この度, 筆者の3人である髙栁, 増山, 吉田が日英プライマリ・ケア交換留学プログラムパイロット事業の英国短期訪問プロジェクトの派遣団員として, 2013年9月にそれぞれ異なる英国の家庭医療診療所を見学し, 英中部Harrogateで開催された英国家庭医学会 (Royal College of General Practitioners, 以下RCGP) 主催の年次学術大会に参加した. 本事業は, 本学会国際キャリア支援委員会 (筆者の2人, 吉田, 澤を含む) と英国家庭医学会若手国際委員会 (RCGP Junior International Committee, 以下JIC) とが窓口になる両学会の公式国際交流事業, 「日英プライマリ・ケア交換留学プログラム」の一環であり, 日英両国の家庭医療後期研修医または家庭医療専門医取得5年以内の医師を対象に交換留学の機会を提供し, 国際的知見およびネットワークの構築を通して, 両国プライマリ・ケアのさらなる発展に寄与する人材を育成することを主目的としている.
今回の渡英に先立ち, 英国家庭医5人 (Dr Robin Ramsay, Dr Sandeep Geeranavar, Dr Eleanor Twomey, Dr Matthew Baines, Dr Chris Smith) が2013年5月に来日し, それぞれ異なる家庭医療後期研修プログラムを見学し, 仙台で開催された本学会学術大会でポスター発表を行なった.
本稿では, 各派遣団員が本事業を通して印象深かったものとして, 「家庭医療専門教育とe-Portfolio」「地域基盤型の家庭医と多職種チームの役割」「若手医師の国際交流」の3つを紹介したい.
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