日本地球化学会年会要旨集
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2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
選択された号の論文の421件中1~12を表示しています
口頭発表(第一日)
地球外および海底系熱水系有機物と生命の起源
  • George D. Cody, Conel M. O' D. Alexander, Marilyn Fogel, 藪田 ひかる
    1A01 21-01
    公開日: 2008/09/06
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    炭素質コンドライト中の有機物は星間物質中の反応や、それに続く初期太陽系星雲の形成・進化に伴う反応、さらに隕石母天体中での水熱変成などによる反応といった一連の化学史を記録している可能性がある。近年の様々な分類に属するコンドライト中の不溶性有機物をNMRやXANEで分析することにより、単純な前駆体分子から起きるある種の反応が明らかなった。一方、私たちは、不溶性有機物の同位体の特徴は、室内実験で得られた反応過程から説明される同位体的変化とは相関しないことを見いだした。
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  • 奈良岡 浩, 大場 康弘
    1A02 21-02
    公開日: 2008/09/06
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    元素の宇宙存在度で、化学反応的に不活性なヘリウムを除いて、存在度の最も高い水素・酸素・炭素・窒素は有機物を構成する元素である。これを反映して、星間に存在する分子の多くがこれらの元素の組み合わせからなっており、CO, H2O, NH3, HCN, HCHOなどが星間分子として存在度が高い。これらの分子からの生体関連化合物の非生物的生成過程(化学進化)がいつ、どこで、どのように起こったかは非常に興味が持たれる。有機化学の知識ではこれら簡単な分子からアミノ酸・カルボン酸・糖・核酸塩基などが生成することが知られているが、反応を進めるためには液体の水で加熱(加水分解)することが必要である。原始太陽系における始原物質のひとつである炭素質コンドライトには液体の水による作用が知られており、始原天体上における水質変成や熱変成が始源的有機物をどのように変化させるかは化学進化を理解する上で重要である。本発表では、炭素質隕石中に含まれる有機物を熱水反応させ、その化学・同位体的特徴を議論する。
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  • 山岸 明彦, 矢野 創, 小林 憲正, 横堀 伸一, 河合 秀幸, 橋本 博文, 山下 雅道
    1A03 21-03
    公開日: 2008/09/06
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    「TANPOPO」(たんぽぽ、蒲公英、dandelion)は綿毛のついた種子を風に乗せて頒布し、その生息域を広げる多年草である。我々は、この名前のもと、ISS-JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出および解析実験を提案する。我々は、超低密度エアロゲルを用いることで、微小隕石やその他の微粒子を捕集することが可能であると考えている。低軌道上で超低密度エアロゲルを一定期間曝露することで宇宙空間で微粒子を捕集する。エアロゲル表面と衝突トラックの顕微観察の後、エアロゲルの様々な解析を行う。。衝突トラックの詳細な検討により、ISS周辺のデブリのサイズと速度が明らかにできると期待される。エアロゲル中に残存した粒子に関して、鉱物学的、有機化学的、及び微生物学的な検討を行う。一方、宇宙環境下での微生物の生存可能性について検討するため、微生物を直接宇宙空間に曝露する実験も行う。同様に、宇宙環境下での有機化合物の変性の可能性を検討するため、有機化合物の宇宙空間への直接曝露実験も行う。これらの実験を行うための装置はすべて受動的な装置であり、そのための装置の基本構造、装置回収後の解析法も、既に確立されている。
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  • 三田 肇, 小林 憲正, 藪下 さやか, 藤崎 健太, 中嶋 悟, 癸生川 陽子, 鈴木 彰子, 福島 和彦, 齋藤 香織, 奈良岡 浩, ...
