情報地質
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2 巻, 2 号
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  • Tetsuya SHOJI
    1991 年2 巻2 号 p. 95
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
  • 体系的モデリングとモデル推論
    上野 晴樹, 大森 康正
    1991 年2 巻2 号 p. 97-108
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    本論文は, 対象モデルに基づくエキスパート・システムの概念と方法論を提案している.また, 体系的なモデルリング法とモデル推論の枠組みについても述べている.対象モデルは, 深い知識表現法の1つであり, 複雑な構造をもつ対象の構造や機能に関する知識の表現に有用である.対象モデルに基づく知識システムのポイントは, 1) 様々な問題の解決に用いるために, 知識の表現とその解釈が互いに分離されていること, 2) 対象に関する一般化された知識表現から特定対象の知識モデルを容易に生成できることである.浅い知識表現法であるルールシステムは, 経験則の表現には便利であるが, 能力と柔軟性に限界がある.複雑な問題の解決には, 両方の知識が必要となる.対象モデルは2次元の階層構造によって表現されるが, 全体―部分 (PARTOF) 関係が水平方向の階層で, 抽象―具体 (ISA) 関係が垂直方向の階層で表現される.実験用に関発されたIF-THENルールと対象モデルを組合せた簡単な電子機械システムを対象とする故障診断システムは, 興味深い特性を示した.本研究の長期的目標は, 90年代において重要となると思われる, 工学知識に関する多目的共同利用型知識ベースの開発に有用な技術の開発である.なお, 本論文で述べているシステムは, フレーム型知識工学環境ZEROを用いて開発された.
  • 甘利 俊一
    1991 年2 巻2 号 p. 109-112
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    ニューラル・コンピューティングの数学的理論を作り, 種々のアーキテクチャの回路網の性質を統一的に理解することが重要である.ここではニューラル・コンピューティングのうち, 学習に焦点をあてる.ある情報源から確率的な時系列として発生する入力信号をもとに, 自己の結合のパラメータの値を回路網がどう調整していくかを明らかにする.これにより回路網は外界の情報構造に自己を適合させるのである.まず, 1個の神経細胞の学習過程を明らかにする.このために学習ポテンシャル関数を導入し, これにより各入力信号の出力に及ぼす重みを表すベクトルが, 学習によりそのポテンシャル関数の極小値に確率的に収束することを示す.次にこの考えを前向き結合の多層神経回路網の学習問題に使えるように一般化する.とくに, 教師信号のある場合に, 回路網の動作の平均損失関数を一般的に定式化し, これをもとに具体的な学習のアルゴリズムを与える.こうして, 確率的な降下法による学習神経回路網の一般的な定式化ができる.損失関数を出力の平均二乗誤差にとることにより, このアルゴリズムからバックプロパゲーション学習を特殊な場合として導くことができる.この他, 自己回帰結合のある一般のニューラル・ネットワークの自己組織を教師信号なしの学習過程として定式化できる.これは皮質における情報表現, すなわち信号配置図が学習によってどう定まっていくかを明らかにする.とくに, 皮質におけるトポロジーの保持, 情報表現の拡大率, コラム構造の自己組織的形成など, 多くの興味ある性質が数理的に明かになる.
  • シンガー ドナルド A., 古宇田 亮一
    1991 年2 巻2 号 p. 113-123
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    FINDERシステムは, 幾何学的な確率とベイズ統計, および正規確率密度関数を用いて, 空間と頻度の情報を統合し, 対象中心のモデル出現確率分布図を作成する.対象中心のモデルには, 例えば, 特定の型 (モデル) の鉱床があり, 又は、鉱床に伴う変質帯や, そのほか, 平面図状に正規の形として表現できるどんなものでもよい.モデルは, 制御領域における規模, 形, 平均値, 標準偏差値によって表現され, 研究対象地域にその結果が適用される.串木野鉱床は石英, 石灰石, カリ長石を伴う鉱脈群からなり, 1660年以来これまでに金を55トン, 銀を456トン産出してきた.串木野鉱床近傍の南北に6km東西に10kmの部分領域が, モデルの制御領域として使われた.この制御領域の中で, データ図化, 等高線図, クラスタ解析によって, 母集団を鉱床不毛帯と, 鉱床帯に分類した.ナトリウムは, 長軸3.1km短軸1.6kmの楕円形領域の溶脱帯を形成していた.カリは3kmと1.3kmの楕円形領域の中で, あるいは溶脱しあるいは逆に富化し, いずれにしても組成が変化していた.硫黄は5.8kmと1.6kmの楕円形領域の中で富化していた.ナトリウム, カリ, 硫黄の分析データがある地表岩石試料233個を用いて, 串木野鉱床を含む12km対30kmの対象領域からFINDERシステムにより鉱床分布高確率領域を推定した.ナトリウム, カリ, 硫黄のそれぞれにおける高確率領域は, 串木野主鉱脈の東方4km付近に相互に重なるか, ずれて分布していた.一般的に, FINDERシステムが指摘する高確率領域は, 主鉱脈からずれ, 串木野鉱脈とほぼ同じ時期の安山岩と石英安山岩―安山岩にかかるだけでなく, 串木野の東と北西に当たるより新しい堆積岩や安山岩, 凝灰岩層にもかかっている.鉱床賦存高確率領域は, 串木野鉱脈近傍に同じパターンで見られるし, 1.5km東の古い金鉱化帯である羽島地域や, 串木野鉱脈より18km西にある古い金鉱化帯の八重山地域から西へ2kmの所に中心を持つ東西2.5km南北1kmに広がった地域にも同じ様な高確率のパターンが見られた.
