情報地質
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21 巻, 3 号
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  • 木村 正樹
    2010 年 21 巻 3 号 p. 137-145
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
     山岳トンネルはここ数年、毎年300km以上建設され、その工事費も1兆円を上回る。ところが、設計支保パターンに対して施工時の支保パターンが重くなることが多く、コストの増加が大きな問題となる。このため、トンネル調査・設計担当者の大きな課題は,トンネル施工時に支保パターンの乖離が少ない地山区分を行うことである.
     筆者らは,設計支保パターンと施工支保パターンの乖離を低減する目的で、2001年より事前調査地質情報の整理に評価点法の導入を行った。評価点法とはトンネル施工時の切羽の評価と同じ基準による事前調査地質情報の評価を行う手法である。この結果、花崗岩地山・火山岩地山・付加体地山などで精度の高い地山評価が可能であることを示すことができた.
     また,昨今の発注機関のコスト縮減により,ボーリング調査や物理探査の導入が最小限に制限る場合が多くなってきている。このような場合でも,地形解析、地表踏査やボーリングコアから得られる評価点を最大限に利用して精度の高い地山分類を実施する方法について研究を実施した.
  • ファム ティ マイ ティ, ラガワン ベンカテッシュ, パワ N. J.
    2010 年 21 巻 3 号 p. 147-160
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
     メコンデルタのハウ川の南側川岸に位置するベトナムのカントー市で都市の変化を検出する研究を実施した.1972 年から2007 年までの多時期の衛星画像を用いて,カントー市の異なる期間の間の都市進化を把握するために,都市空間拡大と都市開発の時間変化の傾向を明らかにした.都市地域の判断には植生・土壌・水(VSW)指数を応用した.土地被覆分類の確度を向上させるために正規化植生指標(NDVI)も適用した.サポートベクターマシン(SVM)に基づく土地被覆分類法が,Huang(2002)やShafri et al.(2009)などの従来の研究で用いられたディシジョンツリー(DT)法よりもよい結果を得ることがわかった.
     南東,南西方向に沿った迅速な都市の拡大が続く最近10 年の間は,北西地域がカントー市の都市拡大の主な方向であることがわかった.より新しい都市化地域は経済的に重要になると考えられ,速くてより良い社会的,経済的,および環境的な計画が要求されることをこの結果は示唆する.さらに,中央地区は地方の地区に比べ,人口密度が7 から19 倍大きいという結果が得られた.タイ,カンボジア,およびマレーシアと非常に近接するために,キエンザン地域で国際貿易や観光旅行のための多くの機会を提供するために,西の方向の計画された都市化が促進される必要がある.一方,高い都市化を示しているカントー市の中心地域は,雨季の洪水の危険と環境の悪化に直面する可能性がある.また,高分解能衛星画像を用いたカントー市郊外での洪水のより良い管理のための計測も緊急に評価する必要がある.本研究の結果は2020 年ころまでにメコンデルタの経済的なハブとなる態勢にある拡張の中心として速く発展するカントー市の都市化開発に関係する計画と意思決定に有効であると考える.
  • ―パス,ポリゴン,イメージオーバーレイの表示―
    河西 秀夫
    2010 年 21 巻 3 号 p. 161-175
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
     Google Earthは衛星写真を使用した3次元地形表示ソフトであり,ユーザーによりデータの登録が可能なことから,簡易なGISソフトとして使用できる. データの登録はダイアログボックスを使用する方法とKMLを使用してドキュメントを記述する方法があるが,KMLにはダイアログボックスでは登録できない機能が多数存在する.ダイアログボックスで登録したデータはKMLドキュメントとして保存される.このKMLドキュメントを追加・修正していくと便利である.第2回では線と領域の表示,図面の貼付けについて,実例に即してダイアログボックスによる登録方法とその結果作成されるKMLドキュメントの読み方と修正方法を解説する.立体表示を行うと,断層などの登録データ地形との関係が直感的に理解できるという利点がある.また,図面を貼り付けると図面に高さ情報を付加することができるので,新たな情報を得ることが可能になる.
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