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源流
Print ISSN : 1345-3610
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2001 巻 (2001)
3 号 p. 1-
2000 巻 (2000)
2 号 p. 1-
1999 巻 (1999)
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特集
流動するナノ世界
=== スーパーセラミックスへの挑戦 ===
若井 史博
2001 年 2001 巻 3 号 p. 1-6
発行日: 2001年
公開日: 2001/03/30
DOI
https://doi.org/10.11294/genryu.2001.1
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炭化ケイ素や窒化ケイ素などの共有結合性セラミックスは、強固な共有結合性原子ユニットが規則配列した結晶からできており、ダイヤモンドに匹敵する硬さと卓越した高温強度をもつが、ほとんど変形せずに破壊する脆性材料である。ところが、結晶粒をナノメートルスケールまで微細化することにより、高温で巨大な伸びを示す能力、すなわち、超塑性という新しい物性が実現できた。これは粒界での原子ユニットの流動により、微細結晶粒自体が相互に運動するためである。一方、結晶粒微細化の極限はアモルファスである。ユニークな構造をもつ新しいタイプの共有結合性アモルファスやナノ結晶セラミックスのバルク体が、プレカーサー・プロセッシングにより合成できるようになり、新しい高温構造材料としての共有結合性アモルファスの物性に関する研究領域が切り開かれた。
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(1179K)
最先端レーザーとガラス・高分子で新しい情報の世界を拓く
平尾 一之
2001 年 2001 巻 3 号 p. 7-13
発行日: 2001年
公開日: 2001/03/30
DOI
https://doi.org/10.11294/genryu.2001.7
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七色の光を放つガラスは有史以来、人類の心を引きつけてきた。そのガラスにフェムト秒(1000兆分の1秒)という極めて短いパルスでレーザー光を当てると、まったく新しい機能が生まれることが最近、分かってきた。この現象は、科学技術振興事業団の創造科学技術推進事業(ERATO)の平尾プロジェクトで見つけられた成果である。我々は、この現象を「誘起構造」と名付けた。この新しいガラスに、産業界も大きな期待を寄せている。本稿では、特にフェムト秒レーザーとガラスの相互作用が、材料をいかに変貌させるかについて述べることにする。
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(1700K)
分子メモリーと複合ナノコンポジット
阿波賀 邦夫
2001 年 2001 巻 3 号 p. 14-18
発行日: 2001年
公開日: 2001/03/30
DOI
https://doi.org/10.11294/genryu.2001.14
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分子レベルの電子デバイス開発の基礎として、分子レベルでのメモリー効果の研究を行い、次の二つの成果を得た。1)有機物と無機物の中間的物質とも言えるTTTA合成し、常磁性磁化率の温度依存性について観察したところ、常磁性を示す高温相と反磁性を示す低温相の間で約100Kのヒステリシスを伴う一次相転移が観測された。TTTAは室温双安定性を示す有機ラジカル結晶であることを発見した。2)Mn12核クラスター錯体は、ブロッキング温度以下で磁化曲線に強磁性体が示すようなヒステリシスを現し、単分子メモリーへの応用が関心を集めている。この分子の構造と磁気特性を検討したところ、Mn3価サイトのひとつの構造異常がブロッキング温度を大きく左右することを見いだした。分子構造と磁化ブロッキングとの相関を初めて示すことができた。
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(57K)
ひしめき合う電子が見る2つの世界
鹿野田 一司
2001 年 2001 巻 3 号 p. 19-24
発行日: 2001年
公開日: 2001/03/30
DOI
https://doi.org/10.11294/genryu.2001.19
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有機分子から成る固体の中を走る電子の運動エネルギーと電子間に働くクーロン反発エネルギーは拮抗している。電子は決して自由ではない。ひしめき合っている。電子が飛び回る舞台である分子の間隔を変えると、牽制し合う電子の集団は、一斉に止まって絶縁体になったり、一斉に動き出して超伝導にもなる。低温では、これら2つの極限の世界は隣り合わせになっている。これは、自由な電子がただ集まっただけでは決して起こらない。電子同士が激しくひしめき合ってこそ起こる"集団"としての特性である。電子集団が見る2つの世界を、3つの方法で操ることに成功した。
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(135K)
過冷金属が拓く新金属材料の世界
井上 明久
2001 年 2001 巻 3 号 p. 25-33
発行日: 2001年
公開日: 2001/03/30
DOI
https://doi.org/10.11294/genryu.2001.25
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金属液体を通常の速度で融点以下に冷却する時、過冷却液体は不安定となり、直ちに結晶に凝固し、バルク金属材料は例外なく結晶相で構成されていたが、最近、0.01~100K/sのゆっくりとした冷却速度においても過冷却液体の結晶化がおきず、液体構造が保持され、金属ガラスがバルク形状材として生成する新現象が見出されている。この発見は、これまでの金属物質学の常識を根底から覆すものであり、安定化過冷却液体の構造、安定化機構の究明および安定化現象の利用によるバルク形状の金属ガラス,ナノ結晶分散金属ガラス、ナノ準結晶分散金属ガラスなどの新構造、新組織金属材料の創製と高機能な新規工業材料の可能性が期待される。
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(337K)
金属花
=== 準結晶を観る ===
蔡 安邦
2001 年 2001 巻 3 号 p. 34-45
発行日: 2001年
公開日: 2001/03/30
DOI
https://doi.org/10.11294/genryu.2001.34
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準結晶とは、5回回転対称性をもつ物質である。5回回転対称性の物質は、結晶にはなりえない。なぜなら、結晶の定義は、結晶を構成する最小単位“単位胞”が厳密に配列している。つまり、単位胞の形をしたタイルで床を隙間なく覆い尽くせるのであるから。このような特異の構造を持つ準結晶の存在はもはや異例ではなく、多くの合金で確認されている。結晶を作製するあらゆる方法で、準結晶を作ることができる。また、結晶で測定できる物性も、準結晶でも殆どできるようになっている。本講では、準結晶の構造について簡単に説明し、準結晶構造に由来する性質を概説し、これに踏まえて最近の研究成果を紹介する。
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(262K)
金属を超高純度化すると?
安彦 兼次
2001 年 2001 巻 3 号 p. 46-50
発行日: 2001年
公開日: 2001/03/30
DOI
https://doi.org/10.11294/genryu.2001.46
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人類文明の進歩は金属という物質の発展により大きく支えられてきた。その発展は量産化と特性改善の歴史であった。18世紀にヨーロッパに起こった産業革命を支えたのも、20世紀文明の飛躍的な進歩を支えたのも金属であった。21世紀にも、金属はやはり文明を支える重要な物質であることは間違いない。革新的な特性を有する金属はどうすれば発見できるのだろうか。今日、満ち溢れるほどの金属を生産し、保有する我が国では、金属の重要性はおろか、より優れた特性の金属を創ろうとする関心が薄らえてきたようだ。幸い、プロジェクト「超高純度ベースメタルの科学」の成果によって生まれたナノメタラジーの概念を遂行することは、新しい金属(合金も含む)を発見する早道の一つであることが分かってきた。ここでは「超高純度ベースメタルの科学」の成果の一部を紹介することにする。
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