  • 李 公時, 侯 光漢
    1991 年2 巻2 号 p. 125-129
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    本システム (GGCS) は, 探鉱地域の金鉱床 (金資源) の評価および検証を行うことを目的として開発されたシステムである.このシステムは金鉱床に関する地質学的, 鉱物学的, 地球化学的各種データをもとに作成された知識バンクやデータバンク, 鉱床の評価および検証の結果を得るまでの手続きを定めたインターフェイスエンジン, 学習機能の役目を担うラーニングモジュール等より構築されている (Fig.2) .知識バンクは鉱床型 (正マグマ成, スカルン, マグマ熱水成, 天水起源熱水成, 変成, 風化残留, 漂砂) , 鉱化に関連する地質現象 (Au-Cu-Ni鉱石, Au-Cr-Pt鉱石, マグマ, 再溶融マグマ, テクトニクス, 火成岩, 斑岩, 砕屑岩, 炭酸塩岩, 緑色岩帯, 鉄鉱層等) , それに鉱床地質学的因子の項目 (母岩, 構成鉱物, 鉱体の形状, 変質作用, 金粒径, 鉱体の空間的位置, 金の運搬経路, 母岩の生成年代, 地質構造, 金の品質) 等の情報より構成されている.データバンクには90の鉱床より抽出された, 地質図, 地質断面図, 鉱床の記載的情報が各鉱床毎に収められている.作業はインターフェースエンジンに収納されたシステムの指示に従って, 対話型形式で進行する (Fig.2) .最初に鉱床型名が問われる.次に調査対象としている鉱床に関して種々の質問 (母岩, 構成鉱物, 鉱体の形状, 変質作用, 金粒径) が開始され (Fig.1) , そこで鉱床型の検証が行われる.ひき続き鉱床の規模, 母岩, 母岩の生成年代, 鉱体の形, 空間的位置, 構成鉱物, 変質作用, 金粒子の粒径, 地質構造, 金の運搬機構, 金の品質に関する質問が行われ, それらに答えた結果として鉱床地質学的諸因子が5段階表記で示される.いわゆる鉱床地質学的諸因子の重みづけが行われる.5が最も信頼度が高く, 1が最も低いことを意味する (Fig.3) .これらの重みづけ数値をもとに, 調査対象の鉱床のスコアが計算されデータバンクに収められている情報とのマッチングが試みられる (Fig.4) .結果として, 現在検討対象となっている金鉱床と地質, 鉱床学的に類似した5つの鉱床例がデータバンクより抽出される.ユーザーは抽出された鉱床例を参考にして鉱床 (金資源量) 評価を行う.また, 学習機能のシステム (ラーニングモジュール) の働きにより, 知識バンク, データバンクの内容は常に追加, 変更される (Fig.2) .このGGCSを160箇所の鉱床地域に実地に適用したところ, 金量1000kg以上の鉱床では正答率100%, 金量1000kg以下の鉱床では正答率75%を得た.
  • スカラ W., ロウ J., ゲルマン K., ワグナー M., フィシャー K.
    1991 年2 巻2 号 p. 131-136
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    GEOEXPLORERは, 二次性鉱床の評価および探査を支援するシステムであり, 現在開発段階にある.従来報告されているエキスパートシステム, 例えばPROSPECTORのようなシステムは主に, 地域的観点からの資源評価および金属鉱物探査のために開発されたものであり, 広範な資源経済評価を目的として組み立てられたシステムではない.これに対して, 現在開発されているGEOEXPLRERは鉱物資源探査のためにだけではなく, 鉱床の経済的観点からの評価のみならず鉱床を多次元的に広く評価するシステムである.
