土質ボーリング柱状図に記載されている土質区分を数値に置き換え, この土質ボーリング柱状図をWalshの方形波関数のスペクトルに変換した.北海道室蘭市東部で得られた地表下12mまでの142本の土質柱状図を解析した.得られた結果次の通りである.
(1) 個々の交差数でのスペクトルは土質変化の特徴を示す.
(2) 交差数0のスペクトル強度は土質変化について最も多くの情報を示す.次に, 交差数1-7くらいの割合交差数の低いスペクトルはそれ以上の交差数のスペクトルよりも多くの情報を与える.
(3) 解析地域全体において交差数1のスペクトルほ概ね負であり, このことは地盤の解析深度の下半分が上半分に比べて値の大きな土質より構成されていることを物語っている.この様にスペクトル等値線図は各波の形状に似せて解釈されるものである.
(4) 卓越交差数が5より高いボーリング点は地形的にみて旧河口部や崖錐部にみられる.
(5) クラスター分析によるボーリング記録の選定はスペクトル等高線図の解釈をし易くする.
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