日本プライマリ・ケア連合学会誌
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36 巻 , 3 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
Editorial
原著(研究)
  • 矢野 桂子, 長尾 みづほ, 一見 良司, 庵原 俊昭, 中野 貴司
    2013 年 36 巻 3 号 p. 160-165
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/04
    ジャーナル フリー
    目的 : インフルエンザA (H1N1) pdm09ウイルス感染の臨床像の解明のため, 小児入院症例の臨床経過を解析した.
    方法 : 流行初期約3カ月における入院93症例の臨床経過をpdm09ウイルス以前の流行期の症例と比較するとともに, 本症例の特徴的所見を検討した.
    結果 : 平均年齢7.7歳と例年より年長化し, 入院理由別分類では呼吸器症状群 (39例) が4割と従来 (1割) を上回った. この群には喘息既往者 (21名) を有意に多く認めた. 呼吸困難症状が発熱に先行した症例 (9例) では発熱から入院までが短期間 (1.6日) で, 白血球数上昇 (13644/µl) と入院長期化 (6.0日) を認めた. 初回迅速診断検査陰性群 (29例) では呼吸器症状群 (20例) や肺炎症例 (15例) が多く, 高頻度で酸素投与 (18例) など抗ウイルス薬以外の治療を要し, 入院が長期化 (4.5日) した.
    結論 : 流行発生当初の本ウイルス感染入院例では, 呼吸器症状による入院症例が多く, 喘息既往者も多く含まれた. 呼吸困難先行例や迅速検査偽陰性例では入院期間が遷延した.
  • 木村 琢磨, 今永 光彦, 川井 充
    2013 年 36 巻 3 号 p. 166-174
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/04
    ジャーナル フリー
    目的 : 「コミュニケーションツールの使用が不可能となった神経難病患者との訪問診療中の望ましいコミュニケーション法とは何か」 (以下「コミュニケーション法」と略す) を探索する.
    方法 : 訪問診療を行い, 死亡した神経難病患者の遺族のうち, コミュニケーションツールの使用が不可能であった患者の配偶者を対象に, 「コミュニケーション法」を主題とした面接調査を行った. 音声録音と口述記録により逐語録を作成し, 質的分析を行った.
    結果 : 「コミュニケーション法」として, 「患者が医師に伝えたい内容を診療に同席した家族が“咀嚼”し“察する”」「家族と医師が会話しつつも, 患者不在でないコミュニケーションで患者を安心させ心配させない」「例外的な家族と医師のみのコミュニケーションについてのタイミングを図る」の三つを描出した.
    結論 : 「コミュニケーション法」は, 「家族が同席した患者とのコミュニケーションが基本である」という仮説が生成された.
  • 田所 夕子, 松田 ひとみ
    2013 年 36 巻 3 号 p. 175-185
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/04
    ジャーナル フリー
    目的 : 本研究は, 地域在住の高齢者において聴力低下および聴力の左右差が精神活動と社会的交流に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする.
    方法 : 日常生活が自立している高齢者56人を対象に聴力測定と質問紙調査を実施し, (1) 聴力低下レベルで3群に分類, (2) 聴力の左右差の有無で2群に分類した. 各群に対し, 精神活動と社会的交流に関する項目について群間比較を行った.
    結果 : (1) 聴力と精神活動との間に直接的関連は見出せなかったが, 聴力低下が中等度以上の群は他者との交流を避ける傾向があり, 閉じこもりの危険要因となる可能性が示された. (2) 聴力の左右差がある者は孤独感が強まり, うつ傾向となる危険性が見出された.
    考察 : 聴力低下や聴力の左右差は, 高齢者の精神活動や社会的交流に影響を及ぼすことが明らかにされた. うつ, 閉じこもりはいずれも介護予防事業施策の対象であり, 聴力低下の実態を主観的および客観的評価の両面から把握する必要がある.
  • 大森 美保, 江守 陽子, 日高 紀久江
    2013 年 36 巻 3 号 p. 186-190
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/04
    ジャーナル フリー
    目的 : 回復期リハビリテーション病棟において, 運動器系疾患患者の日常生活機能評価得点と, 退院先との関連および退院先に影響する要因を検討する.
    方法 : 回復期リハビリ病棟の運動器系疾患患者184名を対象に, 入・退院時の日常生活機能評価得点を分析した.
    結果 : 入院時日常生活機能評価得点が3点以下では全員が自宅退院であった. 退院時得点は全患者の半数以上が0点に改善していたが, 退院先による違いは不明確であった. 退院先のうち非自宅退院となることに影響を与える要因を検討するため, 多重ロジスティック回帰分析を行った. その結果, 家族人数 (OR=0.428, 95%CI 0.229-0.797) と退院時日常生活機能評価得点 (OR=1.340, 95%CI 1.046-1.716) が影響因子であった.
    結論 : 入院時日常生活機能評価得点が3点以下は自宅群の可能性が高く, 入院時に退院先の予測が可能であることが示唆された. また, 退院先に影響する要因は, 退院時日常生活機能評価得点と家族人数であった.
総説
日本プライマリ・ケア連合学会 第3回学術大会 記録
日本プライマリ・ケア連合学会 第4回学術大会 記録
リレーエッセイ:日本のプライマリ・ケアの論点
インタビュー:プライマリ・ケア フロンティア
臨床医学の現在(プライマリ・ケア レビュー)
  • 井上 真智子
    2013 年 36 巻 3 号 p. 237-241
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/04
    ジャーナル フリー
    性器出血の中で, 月経や分娩に関連するもの以外は不正出血であり, 原因の検索が必要である. 約9割は機能性子宮出血であるが, 腫瘍や炎症等の器質的疾患や出血性素因の除外が必要である. 出血量が多い場合, QOL低下や鉄欠乏性貧血の原因となるため, 薬物的あるいは外科的マネジメントを要する. 思春期で最も多いのは無排卵周期による機能性出血で, 高齢者で最も多いのは萎縮性腟炎による出血である.
CBME(community-based medical education;地域基盤型医学教育)
  • 田口 智博
    2013 年 36 巻 3 号 p. 242-245
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/04
    ジャーナル フリー
    医師の地域確保の困難に対する解決方法の一つとして, CBME (community-based medical education ; 地域基盤型医学教育) を紹介する. CBMEでは, 単に教育の場を地域におくということではなく, 「プライマリ・ヘルスケアの考え方」を「プライマリ・ケアの場で展開」するコンセプトを教育することが大切である. また, 「地域で活躍できる医師」という社会や地域のニーズに応える一つの方法としてCBMEの意義があるといえる. カリキュラムの要素は, 学習目標, ローテーション期間, オリエンテーション, 実習・研修内容, 振り返り・報告・評価がある. CBMEが成功するための4つの鍵となる関係は, 臨床の軸, 個人の軸, 社会の軸, 施設の軸であり, 各軸の中心に学習者が存在し, これらの軸が関連し合うことでCBMEの効果がより発揮される.
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