日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
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33 巻 , 3 号
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Editorial
原著
  • 黒澤 聡子, 松島 雅人, 三浦 靖彦, 野村 幸史
    2010 年 33 巻 3 号 p. 238-245
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
    【目的】
    内科外来のうち「初診・予約外外来」を「総合診療外来」へ改称した前後での受診理由の変化を明らかにする.
    【方法】
    対象は, 2006年9月から10月までに内科外来のうち「初診・予約外外来」を初診で受診した患者を内科外来群, 2008年9月から10月までに「総合診療外来」を初診で受診した患者を総合診療群として, 各々の患者における受診理由をプライマリ・ケア国際分類第2版 (ICPC-2) に基づいて分類し, 比較した.
    【結果】
    総数及び性別は, 内科外来群で362名, 男193名, 女169名であり, 総合診療群で376名, 男206名, 女170名であった. 受診者一人あたり内科外来群で1.5±0.8 (mean±SD) 件, 総合診療群で1.7±0.9件の受診理由があり, 総合診療群で統計学的有意に増加していた. しかし, 受診理由全体に対する各系統の割合は改称前後に明らかな有意差は認められなかった.
    【結論】
    内科外来のうち「初診・予約外外来」を「総合診療外来」へ改称した前後では, 受診者一人あたりの受診理由数は若干増加したものの, 受診理由の内容には明らかな変化が認められなかった.
  • 大森 美保, 江守 陽子, 日高 紀久江
    2010 年 33 巻 3 号 p. 246-255
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
    【目的】
    回復期リハビリ病棟において脳血管疾患患者の退院先と日常生活機能評価得点との関係を分析するとともに, 自宅退院を困難にする要因を検討する.
    【方法】
    回復期リハビリ病棟に入院し退院した脳血管疾患患者114名を対象に, 入・退院時の日常生活機能評価得点を分析した.
    【結果】
    入院時日常生活機能評価得点が7点以下は全員が自宅退院となったが, 8点以上では退院時得点が5点以上であり, かつ得点が高いほど自宅外退院となった. 項目別得点は, 退院時に「移乗」, 「他者への意思の伝達」で自宅群と非自宅群での差が大きく, 非自宅群で「移動方法」, 「口腔清潔」に改善がみられなかった.
    【考察】
    入院時得点が8点以上の重症者を退院時に4点以下にすると, 自宅退院率があがると考えられた. 各項目の改善度と退院時得点から, 自宅退院を特に困難にする日常生活機能として「移乗」, 「他者への意思の伝達」, 「移動方法」, 「口腔清潔」が考えられた.
  • 堀田 和司, 奥野 純子, 深作 貴子, 柳 久子
    2010 年 33 巻 3 号 p. 256-265
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
    【目的】
    深刻な問題である老老介護の現状と, 老老介護世帯の主介護者の介護負担感と関連要因を明らかにする.
    【方法】
    茨城県南西部において65歳以上の高齢者のみで世帯形成し, 介護認定を受けた高齢者が同居している93世帯の主介護者を対象として半構造化面接調査を実施. 主介護者の生活状況, 要介護者の状態, 介護負担感を調査し, 介護負担感との関連について分析を行った.
    【結果】
    老老介護を行っている主介護者の8割以上が配偶者であり, 約4割が別居家族からの支援の無い世帯であった. また, 主介護者の介護負担感と睡眠時間や主観的健康感, 1日の介護時間, 別居家族からの支援, 要介護者のADL状況, 認知症の周辺症状に関連が認められた.
    【結論】
    老老介護世帯の主介護者が在宅介護を継続できるよう, 主介護者を対象とした健康促進, 介護時間の軽減や睡眠時間の確保, 要介護者の排泄動作の介助量軽減に繋がる支援の必要性が示唆された.
インタビュー:ジェネラリスト温故知新
臨床医学の現在(プライマリ・ケアレビュー)
  • 本村 和久
    2010 年 33 巻 3 号 p. 307-312
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     患者数4,000万人といわれる高血圧症は, プライマリ・ケア医がもっともよく診療に関わる疾患のひとつである. 高血圧症の治療というと, 薬物療法の選択が大きな医師の関心事になるが, ここでは, 薬物だけでない, 治療全般について, ガイドライン, システマティックレビュー, 一次文献を見ながら議論したい.
