現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
2 巻
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
論文
  • Franklin Allen
    1997 年 2 巻 p. 3-22
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    本論文の目的は,日本の金融システムの強みと弱みについて考察を行い,将来のありうべき改革に関して提案を行うことである.近年,日本と米国の金融システムの有効性に関する論調が逆転しているようである.このことは,金融システムを評価するためには長期の視点が必要なことを示唆している.すべての金融システムは,短期的には問題が生じることがあり,短期的な問題を重要視しすぎないことが大切である.第2節では,日本と米国の金融システムの歴史的発展と現在の相違に関して簡単に考察する.第3節では,金融システムの諸機能および日本と米国の金融システムが,これらの機能をどのように果たしているかについて考察する.第4節で日本の金融改革に対する提案を述べる.第5節は結論である.

  • 谷川 寧彦, 西村 佳子
    1997 年 2 巻 p. 23-48
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    日本の転換社債は転換請求期間の終了時(償還時)のはるか以前から転換が始まり,以後断続的に進捗する.こうした転換は,標準的な現代ファイナンス理論の観点からするとパズルである.本稿は,転換行動について本格的な計量分析を行なうとともに,転換主体が誰であるかを識別しようと試みた.具体的には,流動性を提供する証券会社,マーケットインパクトを嫌う大口投資家や証券会社,転換という迂回的方法で投票権を確保したい主体,権利行使による希薄化を嫌う投資家,といった4つのケースを念頭において計量分析を行った.転換量についてのTOBIT分析は,証券会社在庫管理説,マーケットインパクト回避説とほぼ矛盾しない結果となった.またサンプルを分割したLOGIT分析により,売買高が多くCB価格もパリティを上回る転換開始時と,売買高が少なくCB価格がパリティ前後である転換進捗時とでは,上記ケースの蓋然性が異なるという結果を得た.

  • John Blin, Steven Bender, 今井 ゆかり
    1997 年 2 巻 p. 49-70
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    株価の変動は相互に関連している.投資家はみな株価が変動することを予想しているが,それらがどのような関係にあるかまで知っている者はほとんどいない.裁定によって,価格の変動は相互に関連したものになっているし,またリスクも資産間の相互の関連を利用すれば,測定しやすくなる.もし資産のリターンが単純な構造(たとえば「ファクター」と呼ばれる基本的な要因に対するエクスポウジャーの一次結合で表されるような構造)を持っているならば,裁定機会が存在しないという論理を使うと多くのことがわかる.ボラティリティはリターンの共分散行列の中に含まれている一種の構造を利用して表される.ボラティリティを計測するには,この行列の構造に焦点を当てればよい.行列の因子分解は実際の裁定取引の意味を示すことになる.裁定取引と因子分解は,実は,リターンを同じように分解しているのである.この点を示すために,本稿では,まず一般のボラティリティの測定方法(単一変量推定値)を簡単に検討したあと,リターンの共分散行列の因子分解に焦点を当てる.次いで,小積率行列と大積率行列,共分散(および相関)行列,その逆行列,およびこれらの行列のさまざまな分解について数理的に研究し,日本の株式市場を例にとって,その結果を示す.

  • 米澤 康博, 鈴木 輝好
    1997 年 2 巻 p. 71-86
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    今回の分析の目的は国債市場のタームストラクチャーの変動要因が何かを調べることである.主成分分析を用いてタームストラクチャーの変動を「平行移動」,「傾き変化」,「曲率変化」に分解する分析はいくつか紹介されているが,我々もこれらにならい国債市場のタームストラクチャーの変動を三つに分解し,そのうえでこれら三変動とマクロファクターとの関連をVAR(Vector Auto Regression)モデルを用いて調べた.同様にフォワードレートについても変動の分解およびマクロファクターとの関連を調べた.前半ではスポット・イールドカーブ変化およびフォワード・イールドカーブ変化に主成分分析を適用した結果を,後半では前半で得られた主成分およびいろいろなマクロファクターにVARモデルを適用した結果を報告する.

  • 岸本 直樹, 河野 修巳
    1997 年 2 巻 p. 87-104
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    債券,預金,ローン等の価値は,金利の変化によって変動する.したがって,これらの資産のように,価値が金利に直接依存する金利感応的資産,および,そのような資産から成るポートフォリオの管理においては,価値の金利感応度を測定し,それに基づいて金利リスクを管理することが好ましい.事実,ファイナンスの教科書では,金利感応度による金利感応的ポートフォリオのリスク管理を解説するものが多い.そこで,本論文では,金利感応度の尺度として最も広く使われているマーコレイのデュレーションが,どの程度正確に金利感応度を測定できるかという点について,金利感応的な円資産の中でもっとも流動性の高い国債の月次データを使って検証した.その結果,サンプル期間全体については,観察された金利感応度がマコーレイのデュレーションとほぼ一致したが,各月について見ると,数多くの月で両金利感応度の間に著しく大きな乖離が観察された.

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