本研究では、エネルギー安全保障と環境持続性を評価するため、①エネルギー自給率、②エネル
ギー強度、③1人当たりCO2排出量、④再生可能エネルギーの導入比率の評価インデックスを予
備的に検討した。4つの評価インデックスは、先進国、新興国、途上国でかなり異なる多様な変化
を示した。検討を加えた評価インデックスは、国際比較や時系列分析によって各国が抱えるエネル
ギー安全保障や環境持続性の問題を深く考える上で大いに役立つといえる。
わが国は80余年の長きにわたってエネルギー安全保障の確保に強く取り組み、1990年以降は地球
環境問題の対応に積極的に取り組む強い姿勢も打ち出してきた。しかし、本研究で検討した4つの
評価インデックスの国際比較から判断すると、わが国は世界をリードするどころか、後塵を拝する
結果ではないか懸念される。1945年から慣性力によって国内で伝統的に積み上げた優先政策課題
は、国際競争の中では独りよがりの砂上の楼閣となっていないか、振り返りが必要である。
本研究では第1段階の予備的検討を進めたが、今後は性格の異なる評価インデックスの追加可能
性の検討が必要である。インデックスの候補には、輸入エネルギー源の地域分散に関する包括指標、
最終エネルギー消費の電化率の指標、エネルギー価格の重みを把握する指標などがある。国際比較
が可能な評価インデックスをさらに追加すること、各評価インデックスを集約してエネルギー安全
保障と環境持続性の代表インデックスを検討することが、本研究の今後の課題である。
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