情報地質
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16 巻, 2 号
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論説
  • 層序の表現方法の改善について
    河西 秀夫
    原稿種別: 論説
    2005 年 16 巻 2 号 p. 57-68
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/28
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    層序式は2つの地層の接触関係を(下位の地層単元)(関係単元)(上位の地層単元)の形で表現するものであるが,この式では1つの地層が複数の地層に接触する場合は表現できない.また,層序グラフは露頭の構造を図で表現するものであるが,このままではデータベースに使用できない.このため,行列を使用して数式で表現する必要がある.これらの問題を解決するために,著者は層序式に新しい記号である( ),{ },,の導入と構造行列の導入を提案した.新しい記号( )及び{ },, は次のように定義される.
    (L1##1L2##2・・・##n-2Ln-1)##n-1Ln⇔ L1##n-1Ln,L2##n-1Ln,・・・,Ln-1##n-1Ln, L1##1L2##2・・・##n-2Ln-1
    L1##1 (L2##2L3・・・Ln-1##n-1Lm)⇔ L1##1L2,L1##1L3,・・・,L1##1Ln, L2##2L3・・・Ln-1##n-1Ln
    {(L1##1L2##2L3…##n-3Ln-2)##n-2Ln-1}##n-1Ln ⇔{L1##1L2##2L3…##n-3Ln-2,L1##n-2Ln-1,L2##n-2Ln-1,…,Ln-3##n-2Ln-1}##n-1Ln ⇔(L1##1L2##2L3…##n-3Ln-2) ##n-1Ln,(L1##n-2Ln-1) ##n-1Ln,(L2##n-2Ln-1) ##n-1Ln,…,(Ln##n-2Ln-1) ##n-1Ln
    L1##1 [L2##2L3・・・##n-2Ln-1 ] ##n-1Ln ⇔L1##1L2##2L3・・・##n-2Ln-1, L2##n-1Ln,L3##n-1Ln,・・・,Lm-1##n-1Ln     ⇔L1##1L2##2L3・・・##n-2Ln-1##n-1Ln, L2##n-1Ln,L3##n-1Ln,・・・,Ln-2##n-2Ln
    L1##1(L2##2L3・・・##n-2Ln-1 ##n-1Ln ⇔L2##2L3・・・##n-2Ln-1##n-1Ln, L1##1L2,L1##1L3,・・・,L1##1Ln-1           ⇔L1##1L2##2L3・・・##n-2Ln-1##n-1Ln, L1##1L3,・・・,L1##1Ln-1
    L1 ,・・・,Lp は地層であり,##iは関係単元である.層序式に( )及び[),(] を使用すると,1つの地層に複数の地層が接触する場合の層序を明確に記述できる.
    構造行列A=[aij]は層序グラフを式化したものである.下位の地層Liと上位の地層Ljが直接接している場合aijの元はLiとLjの接触関係の記号であり,他の場合は0である.露頭構造行列とA[aij] と B[bij]から,C[cij]=A[aij]※B[bij] の演算を行い地域構造行列C[aij]を組み立てることができる.著者はこのアルゴリズムを提案した.
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