日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
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ISSN-L : 2185-2928
40 巻 , 4 号
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Editorial
原著(研究)
  • 木村 琢磨, 野村 恭子, 新森 加奈子, 今永 光彦
    2017 年 40 巻 4 号 p. 168-175
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    背景:「内科医」は,将来,「総合診療医」へ転身する可能性がある集団である.

    目的:「病院勤務の臓器・領域の専門医資格を有する内科系医師」の「総合診療医」へのキャリア転向に関連する因子を探索する.

    方法:2014年11月から2015年11月に20名の内科系専門医を対象に対象者の同意を得て半構造化面接を行った.逐語録化されたデータを修正版グラウンデッド・セオリーアプローチで分析した.

    結果:促進因子として『総合診療医の特性が活かせるキャリアプラン』『現実的条件を兼ね備えた質の高い研修』『多様な働き方と学習機会を有する資格』があった.

    抑制因子は,『総合診療医への理解不足』『再研修に伴う困難性』『総合診療医の包括性への抵抗感』から構成された.

    結論:内科系の専門医資格を有する医師の「総合診療医」への転向は,資格の意義を高めること,研修環境,専門性と生活面の保障により促進される可能性が示唆された.

  • 竹中 裕昭, 鈴木 富雄, 伊達 純, 草場 鉄周, 玉城 浩巳, 佐藤 寿一, 伴 信太郎
    2017 年 40 巻 4 号 p. 176-182
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    目的:日本の家庭医が診療所で行う家族アセスメントの方法を明らかにすること.

    方法:1年以上の診療所の常勤経験を持ち,ディスカッション当日と,後日施行の参加者チェックに参加できる家庭医を対象に,半構造化されたフォーカスグループディスカッションを行った.その内容をVTRに録画し,2名の分析者が内容を分析し,参加者チェック及び公募による外部チェックを行った.

    結果:参加者は,かぜ診療や予防接種時,医師が違和感を覚えた時,及び介護保険の主治医意見書作成時に,盆や正月の過ごし方,患者の受療行動,コミュニケーションパターン及び家族写真を通して自然な形で家族アセスメントを行っていた.

    結論:家族アセスメントの方法として,欧米で示されていたコミュニケーションパターンや家族写真以外に,日本における特徴として,一家が集う伝統的行事の過ごし方,予約外患者の受療行動,主治医意見書作成時のアセスメントなどの方法が明らかになった.

原著(症例報告)
  • 佐藤 到, 中谷 直喜, 中島 日出夫, 上野 聡一郎
    2017 年 40 巻 4 号 p. 183-185
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    がん患者の呼吸困難感に対してモルヒネは有効なオピオイドであるが他のオピオイド,特にフェンタニルについての有効性は確立されていない.今回我々は肺癌の呼吸困難感に対しフェンタニルが有効であった症例を経験したので報告する.症例は88歳,男性.cT4N2M0,cStage IIIBの右気管支浸潤,縦隔リンパ節転移を伴う肺癌で呼吸困難を訴えたが腎機能障害のためモルヒネが使用できなかったため,酸素投与,ステロイド,オキシコドンの内服により症状は改善した.病状の進行に伴い内服が困難となりフェンタニルの皮下注射に変更したが変更後も症状の増悪なく経過しレスキューの使用および用量の増量で症状緩和が可能であった.がん患者の呼吸困難感に対しモルヒネの使用が困難な症例においてフェンタニルは選択肢になり得ることが示唆された.

  • 山口 健也, 柏木 秀行, 鈴木 俊幸, 宜保 淳也, 赤星 和也, 江口 冬樹, 森田 達也
    2017 年 40 巻 4 号 p. 186-188
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    80代女性.卵巣癌腹膜播種による腹水貯留を認め,月1~2回の経腹壁腹水穿刺ドレナージを1年以上要していた.胃を圧迫する被包化腹水を生じ,上腹部の圧迫感や嘔気を認めた.症状緩和のため,Endoscopic Ultrasonography(EUS)を用いて経胃的に被包化腹水を穿刺しドレナージした.ステントによる内瘻化は行わなかった.症状は著明に改善し合併症はなかった.6ヶ月後に死亡したが,被包化腹水は再燃しなかった.有症状の被包化腹水に対してEUS下ドレナージが有効で,内瘻化しなくても被包化腹水は長期間再燃しない可能性がある.

  • 高原 文治, 鎌田 光洋, 岩坂 尚仁, 美馬 一正, 佐々木 清美
    2017 年 40 巻 4 号 p. 189-191
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    症例は98歳女性.他科での定期検査により低栄養と貧血を指摘され受診した.造影Computed Tomography(CT)にて腸管虚血がない腸重積と診断し,悪性疾患を考慮して待機的に結腸右半切除+D2郭清を施行し病理組織学的に盲腸癌の最終診断を得た.解剖学的に盲腸癌の腸重積が起こりやすいことは知られているが,本症例は巨大な盲腸癌が先進部となり横行結腸脾湾曲まで重積するstage IIIaの進行癌であったにもかかわらず,自覚症状が無く便潜血反応も陰性であった.盲腸が首座のため通過する消化管内容が液性であったこと,高齢女性ゆえに組織が疎で伸展性に富み,無自覚症状で経過したと考えられた.また,右側結腸側では進行癌かつ腸重積でも便潜血反応陰性になる場合があり,便潜血反応陰性であっても無自覚症状の貧血精査においては丁寧な身体診察に加え,排便周期,便の性状を考慮し消化管出血を念頭に検査を進める必要がある.

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