現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
21 巻
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 海道 宏明
    2007 年 21 巻 p. 3-29
    発行日: 2007/03/31
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿は株式保有者と非保有者の消費行動の差異を明らかにすることで,消費に基づく資産価格モデル(消費CAPM)の日本におけるパフォーマンスを再評価する.資産保有についてのマイクロ・データである日経RADAR(金融行動調査)によれば1985年から2002年にかけて株式を保有している家計は全体の約25%にとどまっていた.本稿は日経RADARを基に家計の非同質性(世帯属性,教育水準,ライフ・ステージ)を制御した擬似的なコーホート・データを構築した.疑似コーホート・データからは,株式保有に対する蓋然性という基準に基づき株式保有者と非保打者を厳しく分類した場合には株式保有者の中年期消費成長率が非保有者に比べ2~5倍強く株式プレミアムと相関していることが明らかとなった.それに対し株式非保有者の消費成長率が一生を通じて株式プレミアムと強く相関しているという傾向は見られない.検証結果からは中年期には,株式保有者が消費CAPMと整合的な資源配分を行っている可能性が示唆される.

  • 内山 朋規, 濱田 将光
    2007 年 21 巻 p. 31-54
    発行日: 2007/03/31
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    個別銘柄データを用いて,わが国の普通社債のクレジットスプレッド変化やリターンのクロスセクションにおける様々な特徴を実証する.結果として,クレジットリスクの低い社債では前月スプレッド変化や国債イールド変化といった割引率が社債スプレッド変化の銘柄間格差に重要な変数である一方,クレジットリスクの高い社債では株価リターンや株価ボラティリティが重要な変数であることを示す.また,クレジットリスクが高い社債ではスプレッド変化にモメンタム効果がある一方,クレジットリスクの低い社債ではスプレッド変化にリバーサル効果があること,さらに,社債リターンには株式市場とは逆のモメンタム効果が観察され,クレジットリスクの高い社債で顕著であることが分かる.また,クレジットリスクの高い社債では,株価が社債スプレッドや社債リターンに先行し,株式市場は社債市場よりも早く情報を価格に反映する傾向があることなども示す.

  • 芹田 敏夫, 花枝 英樹
    2007 年 21 巻 p. 55-79
    発行日: 2007/03/31
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    わが国全上場企業に対して,株価に対する認識及び配当政策・株式分割を中心とした財務行動についてのサーベイ調査を行い,773社の回答を分析した.わが国の多くの企業では,株価の絶対水準が高いことを望ましいという考え方を持っており,このような株価についての認識が株式分割・くくり直し(株式売買単位の変更)に大きな影響を与えていることが明らかになった.株価を望ましい範囲内に収めるために株式分割を行うという動機は弱く,株式分割の主な理由は,小口の個人投資家を引きつけること,流動性を高めることにある.くくり直しの期待される機能は株式分割と類似しているが,株主数を増やす目的が特に強い.配当政策については,配当を安定的に維持する傾向が強く,投資需要との兼ね合いで配当を調整する意識は乏しい.また,自社株買いは,株式持ち合い解消の受け皿や需給の改善のために用いられ,株主への弾力的な利益還元策としての意識は弱い.

  • 赤壁 弘康
    2007 年 21 巻 p. 81-99
    発行日: 2007/03/31
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    本論文は,生産能力に物理的な限界を持ち,生み出される収益にビジネス・リスクを合むような(特定の製品を生産する)生産設備に対するウェイティング・オプション効果を論じたものである.当該生産設備の現在価値を明示的な形で導出することによって,設備の最適稼動期間(したがって,ウェイティング・オプション効果)を明示的に議論した.次に,シミュレーションによって当該設備の収益率を計測し,設備の収益性に及ぼすビジネス・リスクの効果を論じた.

feedback
Top