日本地球化学会年会要旨集
2006年度日本地球化学会第53回年会講演要旨集
選択された号の論文の253件中151~200を表示しています
課題講演-4 核・放射化学と宇宙・地球化学の接点
課題講演-1 東アジア・太平洋域におけるエアロゾルと関連気体成分の地球化学
  • 奥田 知明, 勝野 正之, 直井 大輔, 田中 茂, He Kebin, Ma Yongliang, Lei Yu, Jia Yingtao ...
    セッションID: 2D01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    中国北京市において、2001年3月よりレーザーアブレーション/誘導結合プラズマ質量分析法(LA/ICP-MS)を用いてエアロゾル中の16種類の微量金属濃度を測定した。また2003年9月より約2カ年半、エアロゾル中多環芳香族炭化水素類(PAHs)濃度を測定した。その結果、人為起源と考えられるいくつかの金属に関して年率10%を超える顕著な増加傾向が見られた。暖房期のPAHs濃度は非暖房期の数十倍もの高濃度となった。
  • WANG GEHUI, KIMITAKA KAWAMURA, LEE SHUNCHENG, HO KINFAI, CAO JUNJI
    セッションID: 2D02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    Organic aerosols were studied at molecular level in 14 coastal and inland mega-cities in China during 2003 winter and summer. They are characterized by the abundant presence of n-alkanes (annul average, 340 ng m-3), fatty acids (769 ng m-3), sugars (412 ng m-3), and phthalates (387 ng m-3). In contrast, fatty alcohols, polyols/polyacids, lignin and resin products, sterols, polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) and hopanes were detected as relatively minor components. n-Alkanes show a weak odd/even carbon predominance (CPI = 1.1) and PAHs do the predominance of benzo(b)fluoranthene, suggesting a serious contribution from fossil fuel (mainly coal) combustion. Their concentrations (except for phthalates and polyols/polyacids) were 2-15 times higher in winter than summer due to a significant usage of coal burning and an enhanced atmospheric inversion layers. Phthalates were found to be more abundant in summer than winter, probably due to enhanced vaporization from plastics followed by adsorptive deposition on the pre-existing particles. Concentrations of total quantified compounds are extremely high (∼10 μg m-3) in the mid-west (Chongqing and Xi'an), where active industrialization/urbanization is going on. This study shows that concentrations of the compounds detected are 1-3 orders of magnitude higher than those reported from developed countries.
  • 河村 公隆, 渡辺 智美, 持田 陸宏, 畠山 史郎, 高見 昭憲, ワン ウエイ
    セッションID: 2D03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    2002-2004年の冬、夏、春において航空機をもちいて中国上空(沿岸域、内陸域)でエアロゾルを採取した。本研究では、水溶性ジカルボン酸の高度分布を示し、その季節的特徴を報告する。特に、夏に行われた観測では、ジカルボン酸濃度は高度とともに増加し、対流圏下部(境界層)において、光化学的に生成していることが強く示唆された。しかし、高度2.5km以上では、それらの濃度は急激に減少した。有機炭素や硫酸で規格化したジカルボン酸の濃度は、同様な高度分布の特徴を示した。
  • 三好 拓朗, 高橋 嘉夫, 矢吹 貞代, 金井 豊, 張 仁健, 清水 洋
    セッションID: 2D04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    筆者らの最近の研究により、エアロゾル試料にイオウK端XANES法を応用することにより、エアロゾル中の硫酸イオン種の混合比の決定が可能になった。その結果得られる石膏や硫酸アンモニウムなどのエアロゾル中の濃度から、大気中やエアロゾル中の硫酸イオンが関連するいくつかの化学反応について、新たな知見を得ることができる。例えば黄砂が長距離運搬される途上で、炭酸カルシウムは硫酸と反応して石膏に変化すると考えられている。この反応の場合、イオンクロマトグラフィー分析から得られる全Ca濃度に対して石膏の濃度を比較すれば、初期的に存在すると考えられる主要なカルシウム鉱物である炭酸カルシウムが、石膏にどの程度変化したかが分かる。このような分析を中国各地や日本で黄砂期に採取された試料に対して適用し、カルシウム鉱物に占める石膏の割合の地域差などを議論する。
  • 李 紅, 佐藤 圭, 畠山 史郎
    セッションID: 2D05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    東アジアから輸送されるエアロゾルのうち、特に有機エアロゾル組成を調べる目的で、2004年に沖縄辺戸岬でハイボリュームエアサンプラーによる大気エアロゾルの捕集を行った。サンプル中の有機物のうちn-アルカン類をGC-MS分析によって調べ、組成分布とその季節変化を得た。沖縄で測定された組成分布と季節変化についての特徴を明らかにし、沖縄で観測されるn-アルカン類の発生源について議論する。
