要 旨緒言 : 病態が安定した患者を周辺医療機関に逆紹介するも, しばしば「医師の望む医療連携」の推進・形成ができない.
目的 : 第一に, 「患者が求める医療連携」を把握することで, 医療連携が推進・形成される材料を得ること, 第二に, 患者背景, 連携先医療機関および総合病院の背景について, 構造方程式モデリングを用いて実証的に検証し, 医療連携が推進される潜在的な因子を特定することを目的とした.
方法 : 471例を対象者とし医療連携に関するアンケート調査を行った.
結果 : 患者が求める連携先医療機関への希望・期待には, 「総合病院との強い連携」および「専門医であること」に関連が認められた. 一方, 外来業務負担の軽減を目的とする「長期処方」は, 医療連携を妨げる強い因子であった.
結論 : 患者, 連携先医療機関および総合病院の3者の強い連携は, 円滑な医療連携が推進される「患者が求める医療連携」の潜在的な因子であることが示唆された.
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