Rb-Sr法,鉛同位体法,Ar-Ar法などの放射年代測定に際して,アイソクロン(等時線)を描くことは基本的な技法である.x成分,y成分にそれぞれ誤差σx, σyをもつn個のデータポイントを通る最適直線を決めるために,York(1969)により紹介された逐次近似法が広く用いられて来た.この方法は初期値の受け入れ範囲が広く収束のスピードも速い.Yorkは1969年の論文の中で2つの逐次近似関数を示している.本論文では最初に表計算ソフトを用いてグラフを描くことにより問題が解決できることを紹介する.その後, Newton-Raphson法の近似式を含むYorkの式以外のいくつかの逐次関数とYorkの近似式の比較を行い,Yorkの近似式の収束の早さ,初期値の受け入れの範囲の広さについて検証する.
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