  • 兼保 直樹, 高見 昭憲, 畠山 史郎
    セッションID: 2D06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    アジア大陸起源の大気汚染物質の太平洋上への流出とその変質、影響を探るため、沖縄本島辺戸岬および小笠原父島において大気エアロゾルの観測を実施した。清浄地域における大気エアロゾルの主要成分であるSO42-を測定する際の時間分解能は、かつてはフィルターサンブリングによる1日~1週間程度であったが、Aerosol Mass Spectormeter (AMS)やSulfate Particulate Analyzer (SPA)といった新たな測定機器の導入によって実時間での観測が可能となり、個々の輸送イベントによる物質輸送をトレースすることができるようになった。本報では、2005~2006年冬期を対象として、両島での観測結果について比較するとともに、SO42-の粒径分布に関してAMSと低圧カスケードインパクターによる測定結果についても比較する。
  • 成田 祥, 岩本 洋子, 吉田 健太郎, 近藤 雅輝, 植松 光夫
    セッションID: 2D07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    海洋大気中における硫酸塩は、主に、人為起源とDMSから生成された生物起源に分類される。生物起源硫黄化合物であるメタンスルホン酸(MSA)と硫酸塩の生成割合は、主に、気相においては、NOxと温度によって決定されることが知られている。しかし、硫酸塩は、気相で生成するだけではなく、鉱物や海塩といった固相上で反応することも考えられる。不均一反応を含めた生物起源硫黄化合物の存在形態を知ることは、硫黄の循環を考慮するうえで重要である。そこで、生物起源硫黄と不均一反応の場である海塩との関係を北太平洋上の硫酸塩、アンモニウム塩、MSA濃度から見積もった。
ポスター発表
有機物
課題講演-4 核・放射化学と宇宙・地球化学の接点
課題講演-1 東アジア・太平洋域におけるエアロゾルと関連気体成分の地球化学
大気・降水
  • 付 鳳富
    セッションID: 2P23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    東海村の大気中のエーアロゾルを採集し、ブラックカーボンエーアロゾルを分離してから形態をSEMで観察したことによって、4つタイプのブラックカーボン粒子が観察された。それぞれのブラックカーボン粒子の吸光特性をIRで測定し、ブラックカーボンエーアロゾルの地球温暖化への影響を考察した。又、東海村大気中のカーボンエーアロゾルの季節変化と粒度分布についても議論を行った。
  • 崎濱 秀明, 伊敷 牧, 渡久山 章
    セッションID: 2P24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    沖縄島における降水の化学的特性を明らかにするため、琉球大学において2003年3月から2005年2月の2年間に渡り、基本的に一日ごとの降水を採集した。測定項目は、pH、電気伝導度および主要陽・陰イオンであった。その結果、1.沖縄における降水の組成は1年を通して大きく変動すること、2.台風は降水の化学組成に対して大きな影響を及ぼすこと3.降水中の酸成分(硝酸イオン、硫酸イオン)や塩基成分(アンモニウムイオン、非海塩性カルシウムイオン)の割合などが明らかになった。
  • 本多 照幸, 北原 照央, 廣瀬 勝己, 五十嵐 康人, 青山 道夫
    セッションID: 2P25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    本研究では、1964年及び2000年福岡降下物試料(固形分)に中性子放射化分析やγ線スペクトロメトリ等を適用し、得られた定量結果を用いて、既報の近年における降下物試料の定量結果を含めて比較検討し、福岡降下物から見た大気環境の変動について考察した。その結果、1.1964年福岡における全降下量は、2000年に比べて数倍から十数倍多かったが、その原因は土壌ダストによるものであり、通年において土壌ダストが全降下量を支配し、2.ウランの起源は、土壌だけでなくフォールアウトも含むことが示唆された。また、3.REEパターンより、1964年試料では11月と12月が黄砂のパターンに近く、これらの月では黄砂の寄与が比較的大きく、さらに、4.Th/Sc比より、近年試料(特に2000年長崎と福岡)の方が1964年福岡試料より黄砂の寄与が大きいことが判明した。
  • 赤田 尚史, 佐藤 忠広, 長谷川 英尚, 川端 一史, 築地 由貴, 古川 郁, 西村 幸一, 柳澤 文孝, 近藤 邦男, 久松 俊一
    セッションID: 2P26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    環境中に存在する硫黄化合物の硫黄同位体組成は、その生成過程や環境により固有の組成を持つため、降水に含まれる硫黄化合物の供給源を推定する際、硫黄同位体比は有効なツールとなる。本報では、EA-IRMS法による硫黄同位体比の測定条件の検討を行い、青森県内3地点において採取した降水中に含まれる硫酸イオンの硫黄同位体比を測定し、地点間の比較・検討を行った。その結果、非海塩性硫酸イオンの硫黄同位体比は3地点とも明瞭な季節変動が認められないものの、非海塩性硫酸イオン濃度は3地点とも春季に高くなる傾向を示した。このことから、春季に付加された非海塩性硫酸イオンの硫黄同位体比も3~4 ‰前後の値を有していたと推定される。また、この時期の非海塩性硫酸イオンの硫黄同位体比が3地点でほぼ一致していることから、広域的な影響により非海塩性硫酸イオン濃度が増加した可能性が高いと判断された。
  • 山形 武靖, 杉原 真司, 森永 一朗, 永井 尚生
    セッションID: 2P27
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/01
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    2005年4月に東京において12時間ごとの大気中の7Be・10Be濃度の観測を行った。また2005年11月と2006年4月に東京と福岡において12時間ごとの大気中の7Be濃度の同期観測を行った。2005年4月の東京における大気中の7Be・10Be濃度は昼高く、夜に低い変動傾向を示した。これは昼間の大気は地表により温められたために上層まで対流するが、夜間は地表が冷えるため境界層が成層になり地表付近まで自由大気の物質の降下が起きていないためと考えられた。2005年11月の同期観測においては東京と福岡で前線の通過に伴い、12時間の時差をもって7Be濃度の急激な減少が観測された。このことは大気中の7Be濃度は水平移流による変動より、直上大気の気圧配置による変動が大きいためではないかと考えられた。
海洋
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