    本システムの対象は, とりわけ化学的風化作用を受けた二次性鉱床であり種々のタイプの鉱床を包括する (Fig.1) .システムの開発に当たっては, 二次性鉱床の生成を規制したと考えられる地質学的, 地球化学的および地球物理的要因を考慮に入れた (Fig.2) .本システムは独立したモジュールから構成されており, メインモジュールによってコントロールされる (Fig.3) .具体的には, (1) 二次性鉱床の地域的資源評価, (2) 探鉱地域の選定および資源予測, (3) 二次性鉱床の位置の確認と評価, (4) 鉱床の空間的位置の特徴の評価, (5) 鉱床の経済評価という5つの作業を支援するシステムとして開発された.さらに, 本システムは外部データとの応答, 連絡も考慮にいれて作成されている.
  • 呉 宣志, 史 大年
    1991 年2 巻2 号 p. 137-145
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    地質学的探査における実用的エキスパートシステムを構築するためには, 専門家の知識をいかに表現するかが重要な課題である.専門家の知識における不確実さを定量化する従来の試みとして, マイシンの確信度, ファジイ集合論, プロスペクターの準確率的表現, デンプスター・シャファー論の信頼関数がある.本研究では, これらの単一推論モデルの代わりに, 合成・不確実・推論モデルという概念を導入した.その結果, 知識のネットワーク (Fig.1) に対し, 式 (1) から式 (11) に示す理論展開を行う [C (H|Ei) あるいはC (H|EiEj) は事実としてEiあるいはEiEjが存在するときHであることの確認因子を, P (H) はHが起きる確率を表す] ことにより, C (H|Ei) とC (H|EiEj) の関係が得られる (Fig.2) .以上の考え方を風化残留型鉱床の生成に適した気候の評価問題に適用した (Fig.3) , このときの評価で考慮した事実は, 植生の発達度 (VD) , 土壌の型 (ST) , 年平均降雨量 (AAR) , 年平均温度 (AAT) , 緯度 (LAT) である (Fig.4) .今回の事例研究では, 以上の事実が適正気候を示唆する場合の確認因子の値を, 専門家から聞く (Table1) とともに, それらが従属関係にある場合と独立関係にある場合について計算し (Table2) , 最後にある事実の確認因子の値が他の事実が存在するときどの程度減少するかを求めた (Table3) .
  • 坪田 浩二, 山田 康夫, 小木田 周三, 庄司 速人, 小島 晶二
    1991 年2 巻2 号 p. 147-157
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    資源探査全般への人工知能の応用はまだ始まったばかりであるが動力炉・核燃料開発事業団でもウラン資源探査エキスパートシステムの開発に取り組んでいる.たとえば, 米国Stanford Research Institute Internationalによって開発されたPROSPECTORの推論システムに事業団のこれまでのウラン探査に関する知見を知識ベースとして付加し, 評価者が対象とする未探査地にウラン鉱床の胚胎の可能性が高いか判断させるプロスペクターを完成させた.ウラン鉱床にはいくつかのタイプが知られているが, プロスペクターでは砂岩型や不整合関連型など現在探査の主流となっている4つのタイプについて可能である.また, このシステムの推論ネットワークは人事考課など他の分野にも応用できるため, コギト (KOGITO) として汎用化した.
    最近では, 鉱床生成過程に関する知識 (地化学的知識とそれに基づいた探査指針) と数値解析法をリンクさせた, より客観的な有望度査定の手法の開発にも取り組んでいる.本論文ではこの研究の一環として米国地質調査所の研究者によって提案されたData-directed Numerical Method (DdM法) の手法をパーソナル・コンピュータ上にシステム化して, オーストラリアのウラン鉱床地帯に適用したので紹介する.
    DdM法は鉱床胚胎に関係が深い地質学的特徴 (特徴変数, Exploration Parameter) について既知鉱徴地と似た地域を得点形式で抽出し, 未発見の資源量を見積もる手法である (Fig.1) .完成されたシステムは鉱床成因や鉱床の規制要因に関する知識や地質データを使い, 評価者が容易に未探査地評価が可能となるよう設計されている (Figs.2, 3, 4) .地質データはオーストラリア地質鉱山局発行の10万分の1の地質図と磁気図から読みとった.特徴変数はジャビルカ, レンジャーやナバレークなど, この地域に胚胎する重要なウラン鉱床に関する文献調査及び既知鉱徴地の地質データとからカイ二乗検定 (Table2) によって選んだ.その結果, 地域に分布する地層, ウランの源岩分布域からの距離, 断層数, ドレライト貫入岩からの距離や被覆岩の存在などが鉱徴の有無を評価する上で重要であることがわかり特徴変数とした.DdM法の適用では既知ウラン鉱徴地の地質データを用いて, 特徴変数の相対的重み付け (重みベクトル, Weight Vector) を計算し, この重みベクトルと評価される地域の地質データから有望得点 (Favorability Score) を計算した.今回の評価の対象になったのは東経132度30分から134度, 南緯11度30分から13度でこれを120×120のセルに分割した.このうち既知鉱徴地は59セル (Table1) に存在する.本報告では本地域で代表的なジャビルカ鉱床タイプ (Table3) とナバレーク鉱床タイプ (Table3) に関して, それぞれの有望地の評価 (Figs.6, 7) を行なった.なお, 今回の適用では有望地の抽出を行い, 未発見資源量の見積は既知鉱量が少ないため評価していない.