  • 椎木 創一
    2010 年 33 巻 3 号 p. 313-316
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     毎年11%の女性が尿路感染症に罹患し, 半分以上の女性は一生に一度以上は尿路感染症を経験するという1) . これだけコモンな疾患である尿路感染症だが, その症状やマネージメントは多岐にわたる難しい疾患でもある. 尿路は前立腺, 精巣上体, 膀胱, 尿管, そして腎臓に至る長い経路を含み, そのどこに感染症が発生しているかによって大きく診療戦略が異なる. また耐性菌の出現が懸念されており, 尿塗抹検査と培養検査を用いた起因菌の同定が必須となりつつある.
ジェネラリストに学ぶ診断推論
  • 福岡 敏雄
    2010 年 33 巻 3 号 p. 317-321
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     確率的な考え方は診断手順として重要な意味を持つ. 確率論の公理はそのまま診断手順のポイントに読み替えることができる. 鑑別診断が一つしか挙げられなければそれが確定診断になる. お互いに併存しないたくさんの鑑別診断を上げられる状況では一つ一つの疾患の確率は低めになる. ある疾患を否定すると, その疾患と併存しない疾患の確率を上げることになる.
    さらに, 条件付確率の考えに基づいた, 感度特異度や尤度比の利用によって, それぞれの確率を定量的に論じ正しい診断に迫ることができる.
    一方で確率論はなじみの少ない考えであり, 特に初心者や救急外来などでの利用についてはより単純で明快な診断手順の枠組みを, つまずきの元となる態度や思考過程と共に提示することが重要になる. このような診断推論の理論的背景を踏まえることで, 診断過程の言語化・共有化, そして振り返りを容易にし, 改善点や学習ポイントが明確になるという意義もある.
省察的実践家入門
  • 横林 賢一
    2010 年 33 巻 3 号 p. 322-325
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     クリニカルジャズはEBMと臨床経験の振り返りを調和させつつディスカッションを進める教育セッション (症例検討会) として知られている. 振り返りを重要な構成要素とするクリニカルジャズは, Reflection in action, Reflection on action, Reflection for actionのすべてに関与しており, 省察的実践家にとって有用なツールとなる. また, 振り返りが含まれることを特徴とするポートフォリオとも親和性が高い. ポートフォリオのアウトカム領域に合致する症例をクリニカルジャズ方式で検討することで, クリニカルジャズはポートフォリオ検討会としての役割も果たす.
ご案内
日本総合診療医学会 国際フォーラム 「あるべき病院総合医像を求めて」記録
シンポジウム 1 認定制度はこう変わる―日本プライマリ・ケア連合学会による専門医, 認定制度について
  • 大滝 純司
    2010 年 33 巻 3 号 p. 268
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
  • 竹村 洋典
    2010 年 33 巻 3 号 p. 269-273
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     日本家庭医療学会は, 当初, 医師の専門医認定の道を選ばず, その研修プログラムの認定を始めた. それは, 若手医師の「どうしたらいい家庭医になれるのか」, 「どのプログラムで研修したらよい家庭医になれるのか」という強い要求によって始まったからであろう. 医師の専門医認定がポリティカルな側面を持っていたこともそれを避けた理由かもしれない. そして, 学会を挙げてのプログラム認定制度の構築が進むにつれて, この認定が単に若手医師のために行っているのではなく, 地域住民にとってよりよい医療を提供するために行われていることが, それを構築する人々に気づかされていった. 毎年年間数回行われたプログラム構築のワークショップでは, 「どうしたらいい家庭医になるか」という視点よりも「どのような医師を育成すると地域住民の健康に貢献できるのか」という視点が何度も自問自答されていた. その痕跡は, 新学会の認定制度にも多く残っていて, 例えば内科研修は, 原則として「臓器別内科でない総合 (一般) 内科, 総合診療科とする」となっているが, これは, 医師が潤沢にいるとはいえない地域の中小病院に若い研修医が行ってくれることを願って盛り込まれてもいる. これに日本プライマリ・ケア学会の専門医認定制度が合体して, 新学会の家庭医療専門医認定制度が完成した. これを基礎に, さらに病院総合医の認定が行われる予定で, 新学会の認定制度の体系が, 地域医療へのさらなる発展に寄与できることを心から期待している.