    1A04 21-04
    公開日: 2008/09/06
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    「たんぽぽ」計画の中で予定されている、大気圏突入前に宇宙塵を捕獲し地球に運び込まれる有機物分析と、生体関連有機物の宇宙環境での安定性を調べる曝露実験という2つのサブテーマに関わる地上模擬実験で得られた結果について報告する。二段式軽ガス銃を用いた宇宙塵捕獲実験では、不溶性有機物として存在するアミノ酸は、遊離のアミノ酸と比べ安定性が高いことが裏付けられたとともに、超低密度シリカエアロゲルを用いることにより宇宙塵を変成が抑制された条件で捕獲できることを確認した。また、原子状酸素による有機物の変成を調べるために、アミノ酸やタンパク質を曝露用アルミ板に詰め、曝露模擬実験を行った。AO照射量 8.2 × 1019 atoms cm-2の時、標準試料であるカプトン膜では約10%の重量減少が、芳香族炭化水素などには着色が観測された。
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  • 高橋 淳一, 上野 祐子, 小川 智也, 島 壮一郎, 金子 竹男, 小林 憲正, 三田 肇, 阿達 正浩, 保坂 将人, 加藤 政博
    1A05 21-05
    公開日: 2008/09/06
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    ラセミックな DL-イソバリン固相薄膜に,自由電子レーザーからの純粋円偏光を照射したところ、照射前には観測されなかった円二色性が観測された。Cotton 極大の符号は照射円偏光のヘリシティ符号(左 or 右まわり)により完全に逆転し,対称的な二色性スペクトルが得られた。照射後の吸収スペクトルはわずかに低エネルギー側にシフトするものの極大形状は照射前とほぼ変化がなかったことから,分子の単純な不斉分解ではなく,分子配座変化を伴う構造変化によるキラル発現であると推測される。この結果は,無生物的に生成されたラセミックな有機物が,低温の星間物質表面に吸着した状態であっても,宇宙空間に存在する円偏光への曝露により,そのヘリシティに対応した対称性方向のキラリティを発現しうることを示す。
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  • 小林 憲正, 谷内 俊範, 栗原 広成, 金子 竹男, 高橋 淳一, 高野 淑識, 三田 肇, 吉田 聡, 山岸 明彦
    1A06 21-06
    公開日: 2008/09/06
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    星間塵アイスマントルを模した混合物に重粒子線を照射したところ、高分子状アミノ酸前駆体が生成した。同様な複雑有機物に円偏光紫外線を照射したのち加水分解するとアミノ酸のエナンチオ過剰が得られた。この結果は星間で生成したアミノ酸前駆体が円偏光により不斉発現し、惑星間塵などにより地球に届けられた可能性を示唆する。宇宙ステーション上で惑星間塵を採取する「たんぽぽ計画」を計画している。
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  • 高井 研
    1A07 21-07
    公開日: 2008/09/06
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    「熱水環境が地球生命誕生の場であった」とする仮説は、20 世紀の様々な分野の科学分野的成果に基づく大仮説であった。その最も基幹的な根拠は、微生物進化系統学の成果であり、微生物系統学の始まりとなったWoese の論文において、すでに最古の生物は深海底熱水活動域や温泉に生育する好熱性古細菌であることが示唆されている。現時点においても、現存する生物の共通祖先(Last Universal Common Ancestor; LUCA)がどのような遺伝メカニズムを有していたかについて論争が続いており、決定的な結論はでていないが、原始生命が好熱性生命として誕生したことを支持する研究例が圧涛Iに多い。また化学進化の面からは、深海底熱水活動域における熱水循環を模した実験系において、タンパク質や核酸の前駆体であるアミノ酸やヌクレオチドが無機合成され、高分子化することが確かめられている。一方地質学の分野においても、現存する微生物化石様構造の由来環境に対する古地質学的考察から、最古の微生物化石様構造が産出する古環境として、始生代における深海底熱水活動域の可能性が示唆されている。これら多分野からの研究成果によって、「熱水環境が地球生命誕生の場であった」とする仮説の大枠としての整合性は支持されていると言えよう。しかしながらこれらの研究は,分散した個々の研究とそれをつなげた抽象的な概念としてのものでしかなく,諸過程の物理・化学・生物学的な解明とそれらのリンケージの明確な証明が行われる段階ではなかった.地球における生命の起源とそれに続く初期進化の舞台を考える上で重要な条件は、生命を誕生させやすい場であること以上に生命活動を持続させうる場であるという点である。つまり、生命が誕生してもすぐに死に絶えるような場や状況では、40 億年も続く地球と生命の共進化を導くことはできないであろう。誕生と同時に持続可能な生命活動が機能するメカニズムが必要となる。どのような熱水環境において、どのようなメカニズムで、どのような持続可能な初期生命のエコシステム(生態系)が形成されたのか?その最も確からしいストーリーとして、我々はウルトラエッチキューブリンケージ仮説を提唱した。ウルトラエッチキューブリンケージとは、Ultramafics-Hydrothermalsism-Hydrogenesis-HyperSLiME リンケージの略(UltraH3)である。日本語に訳すと超マフィック岩*̶熱水活動̶水素生成̶ハイパースライム連鎖である。この仮説を簡単に説明すると、「およそ40 億年前の海洋底には、熱いマントルと激しいマントル対流によって生じる超マフィック岩質マグマ(コマチアイト)を母体とする海底熱水活動が多数存在していた。このような深海熱水活動域では、地球内部エネルギーによって駆動される高温の海水‐岩石反応に伴って大量の水素が海底に供給され、超好熱水素酸化メタン菌を一次生産者とする化学合成微生物生態系を誕生させ、持続させた」ということになる。本発表では、このウルトラエッチキューブリンケージ仮説の提案に至る背景及び内容について紹介したい。