  • 鄭 昌祚, 文 宇一
    1991 年2 巻2 号 p. 159-169
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    鉱物探査のためには, 各種の地球科学情報 (地球物理, 地球化学, リモートセンシング, 岩石データ等) について, その個々の性質と相互の関係を調べなければならない.これらのデータは1枚の地図上に統合され, そこから次の調査のための有望地が抽出される.このときの抽出結果は, 特定のデータに依存するのみならず, それらに適用される組合せ規則にも依存する.現在多用されている組合せ法としては, 多変量解析と確率論的手法 (ベイズ法とデンプスター・シャファー法) がある.探査地区 (S) は, 対象とする型の鉱床が存在する可能性があり, その型の鉱床 (D) に関係する地質的属性 (AとB) が知られている地域と定義する.Fig.1 (Table 1) に示されるような条件の探査地区について, 単位区画 (c) に鉱床が存在するか否か等の確率は, 式 (2.1) で与えられる.しかし, 我々が必要とするは式 (2.2) に書かれた各確率である.これを求めるには, 参照地区 (C: 探査地区と地質状況が似ていて, 対象となる型の鉱床がすべて発見されていると仮定できる地域) が必要である.場合1として, 参照地区がFig.2 (Table 2) に示す条件だとすると, 式 (2.3) に示すような確率が決まる.また, 場合2として, 参照地区がFig.3 (Table 3) に示す条件だと, 式 (2.5) に示す確率が決まる.場合1について, 式 (2.2) の確率を直接推定 [式 (2.2) の条件付確率は参照地区のそれに等しいと仮定] , 多変量回帰解析 [線形モデルと算術モデルを仮定] , および組合せのデンプスター規則から求め, Table 4に示す.この表の数字を比較すると, 上のモデルは参照地区で期待されるほどには役立っていないことが分かる.これは, DとA∩Bの関係がPc (D|A∩B) に利用されていないことによる.場合2についても式 (2.2) の確率を直接推定, 多変量回帰解析, 条件付独立の下でのベイズ規則, デンプスター・シャファー信頼関数から求め, Table 5に示す.これらの推定値は, 比較できる値がないので, 評価は不可能である.信頼関数を構築する方法を改善する必要はあるが, デンプスター・シャファー法が統合化問題を解き, 鉱床と属性との関係を明らかにする新しい方法となるだろう.
  • 文 宇一, 安 平
    1991 年2 巻2 号 p. 171-176
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    特定の探査対象に対しては, 地質学と地球物理学のデータを統合化する定量的方法は, いくつかある.本研究では, 算術合計演算 (本文2.1) とγ演算子 (本文2.2) によるファジィ集合的手法を調査し, カナダのマニトバ地域北部ファーレー湖周辺の9セットからなる地質図と地球物理 (空中磁気EM, IP, 比抵抗, VLF) のデータで検証した.算術合計演算子は論理ORに似た解釈ができ, メンバシップ関数の各データに対して完全補償的であると共に加算的である.これに対して, γ演算子は算術積と算術合計の組合わせで与えられ, メンバシップ関数の各デーダに対して, 異なる補償段階を与える.もし, データの中に非常に高い鉱床有望確率が兄つかり, 一方, そのような兆候が一切見つからなかったとすれば, 高低確率のデータを組み合せた場合の補償によって, 総合的確信度の程度が定まる, 単純に, 確信度の低いデータや鉱床有望性を示さないデータを除くだけであれば, データが元々無かったことと同じであるため, 低い確率と確信度がもたらされるであろう.ファジィ集合を用いることによって, 信頼性の低いデータもそれなりに正当に演算されるため, データが全て用いられると共に全体の確信度も向上する.両演算子によってそれぞれ, 縞状鉄鉱床と非金属鉱床有望地域を抽出する最終的確率分布図が得られたのでDIPIX画像処理システムで重ね合わせ表示した.γは0.9とした.算術合計演算子とγ演算子に伴う補正基準の解釈で, 更なる検討も要することがわかった.
