期待収益率)が明示的に合まれていないことである.このため,株式の期待収益率の変化はオプション価格に影響を及ぼさない,と考えられてきた.オプション価格は投資家の選好とは独立に決定される,と解釈されることもある.しかし,こうした解釈は,ある一つの力程式を忘れた議論であり,基本的に誤っている.株価過程の期待収益率の変化は,一般にオプション価格に影響するし,投資家の選好と独立に決定されるわけでもない.さらに,リスク・フリー・レートやボラティリティの変化がオプション価格に及ぼす影響を分析した比較静学の結果の一部は特殊な想定のもとでだけ成立する関係であり,一般に成り立つわけではない.

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