  • 伊藤 澄信
    2010 年 33 巻 3 号 p. 274-277
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     日本プライマリ・ケア学会の認定制度は経過措置認定医を1993年6月に開始することから始まった. 一定資格を満たし, 事例報告をした会員を認定医として経過措置による認定を行ったが, 2001年からは客観的臨床能力試験 (OSCE) 用いた実技試験による認定医本認定制度に移行した. 現在の専門医にある症例報告による書面審査+筆記試験+実技試験のうちの書面審査+実技審査とほぼ同様の試験内容で実施された. 厚生労働省の専門医の広告解禁処置を受け, 2005年より従来の書類審査+実技試験+筆記試験による本認定医を専門医とし, 新たに研修歴と症例報告書による書類審査並びにMEQ (Modified Essay Question) による筆記試験に合格したものを認定医とする二段階の制度となっている. 試験方式などはすべて日本プライマリ・ケア学会のホームページで公開している.
     専門医・認定医制度を制定した1993年は初期研修の必修化前であり, 当時のスーパーローテート研修方式を骨格とした時代に先駆けた研修要件であった. 現在の初期研修修了者は最低2年間の中規模以上の病院または病院群における幅広い研修は満たされるようになっているが, 地域包括医療を実践している保健・医療・福祉施設群での1年以上の研修を行いトータルで80時間以上の地域包括医療を研修することを求めている. 現在の総合病院で勤務をしながら, 地域包括医療の研修経験に基づき受験資格を得ることができるような柔軟な構造としている. しかしながら, 書類審査では認定医は外来症例ならびに地域活動の詳細症例10例についての報告を求めているのに対し, 専門医は外来症例10例に加えて病棟における10例の詳細症例と全部で50例の症例リストを求め, 研修経験を厳格に評価するようになっている. MEQはCommon disease, 小児, 高齢者, メンタルケア, 在宅, 患者教育・health problem, 緩和ケアの7領域から7題出題 (必須3代, 選択4題) し, うち5題に回答する形式で行ってきた. 実技試験は, 心理社会的問題, 高齢者, 小児, 成人, 外科手技, ACLSなどの8ステーションで実施してきた.
     専門医・認定医の更新については生涯学習・研究・活動の証としての学会参加などで50単位 (本学会参加が10単位など必須30単位) を求め, さらに更新時の6症例の詳細報告を求めている.
  • 山城 清二
    2010 年 33 巻 3 号 p. 278-281
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     「ジェネラリストを目指す医師は, 卒後10年間はすべてが勉強であり, 様々な臨床の場で積極的に研修をするという気概を持つ」
     このフレーズが我々後期研修プログラムWG委員の意識の要となった.
     2006年3月の第14回学術集会 (山口) の際に初めて総合診療の後期研修プログラム作成WGが立ち上がった. 私も班長として, 第1回WG (2006.3.26), 第2回WG (2006.4.15), 第3回WG (2006.5.14) を開催し, プログラムの素案作りに関わった.
     しかし, その後3学会の合併の機運が高まり, それを見据えてWGではプログラムの再検討を行った. 2007年 (6.9, 12.23), 2008年 (5.31, 7.26) および2009年 (2.28, 8.22) ) の計6回の会合を経て, 最終的に “病院総合医” 後期研修プログラムとして運営委員会にて承認された (2009.11.3). さらにその後の検討は連合学会に備えて, 3学会認定制度検討委員会の総合診療医学会委員4名 (大滝, 武田, 石丸, 木村) で行われている. 基本的な方向性として総合診療の後期研修の初めの3年間は家庭医療研修, そして後半の2年間は病院総合医研修ということが挙げられる. 現在, 病院総合医を1年間以上にするかどうか最終的な議論が行われているが, 少なくとも総合診療の後期研修プログラムの全体像は明確になったような感がある.