  • 文 宇一, 鄭 昌祚, 安 平
    1991 年2 巻2 号 p. 177-182
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    鉱物資源探査においては, 地球化学, 地球物理, およびリモートセンシングを含む地質学的な野外データを解析し解釈するため, 基礎図上に重ね合わされる.最近の計算機応用によるGIS (地理情報システム) は, これらのデータの空間的特性や, 定量的モデル化の枠組を正確に了解することがないまま組み立てられている.探査地域や探査対象における利用可能な地質学的データセットは, 不完全で不正確なことが多い.本研究では, 探査データの空間的かつ地表スペクトル的特性を考えることにより, 新しい情報表現による方法を示す.その方法としては, 基礎確率手法, デンプスター・シェイファー (Dempster-Shafer) 法と呼ばれる根拠確信関数手法, そして, ファジィ推論的手法である.これらの手法の基礎概念は異なっているものの, 最終結果を適切に解釈することができれば, 相似する結論を得ることが期待できる.更に重要な点として, 従来の定性的手法と比べ, より正確な結果を求めることができると期待されることが示される.本研究では, 実際のデータは扱わず, 画像データと地質, 地球物理データを重ね合わせて表示するために使われるエキスパート・システムのための推論機構を考察した.空間的に不完全な情報集合に対しては, ベイズ統計による方法は困難で, デンプスター・シェイファー法が処理可能であったが, その結果は誤差の多いものであった.ファジィ集合による推論方法では, 空間的に不完全な情報集合でも適切に扱えるものの, 誤差と不確実性の拡大を防ぐことはできなかった.この課題に対して, Jacknife型擬似変数推定法が事後情報の処理を適正化して解決の糸口を与えるであろう.
  • 古宇田 亮一, スイヤント
    1991 年2 巻2 号 p. 183-194
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    衛星リモートセンシング画像における地形的特徴と地質単位の境界は, 分光的輝度の差に現れる.地質学的構造の多くは画像上の最小単位である画素に比べて大変小さく, 鉱物資源探査に意味のある構造を見つけるには不十分であるため, 鉱物資源探査に役立てるためには, 画像の中を詳細に探すことが必要である.計算機によるパターン認識は, ディジタル画像の中に意味のある構造を発見するための自動的な手法である.画像中の構造は線状構造, テクスチャ構造, 分光的構造に分類される.鉱物資源分布とこれらの構造の関係を解析するために, 熱帯地域インドネシア共和国において, 島弧性地域における画像パターン特徴を統合処理した.インドネシア共和国の小スンダ列島にあるロンブレン島には, 特徴的な環状構造と北東―南西方向の長軸に配列する列島構造が顕著であり, 画像も得られたので解析対象とした.環状構造は火山性の活動によるものであり, 一般に浅熱水鉱床と深く関係することが多い.画像からは, 階段型, 傾斜型, 屋根型, 線型の端状構造が得られる.線状の形は, 3個以上の画素が相似した特徴のある分光輝度を有し, 直線状又は準直線状に並んでいる場合に検出される.画像が雑音の影響を受け易いために, 隣り合う4個の画素の平均値で分光輝度を扱った.地形的変化は, 太陽光線の反射輝度の平面的な変化として観測できる.画像中の平面的輝度変化は, テクスチャ量として計測できる.テクスチャ解析の多数の方法のうち, もっとも単純な小領域の標準偏差値を用いて, 物理的特性を評価した.輝度変化の標準偏差値は, 画像中の輝度やコントラストの変化に対応する地形的変化の関数と考えることができる.線密度も小領域の平均値を産出するため, 標準偏差画像同様, ぼやけた画像が得られる.線状構造, 線密度, 標準偏差画像により, 対象地域の構造特徴を解析し, 構造的に複雑な所ほど, 断裂系が密集し, 断裂系を充填した鉱脈の存在確率が高いと推定できた.これに, 更に, 分光特性から鉄酸化帯の存在域を推定し, 鉱脈があれば, 地表では鉄酸化帯が広く分布すると考えて, その場所を画像から特定した.現地調査により, 推定した鉄酸化帯も鉱脈も確かに存在し, 金・銀・銅・鉛・亜鉛鉱床を含む鉱化帯であることが明らかとなった.
    この鉱化帯と環状構造の意味を探るため, 地化学的分析と重力測定を行った.金の品位は一般に4ppm以下であり, 部分的に鉱石品位として数10ppm, 最高で687ppm含まれていた.銀, 砒素は金の分布に相関する.一方, 銅, 鉛, 亜鉛, モリブデン, ビスマス等は金の分布と異なる分布を示し, 相互に相関していた.重力測定によれば, この地域は中心が隆起した再生カルデラ様構造を示し, 金の鉱化域は, その周辺部に存在することがわかった.再生カルデラのため, 特徴的な環状構造を示したと考えられる.
