情報地質
Online ISSN : 1347-541X
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22 巻, 4 号
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  • 瑞浪超深地層研究所における深層ボーリング孔での事例
    鐙 顕正, 天野 健治, 小池 克明, 鶴田 忠彦, 松岡 稔幸
    2011 年 22 巻 4 号 p. 171-188
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    岩盤中の断層区間は,地下の地質環境や地盤の工学的性能を評価する際の重要な要素の一つである.しかしながら,ボーリング調査では様々な制約により,常に同じ品質や量のデータが確保できるとは限らず,諸条件によって評価結果が異なる可能性がある.そうした評価結果の差異は,地質環境を理解していく過程での不確実性の増大につながり,その後の計画立案時における適切な意思決定を難しくするだけでなく,直接的な施工のリスク要因にもなる.そのため本研究では,岐阜県瑞浪市でのボーリング調査データを用いて,使用する変数を明確な基準で選択した上で,多変量解析(主成分分析およびクラスタリング)を適用した.その結果,客観的な基準により,岩盤を高精度で区分し,断層区間を適切に判定できるようになった.これにより,一つの調査項目のみに注目した従来の解析に比べ,多種情報を一度に扱う多変量解析は有効な手法であることが実証された.
  • 高知「ユビキタス(防災立国)」実証事業を踏まえて
    中田 文雄
    2011 年 22 巻 4 号 p. 189-199
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
     高知市を特区に設定したユビキタス特区の実証事業では,高知県と高知市の印刷されているボーリング柱状図を電子化すると共に,国交省のXMLボーリングデータと総合的に管理できるDBを構築した.更に高知県からは,土砂災害警戒区域データと工学的基盤の模擬地震動データなどの提供を受け,6次メッシュの鉛直1次地盤柱状体モデルを構築して想定南海地震時の地表地震動(加速度や計測震度など),液状化と斜面崩壊の危険度予測などを行った.成果は,いずれもMapServerをカスタマイズした専用のWebサイトから一般に公開している.行政が所有する地盤情報や災害情報を2次利用することにより,最新の知見に基づく地震動予測や危険度予測が安価ではあるが高精度・高密度に実施できることが実証できた.この事業を踏まえて,ボーリング識別番号の統一管理の提案,6次メッシュの鉛直1次地盤柱状体モデルのXML標準の提案,地盤情報などの自由な2次利用の提案を行った.
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