日本プライマリ・ケア連合学会誌
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最新号
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Editorial
特別企画
  • 黒岩 祥太
    2020 年 43 巻 2 号 p. 35-38
    発行日: 2020/06/20
    公開日: 2020/06/23
    ジャーナル フリー

    社会調査とその統計分析を専攻してきた私が本誌優秀論文賞を受賞できたことは,現場の医師の先生方をはじめとした医療従事者の方々との緊密なコラボレーションの結果だと考えている.

    本稿では,まずどのような背景から私が論文「高齢者によるケア活動は,生きがいにつながるのか? ―地域高齢者によるケア活動と主観的QOL(quality of life)との関連―」を投稿したのかを説明する.

    次に論文の元になった研究をどのような手順で進め,その際に気をつけたことは何であったのかを,仮説の構築と検証の段階に分けてそれぞれ具体的に記載する.不完全ではあるが,現場の方々が研究を実施する際の,何らかの参考になればと考える.

    今後,地域住民のQOLに配慮した地域づくりのためには,医療を中心とした学際的なコラボレーションがより重要となる.本研究がささやかながら,その一つのケースになれば幸いである.

原著研究
  • 今永 光彦, 外山 哲也
    2020 年 43 巻 2 号 p. 39-43
    発行日: 2020/06/20
    公開日: 2020/06/23
    ジャーナル フリー

    目的:老衰患者が肺炎を併発して死亡した際,在宅医は死亡診断書の直接死因にどう記載しているかを調査する.死因記載と関連する医師側の要因について検討を行う.

    方法:全国在宅療養支援診療所連絡会の会員を対象とした郵送式質問紙調査を行った.

    結果:有効回答数は470名(回収率51.8%)で,直接死因を肺炎と記載することが「常にある」95名(20.2%),「しばしばある」131名(27.9%),「時々ある」134名(28.5%),「ほとんどない」91名(19.4%),「全くない」19名(4.0%)であった.多変量解析の結果では,「女性」であると有意に直接死因を老衰と記載していなかった(OR:0.10,95%CI:0.01-0.71).

    結論:老衰患者が肺炎の併発で死亡した際,死亡診断書の直接死因の記載にはばらつきがあった.また,医師の性別が死因記載に影響することが示唆された.

  • 青木 大祐, 金子 惇, 井上 真智子
    2020 年 43 巻 2 号 p. 44-53
    発行日: 2020/06/20
    公開日: 2020/06/23
    ジャーナル フリー

    目的:青少年のインターネット依存傾向が問題となっているが社会的マイノリティに関する現状は不明である.本研究では,在日ブラジル人生徒の現状を調査する.

    方法:A市在住ブラジル人生徒342人にポルトガル語の質問紙で,インターネット依存度(以下IAT),ネット利用時間,睡眠,うつ傾向(PHQ2)を評価した.χ2検定,ロジスティック回帰分析を用いた.

    結果:回答率65%(222人).IAT50点以上と相関したのは睡眠7.5時間以下(オッズ比:0.38,95%信頼区間:0.21-0.68),平日のネット利用4時間以上(2.6,1.4-4.8),PHQ2が3点以上(6.2,3.3-11.5)だった.多変量解析でもPHQ2と平日の利用時間は有意だった.

    結論:A市在住ブラジル人生徒のインターネット依存度には,平日のネット利用時間とうつ傾向が関連していた.

  • 片平 伸子, 小川 妙子, 丸尾 智実
    2020 年 43 巻 2 号 p. 54-61
    発行日: 2020/06/20
    公開日: 2020/06/23
    ジャーナル フリー

    目的:看護小規模多機能型居宅介護(以下,看多機)における看護の利点,課題,工夫を明らかにする.

    方法:関西圏の看多機の看護師11名に半構造化面接調査を行い,質的記述的に分析した.

    結果:利点は【看護師の専門性・創意工夫が活かせる】【難しい事例でも在宅生活を継続支援できる】等5カテゴリ,課題は【判断・教育・協働が難しく看護職に負担がある】【介護職の教育・協働が難しい】等7カテゴリ,工夫は【事業所での勉強会や外部研修の知識やつながりを活用する】【看護師と介護職が統一したケアをできるようにする】等6カテゴリであった.

    結論:看護師は創意を活かし,家族を含めて在宅中心の生活の継続を支援できることを利点とする反面,そのための判断・教育・協働が難しく負担があることを課題ととらえていた.看護の工夫には施設内外での研修や外部とのつながりの強化等があり,制度の見直しや看多機についての知識の普及が必要と考えられた.

  • 子吉 知恵美
    2020 年 43 巻 2 号 p. 62-69
    発行日: 2020/06/20
    公開日: 2020/06/23
    ジャーナル フリー

    目的:がん終末期を自宅で過ごす子育て期にある女性患者の療養生活上の課題と支援の現状を明らかにする.

    方法:がん終末期を自宅で過ごす子育て期にある女性患者を支援した経験のある訪問看護師3人に半構成的面接法を行い質的帰納的分類法でカテゴリを抽出した.

    結果:課題では《支援体制が不足している》《病気の進行が早く療養者と家族の両方のニーズを満たすための時間が限られる》が抽出された.また,支援の現状では《時間と使えるサービスがない中で在宅療養を可能にするような支援をする》《子育て期にある療養者の状況の理解と意思決定支援》《子育て期にある療養者の苦痛を緩和できるよう支援する》《子どもも含めた家族の理解の確認と思いの表出を支える家族支援をする》が示された.

    結論:支援制度の不足など子育て期特有の課題が示されたが,訪問看護師は子育て期であることを理解した上で支援を行っていたことが明らかとなった.

活動報告
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