  • 枡田 彰一, 徳尾 貴昭, 一ノ瀬 孜, 大谷 健二, 内 敏和
    1991 年2 巻2 号 p. 195-200
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 遠隔探知された光学センサデータから自動的にリニアメントを抽出するエキスパートシステムを構築することである.
    石油資源及び金属資源探査の概査段階において, 衛星画像を利用した地質構造の解析は有効な探鉱手段として多用されている.この解析においてリニアメントの抽出は広域的地質構造把握のための最も重要な手法とされている.ここではリニアメントを“断裂に基づく直線的な線状構造”と定義し, この他の線状構造はリニアオブジェクトと呼称する.写真地質判読専門家によるリニアメント抽出の過程は次の5段階に分けられる.第1段階: 対象地域の概要把握, 第2段階: 地形的特徴の把握, 第3段階: 直線的線状構造の抽出, 第4段階: リニアオブジェクトの除去, 第5段階: リニアメントの抽出.これらの各段階で専門知識を用いて推論を行っている.
    本システムのソフトウェア構成及び処理フローをそれぞれFigs.1, 2に示す.ここで, リニアメント判定の基になる線状構造を画像から抽出する処理は, 以前開発した方向性線素抽出方式 (DSDA) を用いている.抽出された線状物に対して, 専門家の知識をルールとして組み込みリニアメントか否かの判定を行っている.専門家の知識を整理しルールとして組み込みが可能な部分を検討した (Table1参照) .
    本研究の実験に用いた画像は, ランドサットTM白黒画像 (第4バンド) で対象地域は中国四川省である.原画像及び写真地質判読専門家によるリニアメント抽出図をそれぞれFigs.3, 4に示す.本システムによるリニアメント抽出結果をTable2に示す.写真地質判読専門家の抽出したリニアメントとの一致率は53%であり, かなり良い結果といえる.
  • 辻本 崇史, 升田 健三, 佐野 雅之, 宮島 弘, 正路 徹也
    1991 年2 巻2 号 p. 201-210
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    地質調査において, 当該地域に詳しくない調査者を支援する目的で, 当該地域に詳しい専門家の知識を組み込んだ地質ユニット判別のエキスパートシステムを試験的に開発した.システム開発のためのモデル地区とした鹿児島県西浦とその周辺 (Fig.1) は, 各種の火山岩が卓越し, 従来の調査で20以上のユニットに分けられている (Fig.2) .最初に, この地域の調査を担当した専門家から地質ユニット判別の基準を聴取し, 出現確率の概念 (Table 1) にもとづき, 知識ベースを組み立てた.判別のための情報は, 試験的システムであることを考慮して, 岩石の視覚的データに限定した.次に, 以前の調査で採取された岩石試料を室内で判別してシステムの欠点を抽出し, 若干改良した.その後, ラップトップコンピュータに組み込んだ本システムを使って, 当地に詳しくない地質専門家が現地 (Fig.3) でその有効性を評価した.また, このとき採取された試料を使って, 知識ベースを与えた専門家も室内でシステムの評価を行った.システムは, 判別効率の高い順に, 19の質問を出し, それに対する利用者からの回答に応じて, 可能性のある地質ユニットを順次絞り込む.この操作を繰り返し, 判別に影響を与える質問項目がなくなると, システムは最終結果を確率表現で出力する (Table 5) .現地試験の結果, システムが推定した第1候補の地質ユニットと専門家が区分したユニットが一致したのは, 20試料中20~30%しかなく, 推定結果の被検者間の差もかなりあった (Table 4) .この様な結果に対し, 多くの問題点が指摘され, それらは今後の課題として残された.しかし, システムの正当率が低かった割には, 現在の地質図を変更して, システムが推定した地質ユニットを採用した方がよい例も少数あった.以上の結果, 今回の試験的エキスパートシステムの構築によって, 記述的・定性的要素に富む地質調査の分野にも人工知能的手法の導入が可能であるとともに, 同様の性格を有する他の社会分野への波及効果も期待され, またシステムの構築過程で専門家の知識の整理に大いに役立つという副次的効果のあることが判明した.
  • ディミトラコポウロス R., デェイヴィス M.