  • 石丸 裕康
    2010 年 33 巻 3 号 p. 282-285
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     総合診療医学会 (GM学会) では2006年より専門医制度設立に向けWGを設け議論を重ねてきた. 3学会合併決定後は特に病院総合診療医 (病院総合医) に焦点をあてたプログラム作成作業が続けられ, 2008年3月病院総合医後期研修プログラム (第1版) が作成された. この案の骨子は, 後期研修修了後の医師像を示し, 獲得すべき中核的能力 (診療, 教育, マネジメント) とその学習内容案, そして研修に含まれるべき具体的項目をあげたものである.
    その間, 2007年より3学会合同に向けた代表者会議, その下部組織として認定制度検討委員会が設立, 合同学会の専門医制度の議論が続けられてきた. 合併にあたり病院総合医については, まずこれから家庭医療専門医資格を取得する医師を対象としたものを基本型として作成することとなり, その要綱・細則案策定作業を認定委員会GM学会メンバー中心に行った. この案は基本的に前述の病院総合医プログラムを制度として具体化する作業であるが, 家庭医療研修に上乗せする部分の研修に絞った内容とする必要があり, 家庭医療専門医制度と病院総合医プログラムとの整合性をはかりながら作業をすすめ, 2010年1月策定に至った. 制度の概要は, 家庭医療専門医研修修了後, 認定施設で病棟・外来・救急での診療, 病院総合医としてのマネジメントの経験を積んだ上で, 資格試験への合格により資格認定するものである.
     近年, ホスピタリストの役割が注目される中, 本制度はそのキャリアパスを明確に示したプログラムとして画期的であるが, 課題も多い. 今後柔軟に見直し, よりよい制度を目指していくべきものと考える.
  • 2010 年 33 巻 3 号 p. 286-288
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
シンポジウム 2 あるべき病院総合医像を求めて
  • 2010 年 33 巻 3 号 p. 289
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
  • 山城 清二
    2010 年 33 巻 3 号 p. 290-292
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     大学病院は高度先進医療を提供する特定機能病院である. したがって, 専門分化した診療科による診療が中心となるが, 昨今の医療情勢では地域社会から期待されている内容が徐々に変化してきている.
    住民の高齢化や意識の変化等により, 医療に対するニーズは多様化され, 専門診療を期待すると同時に全人的かつ包括的医療をも期待されるようになってきている. 専門性と総合性, この両面からの期待に対して, 大学病院でも応えざるを得ない状況になりつつある. 実際に, 臨床の現場では, 多疾患および多臓器に跨る問題を抱える高齢者の受診が増え, 一診療科では対応が難しくなっている. 特に, 救急の現場ではなかなか担当診療科が決まらないという現象も起こっている. また, 外来診療でも不明熱や原発巣不明の癌患者等の初期対応に苦慮している. 従来の大学病院での専門診療の枠組みのみでは対応しきれない問題が発生してきているのだ.
    そこで, 病院総合医 (ジェネラリスト) の役割に期待が高まっている. 診療面では患者の診断・治療やケア以外にも, チーム医療や医療安全の重要性も認識されてきている. さらに, 教育の面でも大学病院における総合医の役割は大きく, 特に学生に対する臨床教育は今後の地域医療にとって重要なものである. このような総合医の役割を明確に打ち出し, その必要性および重要性を学生や若い研修医に示すことは地域の中核病院や中小病院で活躍する総合医を増やすことにも繋がる.
    今回, 地方大学病院の現状とともに, 大学病院における総合医のあり方について述べたいと思う.
  • 郡 義明
    2010 年 33 巻 3 号 p. 293-295
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     病院で総合診療を行う場合, 院内には外科や小児科, 産婦人科, 整形外科などが併設されていることが殆どであり, その診療内容はほぼ内科に限定される.