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  • 川口 慎介, 高井 研, 蒲生 俊敬
    1A08 21-08
    公開日: 2008/09/06
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    水素ガス(H2)の安定同位体比が、微生物代謝によるH2の消費の際に特異な変化をすることが、近年のいくつかの迫{実験と海底熱水域の観測によって指摘されている。現在これらの結果は「H2代謝酵素がH2- H2O同位体平衡反応を触媒している」と解釈されている。熱水周辺環境で見られる300‰を超える大きな同位体変動がすべて微生物活動によるならば、その変動様式を把握することにより、同位体比を熱水生態系におけるH2利用代謝の定量的指標として有効に用いることが出来る。しかしながら、H2代謝による同位体分別が、非生物的に進行するH2- H2O同位体平衡反応とまさに同一視できるかどうかはいまだ不確かである。本研究では、H2代謝時のdel-Dの変動について体系的な理解を得ることを目的とし微生物の迫{を行った。
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  • 川村 邦男, 竹家 均, 嶋橋 政徳, 秋吉 藍, 西 輝之, 崎山 智文
    1A09 21-09
    公開日: 2008/09/06
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    好熱性細菌の一連の研究によって,生命は超高温の海水中で誕生したとする生命熱水起原説が提案された.この仮説が正しければ,熱水環境下でペプチドが効率よく生成する経路があったはずである.しかしこれまでの模擬実験で生成したオリゴペプチドは鎖長(~6鎖長)・収率(0.1~1 %)と,意外に効率が低い.我々は,400 ℃までの熱水反応をミリ秒レベルで追跡する熱水マイクロフローリアクター技術を開発した.これらを用いて熱水中でアミノ酸の挙動を調べたところ,従来よりも効率的な2種類のペプチド生成反応を発見した.
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  • 掛川 武
    1A10 21-10
    公開日: 2008/09/06
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    ペプチドをいかなる条件で作り出すかは、生命起源において最も重要な問題である。さらにどのような地質条件がペプチド生成に適していたかも、明確な答えは存在しない。そこで本研究では高温高圧条件に着目し各種実験を行った。その結果、グリシン,ヴァリン,アスパラギン酸の高度重合が確認された。このことは冥王代地球の海洋底深部でペプチドが生成された可能性を示す結果である。
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  • 古川 善博, 関根 利守, 大庭 雅寛, 掛川 武, 中沢 弘基
    1A11 21-11
    公開日: 2008/09/06
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    生命誕生前の地球における有機分子の出現は化学進化の第一段階と考えられてきた。しかし、二酸化炭素、窒素を主成分とする弱酸化的大気を原料として、有機物生成は非常に困難であることが分っている。本研究では隕石の海洋衝突を作業仮説として、その模擬実験により生体有機分子が生成し得るかどうかを検証する。実験は一段式火薬銃を用い、衝突回収実験を行い。出発試料は鉄、ニッケル、炭素(13C)の混合粉末に水を加えたものをステンレス製の試料容器に窒素ガスと共に封入した。衝突後の試料は水に抽出し、LC/MSによるアミン、アミノ酸の分析を、GC/MSによるカルボン酸の分析を行った。この結果、13Cから構成された種々のカルボン酸、アミンの生成を確認した。さらに、アンモニアを含む試料においてはグリシンの生成も確認した。この結果、初期地球において隕石の海洋衝突が生体有機物分子生成としての有効な機構であったことが示唆される。
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  • 出口 茂
    1A12 21-12
    公開日: 2008/09/06
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    我々は、生命の起源における熱水環境の役割を解明すべく、熱水噴出孔の物理化学環境を再現した流通型化学反応装置を開発した。本講演では、熱水噴出孔模擬環境でのアミノ酸の脱水縮合に関する研究を紹介する。
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