    1991 年2 巻2 号 p. 211-218
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    鉱量予測における地球統計学的手法を取り扱い易くし, その利用性を高める目的で, 地球統計学的専門知識をLISP中に組み込んだコンピューターシステムを開発した.このシステみは, ヴァリオグラムに関するGEOSTAT-1と, クリッギングに関するGEOSTAT-2という2つのシステムからなる.システムの構築に当たって, まず常用されている地球統計学的概念を, 超概念 (super-concept) , 概念 (concept) , 記載 (description) , 属性 (attribute) , 値 (value) という5階層に分けた (Fig.1) .超概念は, 連続性や内挿などの広く一般的な地球統計学的概念単位である.概念は, ヴァリオグラム, 共分散などの多少特殊化された概念単位で, 超概念とIS-Aの関係で結ばれる.記載は, 概念を特徴づける概念単位で, 概念とはやはりIS-Aの関係で結ばれる.例えば, 球形はヴァリオグラムの特徴の記載である.属性は記述の特徴で, PART-OFの関係で結ばれる.例えば, 球形ヴァリオグラムはその属性としてレンジ, シル, ナゲット効果をもつ.逆に, これらの属性は球形ヴァリオグラムの記載の一部である.値は各属性に対応し, 属性の特定の例である (INSTANCE-OFの関係) .GEOSTAT-1は, (1) 知識ベースと推論エンジン, (2) 利用者のためのインターフェイス, (3) 経験的ヴァリオグラム計算のための標準地球統計学的サブルーチンをもったインターフェイスからなる (Fig.2) .GEOSTAT-1の枠組みと規則の例および制御の流れは, Fig.3とFig.4の通りである.GEOSTAT-2は, (1) 知識ベースと推論エンジン, (2) 利用者のためのインターフェイス, (3) 2次元における通常のクリッギングのための標準地球統計学的サブルーチンをもったインターフェイスからなる.GEOSTAT-2はGEOSTAT-1の構造, 知識表現, 推論エンジンを用いて開発された (Fig.5) .GEOSTAT-1とGEOSTAT-2の有効性を見るために, 含金鉱脈 (Fig.6) の鉱画品位の推定を試みた.用いたデータは鉱脈全体の78地点から得られた品位と脈幅である.まず, 利用者はGEOSTAT-1からの一連の質問に答える (Fig.7) .次にシステムはヴァリオグラムを計算するために必要なパラメーターを推定するが, このとき利用者が望めば, その理由を表示する (Fig.8) .最後に, ヴァリオグラムを計算し, 評価した結果が表示される (Figs.9, 10, 11) .GEOSTAT-2でも, 利用者はまず簡単な質問に答える (Fig.12) .次に, クリッギング品位が推定されるが, このときも利用者が望めばその推論理由が表示される (Fig.13) .最後に, 結果が表示される (Figs.14, 15) .
  • 正路 徹也
    1991 年2 巻2 号 p. 219-224
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    岩石顕微鏡下での鉱物同定を支援するために, 対話型のパーソナル・コンピュータシステムを開発した.現在の参照ファイルには, 150種の鉱物の光学的性質と化学的性質, すなわち鉱物名, 化学式, 屈折率, 複屈折率, 軸性, 光軸角 (2Ω) , 消光角, 伸長性, 多色性, X軸・Y軸・Z軸方向に振動する光に対する色が収められている.システムは, Table 1に示される質問をその順序で発する.これに対し, 利用者は自らの観察結果にもとづいて, 用意された選択肢 (Table 1) の中から答えを選ぶ.Table 1の質問のうち, 屈折率, 軸性, 光軸角 (2V) , 色, 消光角, 伸長性の質問のときにヘルプキーを押すと, Fig.1に示すような説明が表示される.利用者は, Table 1の順序には関係なく, 自分の欲する質問を優先することができる.例えば, 異方性が問われているときに, 光軸角の質問に変えることができる.このとき, 約30°と答えると, システムは自動的に対象鉱物が異方性で二軸性 (?) であると判断する.化学分析や粉末X線回折のデータがあるときは, それらの情報を検索のいかなる段階でも, システムに教えることができる.検索のアルゴリズムの基本は通常の検索表と同じである.定性的性質の場合, 対象鉱物の性質と一致する性質をもつ参照鉱物が可能性ありと判定される.定量的性質の場合は, 対象鉱物の範囲と重なる性質をもつ参照鉱物 (Fig.2) が可能性ありと判定される.色は定性的に記述されるが, 定量的で, しかも循環的である (Fig.3) .そこで, 対象鉱物の色がFig.3の球面上の点として与えられた場合, それと隣接する記載がある参照鉱物は可能性ありと判定する.通常の検索表は2種類の情報を2次元空間に直交配列し, 他の情報との関係は利用者の記憶に頼っている.これに対し, 計算機による検索では多種類の情報を多次元空間に配列することができる.固溶体の場合, 光学的性質が広い範囲にわたって変化する.このため直交配列による検索では, Fig.4に示すような誤同定が生じる.これを防ぐために, 固溶体鉱物については, Fig.5に示すように, いくつかの種類に分けて参照ファイルに登録してある.
