山岳トンネルはここ数年、毎年300km以上建設され、その工事費も1兆円を上回る。ところが、設計支保パターンに対して施工時の支保パターンが重くなることが多く、コストの増加が大きな問題となる。このため、トンネル調査・設計担当者の大きな課題は,トンネル施工時に支保パターンの乖離が少ない地山区分を行うことである.
筆者らは,設計支保パターンと施工支保パターンの乖離を低減する目的で、2001年より事前調査地質情報の整理に評価点法の導入を行った。評価点法とはトンネル施工時の切羽の評価と同じ基準による事前調査地質情報の評価を行う手法である。この結果、花崗岩地山・火山岩地山・付加体地山などで精度の高い地山評価が可能であることを示すことができた.
また,昨今の発注機関のコスト縮減により,ボーリング調査や物理探査の導入が最小限に制限る場合が多くなってきている。このような場合でも,地形解析、地表踏査やボーリングコアから得られる評価点を最大限に利用して精度の高い地山分類を実施する方法について研究を実施した.
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