国立環境研究所では、1995年から北太平洋中高緯度海域を運行する貨物船にCO
2観測装置を搭載し、海洋表層CO
2分圧を継続観測してきた。2006年までに、貨物船3隻に装置を載せかえながら、160回(片道航路単位)の北太平洋横断データを取得することができた。結果の解析から、海洋表層CO
2分圧は大気CO
2濃度の増加に合わせて上昇してきたが、特に北緯40度帯において、東西で増加速度に差が認められた。すなわち、西部北太平洋北緯40度帯では海洋CO
2分圧増加速度が大気濃度増加に比べて小さく、その結果として、海洋CO
2吸収は増強されてきた。一方、東部北太平洋北緯40度帯では海洋CO
2分圧増加速度が大きく、この期間の海洋CO
2吸収の低下が示唆された。
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