  • 塩野 清治, 弘原海 清
    1991 年2 巻2 号 p. 225-233
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    著者らは新しいコンピュータ技術を地質学における情報処理に活用するための基礎研究として, 自然言語で表現される法則を基礎にして構築されている地質学の論理体系を数学的定式化を通じて再構築する研究を行っている (弘原海ほか, 1987; 塩野・弘原海, 1988, 1991) .この研究は人工知能的情報処理システムにおけるアルゴリズムの開発や知識ベースの構築に役立つであろう.
    本論文の前半では2項関係の概要をTable 1やFigs.1, 2のような例を使いながら紹介し, 地質概念の定式化に有効であること示す.2項関係Rとは集合A, Bの直積A×Bの部分集合のことであり, (a, b) ∈RのことをaRbのように表す.2項関係は2つの集合の関係あるいは1つの集合の内部構造を表現するのに便利な数学概念である.特に同値関係 (equivalence relation) と半順序 (partial ordering) が地質学的に重要である.
    本論文の後半部ではその応用例として, 「地層累重の法則」に関係する諸概念の階層構造を示す.集合Aを地質調査の対象である実空間の部分集合とし, 集合BをA内に存在する地層の集合 (地層名の集合) とすると, A内の点pの地質がa∈Bであることは関数f: A→Bで表現できる (Fig.3) .aの逆像f-1 (a) をs (a) で表現したとすれば, s (a) はaという名前の地層の分布域を表す.地層の分布域の空間的位置関係を使って, B上の関係V, T, W, S, C, Lを [D1] ~ [D6] のように定義した (Fig.4) .aCbは地層aが地層bのすぐ下側にあることを表し, aLbは地層aが地層bの下位にあることを表す.また, A内の点pの形成年代をt (p) とし, 地層の新旧関係Kを [D7] のように定義した (Fig.6) .aKbは地層aが地層bより古いことを表す.これらの関係は [T1] ~ [T10] という一般的性質をもち, B上の関係の集合Σ上の関係として表現される.「地層累重の関係」を, C⊂K (aCb⇒aKb) と表現した場合, [T11] ~ [T14] よりL⊂Kと同値である. [T15] の性質から「地層累重の法則」の矛盾のない定式化は,
    L∩L-1=φ⇒L⊂K
    あるいは同値な表現 ( [P1] ~ [P4] ) でなければならない. [T11] ~ [T15] (あるいは [P1] ~ [P4] が同値であること) は, Σ上の関係を表す式の集合Λ (あるいはΛ上の関係を表す式の集合) 上の関係として表現される (Figs.7, 8) .以上のように「地層累重の法則」に関する諸概念は, 実空間A→地層の集合B→B上の関係の集合Σ→Σ上の関係を表す式の集合Λというように具体的世界から極度に抽象的な世界へと進む階層構造をもつ.
  • ブルッカー ピーター I.
    1991 年2 巻2 号 p. 235-240
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    オーストラリアでは人工知能的手法が鉱業に応用されている例が少なくない.人工知能的手法は現場技術者がいなくなるまで使われることはないだろうというのが一般的対応である.この対応は, 地球統計学が20年前に鉱量評価の新しい方法として登場した時と全く同じである.20年前, 地球統計学は, あたかも鉱量評価のための万能薬として宣伝されていたが, 実際に使われるまでにかなりの抵抗があった.地球統計学が鉱業に用いられるには, 実に骨の折れる緩やかな経過をたどったのである.地球統計学では, データの組とそのデータ間の距離hの関係を示すセミバリオグラムγ (h) が用いられ, 対象地域のデータの空間分布の性質を推定する.データのランダム性を前提とする通常の統計手法と異なり, 鉱床データはデータ相互の空間的位置関係に重要な意味があるためである.これによって, 効率的データ取得間隔 (あるいはボーリング間隔) が決まる.さらに, 推定偏差の最適な重み付けを用いて, クリッギングと名付けられる方法で統計的誤差が最小となるように, 鉱床全体の鉱量・品位や鉱床内の特定ブロックの鉱量・品位を求める.この結果に対する現場技術者の対応は, しかし, 冷やかであり, コストや時間がかかり過ぎるとか大量の情報が必要になる等の他, 技術的疑問による批判が続いた.その多くは誤解や技術的発展の動向を考慮に入れないものであった.地球統計学は新しい鉱床評価手法として今でこそオーストラリアで広く使われているものの, 15年前において地球統計学の有効さを実証しても実用に供されることがなかった.これは, 技術的な理由ではなく, 地球統計学が既存の方法と異質なため, 現場の技術者に脅威をもたらすと感じられたからであろう.新しい技術が古い技術に取ってかわろうとするとき, このような対応は一般的である.革新的技術を現場に適合させるには, 研究者と現場技術者の慎重な相互交流が必要である.さらに, 人工知能的手法を現場に応用して確かな成功例を示すことが不可欠であろう.
  • 1991 年2 巻2 号 p. 241-249
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
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