現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
33 巻
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 中島 龍一, 藤井 眞理子
    2013 年 33 巻 p. 3-22
    発行日: 2013/03/31
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    2007年からの金融危機以降,デリバティブを取引する金融機関でもデフォルトし得ることが認識され,カウンターパーティ・リスクへの関心が高まっている.カウンターパーティ・リスクを管理する手法として,信用評価調整(CVA)と呼ばれるカウンターパーティの信用力の変化によってデリバティブの時価を調整する枠組みが注目されている.本論文では,Brigo/Capponi[2009]によるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の双方向CVAの計算方法を踏まえ,双方向カウンターパーティ・リスクを考慮したCDSプレミアムレートを効率的に数値計算する手法を示す.また,その計算方法を日本の実データに適用し,日本のCDS市場におけるカウンターパーティ・リスクの影響の程度を実証的に明らかにする.

  • 池田 直史
    2013 年 33 巻 p. 23-52
    発行日: 2013/03/31
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    公開後の長期パフォーマンスの悪さは,新規株式公開(IPO)における特徴的事実の一つとして挙げられている.本稿では1997年9月以降のIPO企業を対象にして,日本においても長期アンダーパフォーマンスが観察されるか否かを,既存研究より精級な方法で検証した.その結果,バイ・アンド・ホールド異常収益率を用いた検証では,規模や簿価時価比率の効果をコントロールしても,アンダーパフォーマンスが有意に観察された.しかし,市場別でみると,マザーズやへラクレスと異なり,東証やジャスダックではアンダーパフォーマンスが安定して観察されなかった.この1つ理由として公開時の過大評価の程度が市場間で異なることが考えられる.一方で,カレンダータイム・ポートフォリオ・アプローチによる検証では,有意にオーバーパフォーマンスが観察された.以上のことから,長期アンダーパフォーマンス現象は必ずしも安定的に観察されるものではない.

  • 柳瀬 典由, 後藤 晋吾, 上野 雄史
    2013 年 33 巻 p. 53-77
    発行日: 2013/03/31
    公開日: 2018/12/07
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿の目的は,未認識の退職給付債務(以下,未認識債務)が母体企業の純資産時価に与える影響を明らかにすることである.実証分析の結果,企業特性や業種をコントロールした上で,未認識債務が高い企業ほど将来の業績が悪いことがわかった.その一方で,未認識債務が高い企業ほど,株価が高く,さらに将来の高いリターンを予測することが明らかになった.しかも,この現象は,多額の未認識債務を抱える企業に牽引されていることがわかった.これらの結果は,株式市場においては,未認識債務が母体企業の純資産時価を「毀損」するという通念とは全く逆の評価がなされているというパズルの存在を提起するものである.本稿では,未認識債務が高い企業ほど企業年金の給付減額による債務のエクイティー化を実現する可能性が高く,この「期待」を株式市場が徐々に織り込んでいるという仮説を提示することで,このパズルの解釈に関する予備的考察を加えた.

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