日本プライマリ・ケア連合学会誌
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Editorial
原著(研究)
  • 廣瀬 隆, 山本 良平, 鈴木 すみれ, 松木 史, 森田 みゆき, 犬塚 博貴, 鈴木 達彦, 吉田 孝仁, 大西 良浩
    2025 年 48 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 2025/03/20
    公開日: 2025/03/26
    ジャーナル フリー

    目的:H. pylori 1次除菌患者において,除菌失敗リスクとなる生活習慣の変化を調査すること.

    方法:保険薬局において,1次除菌患者を対象に,除菌前・中・後の飲酒,喫煙,高脂肪食摂取日数を評価するため,調査研究を行った.

    結果:100人(回答割合3.4%)が解析対象となった.除菌前の生活習慣では,喫煙は20人(20/100),飲酒は35人(35/100),高脂肪食摂取は91人(91/100)が有していた.除菌中に喫煙,飲酒,高脂肪食摂取日数を是正したのは,それぞれ,15.0%(3/20),71.4%(25/35),28.6%(26/91)であった.除菌後も是正を継続したのはわずかであった.

    結論:H. pylori 1次除菌患者において,除菌失敗リスクとなる生活習慣を有する患者がおり,除菌中に飲酒を除いて多くの患者が習慣を継続していた.これらの情報は,服用中の生活指導の基礎情報となりうる.

  • 栗原 史帆, 末光 徳匡, 近藤 慶太, 安田 幸矢, 臼井 亜紀子, 岡田 唯男
    2025 年 48 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 2025/03/20
    公開日: 2025/03/26
    ジャーナル フリー

    目的:亀田ファミリークリニック館山(以下診療所)は2006年から亀田総合病院(以下本院)産婦人科と連携して家庭医による妊婦健診を実施してきたが,対象は低リスク妊婦かつ妊娠34週までと限定的だった.2021年よりICT技術によって本院との連携を強化し,対象を一部の高リスク妊婦や満期妊婦へと拡大した.妊婦の通院負担がどれほど軽減されたのかを後方視的に検討した.

    方法:2021年以前の管理で想定される妊婦健診状況と実際を比較し減じられた本院通院回数や総通院距離を解析した.

    結果:27例の妊婦が対象となり,今回診療所で対応できたために減じられた本院受診回数は中央値3回,減じられた通院距離は中央値183.6 kmであった.高リスク群では減じられた本院受診回数は中央値5.5回,減じられた通院距離は中央値257.6 kmであった.

    結論:ICT技術を活用した妊婦健診拡充により安全に妊婦の通院距離が減少した.

原著(事例報告)
  • 児玉 憲一, 樋口 美帆子, 北川 奈津子, 夜西 麻椰, 江川 克哉
    2025 年 48 巻 1 号 p. 18-21
    発行日: 2025/03/20
    公開日: 2025/03/26
    ジャーナル フリー

    症例は10代,女性.幻視,幻聴を主訴に受診した近医で甲状腺中毒症を指摘され当院紹介.受診後も幻視や幻聴を認めたが甲状腺クリーゼの診断基準は満たさず,またTSHレセプター抗体陰性かつ甲状腺テクネシウムシンチグラフィーで取り込みがないことからバセドウ病は否定的であった.無痛性甲状腺炎による甲状腺中毒症で生じた幻視・幻聴と考えオランザピンで治療を開始した.その結果約1週間で幻視・幻聴は消失,オランザピン中止後も再燃を認めなかった.甲状腺機能は薬剤なしで自然に正常化し無痛性甲状腺炎に矛盾しない経過であった.幻視や幻聴を主訴に受診する甲状腺中毒症症例が存在すること,そしてバセドウ病ではなく無痛性甲状腺炎が原因である場合があることに注意が必要であると考える.

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