目的:へき地拠点病院の多職種を対象に共感性とバーンアウトの関係性を検討する.方法:単施設横断研究.対象は2024年11月1日から30日の間,当院に勤務する全職員263名とした.共感性は日本語版対人反応性指標(IRI)を,バーンアウトは日本語版バーンアウト・アセスメント尺度(BAT-J)にて評価した.結果:回答者136名(回答率51.7%)のうち123名を解析対象とした.対象者の平均専門職経験年数は18.6年(±11.0年),IRI平均値は87.3(±11.2),BAT-J平均値は79.1(±17.7)であった.IRIとBAT-Jの間に弱い正の相関が認められた.職種間では,看護師がセラピストおよび技師と比較して有意に高いBAT-Jスコアを示したが,IRIは有意差を認めなかった.結論:共感性は職種間で差は認めなかった.バーンアウトは看護師のリスクが高く,セラピストは低いことが示唆された.
81歳男性が,遷延する発熱,酸素化低下を主訴に受診した.造影CT検査で結核性リンパ節炎・胸膜炎・心膜炎が疑われた.胸水検査やリンパ節生検を行うも,結核菌の証明はできなかったが,PET-CT検査で心膜に瀰漫性の集積を認め,心膜生検を施行した.心膜周囲の内容物から結核菌PCRが陽性となり結核性心膜炎の診断となった.結核感染症において,組織生検による結核菌の証明は重要である.標的臓器を特定できていない症例において,PET-CT検査を使用することで,活動性を有する臓器を特定でき,不要な組織生検による侵襲性の低減や診断にかかる過程をより短縮する可能性がある.
症例は重症慢性心不全の既往ある91歳女性.右側腹部痛,嘔気で救急要請した.発熱はないものの腹膜刺激症状を伴い,右側腹部に著明な圧痛を認めた.腹部CTでは著明に腫大した胆嚢を認め,急性胆嚢炎と考えたが慢性心不全もあり保存加療を選択した.1週間絶食で抗生剤加療を行ったが,腹痛が持続し発熱も出現したため造影CTを施行したところ,胆嚢頸部が360°捻じれ渦巻状の形態となっており,胆嚢内に線状の高吸収域も認めるため胆嚢捻転症として高次医療機関へ搬送とし,同日緊急手術となった.本症例では入院初日の単純CTでは胆嚢捻転症の診断には至れず,1週間後の造影CTにて診断することができた.胆嚢捻転症の術前診断率は17%ともいわれており困難であるが,今回術前診断し得たため文献的考察を含めて報告する.
症例は9歳男児.発症当日に倦怠感,嘔吐が出現し,翌日に当科を受診した.ウイルス性胃腸炎として点滴補液したところ,症状は改善したが,その後も発熱を繰り返していた.発症12日目,右肋骨脊椎打痛陽性であり,造影computed tomographyを撮影し右急性巣状細菌性腎炎の診断に至った.尿培養からはEnterococcus faecalisが検出された.排尿時膀胱尿道造影で右にGrade Ⅲの膀胱尿管逆流を認めた.詳細な問診から就学後頃から家庭で用手的penile clampによる習慣性排尿延期の実態が明らかになった.幼児期にトイレットトレーニングが無事終了していても,学童期以降に不適切な排尿習慣が形成され,重症な尿路感染症の誘因となりうるため,啓発活動に努める必要がある.
薬学生が地域で健康支援活動を行う上で,現在どのような活動が行われているのかを知り,薬学生による地域貢献の可能性を検討するため,和歌山県九度山町でのサロン活動に参加した.学生は参加者と体操やダンス,ゲーム等を行った.サロン活動に学生が参加することで,工夫次第でサロンでの交流を活性化させる可能性があるとわかった.一方で,サロンに継続的に薬学生が関わる仕組みを大学と自治体で作る必要もあると感じた.
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