    ところで, 病院総合医といっても, 専門内科がないかあるいはあっても臓器別専門診療のみを行うことはなく, 基本的に内科医は内科全般を診ている中小病院の場合と, ほぼ全領域をカバーする臓器別専門内科がある大病院では, その必要とされるニーズは異なっている. 私の場合は後者に属する. 本日はそのような立場から意見を述べたい.
    当院は, 1978 (昭和53) 年以来, 2年間の初期研修修了後, 各専門内科をローテーションしながら3年間研修する内科ローテイト研修を実施してきた. 臓器別専門内科が林立する病院で, 広く内科全般を研修する目的は, generalistである総合内科医の養成とgeneral mindをもった臓器別内科専門医を育てることにある.
    医療崩壊が叫ばれて久しいが, 私はその要因として地域の基幹病院の内科医の量的な不足とともに, 臓器別専門内科医の内科医としての足腰の弱さ (当該専門領域以外の内科疾患が診られない, 診ようとしない) があると考えている.
    地域の内科診療再生は, generalistとgeneral mindをもった臓器専門医の養成が鍵であり, いわば車の両輪であると考えている. その意味でこうした幅広い内科研修が一般化されることを強く望んでいる.
  • 大生 定義
    2010 年 33 巻 3 号 p. 296-298
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     1964年に検討が開始され, 「内科医としての広い知識と錬磨された技能を備えている優れた臨床医を社会におくり, 社会一般の人々がより高い水準の医学の恩恵を受けられるよう社会の福祉に貢献し, 併せて内科学の向上をはかること」を目的とした「内科専門医制度」は, 1973年最初の認定が行われた. 臓器別などの専門医と区別して, 2008年に「総合内科専門医」と名称変更, 各subspecialty必須条件部分でもある認定内科医の上位の認定とされている. 現在約14,000名の資格者がいる. 米国のFACP, 英国のFRCPに対応する. 上述した意味の「内科専門医」から, サブスペシャリティー (臓器) 横断的な機能を果たす専門医としての「総合内科専門医」は, 今日の国民が求める要素である, 【1】患者の身になって対応できる豊かな人間性,【2】患者の問題解決に貢献する能力,【3】世界基準に適う医学知識・技術,【4】独創的な研究能力を備える内科医を目指すべきとされ, 具体的には, 1) 高レベルな横断的能力を有した一般・総合内科の専門医・指導医, 2) 卒前教育, 研修, 生涯教育の担い手としての一般内科の専門医・指導医, 3) 臨床医学の横断的領域として内科学を総合的に捉える研究者など活動の場面に応じての役割変容をすることが重要とされている. もちろん, 病院においては総合的な判断ができるレベルの高いホスピタリストとして, 総合内科専門医も一定の役割を担って行くべきである. 総合診療医学の目指すホスピタリストとも重なる部分も多くあり, 受験資格の認定なども含め, 専門部会は互いに連携・協力していきたいと考えている.
  • 徳田 安春
    2010 年 33 巻 3 号 p. 299-300
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
     医師不足の解消には医師数の増加のみでは解決できません. 守備範囲の広い「イチロー型医師」である病院総合医の養成が必須です. 1発ホームランを狙う選手は, 野球でもスタメンのうち1~2人 (4番と5番打者) で十分です. 効率よく得点を重ねるためには, 「走ってよし, 打ってよし, 守ってよし」の三拍子揃った, フットワークの軽い「イチロー」が必要なのです. 地域医療では, トップバッターとしてのER医の診療のあと, 打順2~3番の病院総合医にまかせ, 必要 (適応) に応じて, 4番打者へ特殊な治療介入を依頼すればよいのです. 学会のならず, 行政やマスメディアも, 地域医療を実践できる病院総合医として活躍している「イチロー型医師」に十分なサポートを与えてくれることを期待します.
    現在, 全国には約27万人もの医師がおります. その1人ひとりが, 僅かでも守備範囲を広げることによっても, 全体として大きな効果を期待することができます. 臓器専門医も, 守備範囲を広げるような生涯学習によって, 基本的な疾患に対する初期対応を行うことを期待します.
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