日本プライマリ・ケア連合学会誌
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最新号
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Editorial
原著(研究)
  • 久保田 祥央, 前野 貴美, 任 明夏, 今川 優, 小曽根 早知子, 鈴木 將玄, 前野 哲博
    2024 年 47 巻 4 号 p. 126-129
    発行日: 2024/12/20
    公開日: 2024/12/26
    ジャーナル フリー

    目的:発熱を主訴に大学病院総合診療科を受診する患者の原因疾患について検討した.

    方法:2018年4月から2020年3月の筑波大学附属病院総合診療科の全初診患者を対象とした.診療録から主訴分類にプライマリ・ケア国際分類第2版を用いて主訴に発熱(A03)が含まれる患者を抽出し,診断名を調査した.

    結果:対象患者610名のうち主訴に発熱が含まれる対象者は85名であった.内訳は,感染症31名(36%),非感染性炎症性疾患9名(11%),悪性疾患3名(3%),その他14名(16%),原因不明19名(22%),疾患無し9名(11%)であった.原因疾患は,感染症はウイルス感染症など,非感染性炎症性疾患は膠原病など,悪性疾患は全て血液疾患,その他は薬剤性などであった.

    結論:原因疾患としては感染症が最多であった.生理的な範囲の体温であっても器質的疾患を心配して受診する患者も存在した.

原著(事例報告)
  • 遠藤 健史, 小川 寛晃, 山崎 瞬, 前木 奈津美, 馬庭 壯吉
    2024 年 47 巻 4 号 p. 130-134
    発行日: 2024/12/20
    公開日: 2024/12/26
    ジャーナル フリー

    肩痛は頻度が高く,その原因は多岐に渡る.近年,運動器疼痛とfasciaの重積の関係が注目されている.患者は,左肩甲上腕関節の運動時痛と可動域制限が6ヶ月続き,来院した.肩甲骨周囲にハイドロリリース(キシロカイン+生理食塩水)を施行し,さらに,肩峰下滑液包と上腕二頭筋長頭腱(LHBT)にベタメタゾン+キシロカイン注射を追加したが,症状は改善しなかった.その後,理学療法士が左肩関節第一肢位からshrugを他動的に行ったところ,肩前面にピンポイントの痛みが誘発された.同部位に圧痛を確認し,その超音波検査評価によりLHBT周囲の横靱帯にfasciaの重積を発見し,ハイドロリリースにより症状が緩和した.

    他の理学的検査では確認できなかったLHBTの痛みを他動的shrugは誘発することができた.運動器疼痛で発痛源を同定できない場合,理学療法士と協同することが重要だ.

活動報告
  • 眞田 雄市, 落合 洋子, 澤本 ゆき
    2024 年 47 巻 4 号 p. 135-138
    発行日: 2024/12/20
    公開日: 2024/12/26
    ジャーナル フリー

    新しい認定看護師制度では,看護師の臨床推論力,病態判断力を強化するため特定行為研修を組み込んだ教育課程が開始された.今回筆者は,緩和ケア認定看護師を目指す看護師の,特定行為研修指導を経験した.「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」を履修するため,対象となる10症例を抽出し,段階的指導を加えた.研修指導を専門職連携として捉え,看護師の技術向上や患者のアウトカム向上につなげていくべきであると考えられた.

  • 伊藤 京子
    2024 年 47 巻 4 号 p. 139-141
    発行日: 2024/12/20
    公開日: 2024/12/26
    ジャーナル フリー

    児童精神科では,医療職に限らず保育,教育,行政等との多職種協働連携が古くから行われてきており,社会的処方に関わるという意味で,家庭医は児童精神科と親和性が高い.また,身体化症状を訴えて児童精神科を訪れる患者には,総合診療科で不定愁訴を訴える患者との共通点が見いだせる.家庭医が児童精神科研修をすることは有用性が高く,家庭医にも子どものこころ専門医が取得できる可能性が開けるとよい.

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