地質学雑誌
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104 巻, 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 高柳 幸央
    1998 年104 巻8 号 p. 501-515
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    紀伊半島にみられる四万十帯層状チャートのノルマルパラフィン組成および主要元素組成を分析し,この層状チャートの地球化学的特徴を明らかにするとともに,現世のさまざまな堆積環境の堆積物との比較から堆積環境の推定を試みた.この層状チャートの頁岩に含まれるノルマルパラフィンは,主に低炭素数(C₁₄~C₂₃)のものであり,陸上植物起源の奇数炭素数優位性を示す高炭素数(C₂₅~C₃₃)のものはほとんど含まれない.これは,この層状チャートが陸上植物起源の有機物がほとんど供給されない環境で堆積したことを示唆している.このことは,この層状チャートと現世のさまざまな堆積環境における海洋堆積物のMnO/TiO₂比の比較からも裏づけられる.また,この層状チャートは,主要元素組成から熱水活動の影響が小さい環境で堆積したことが示された.
  • 小笠原 正継, 柴田 賢, 内海 茂
    1998 年104 巻8 号 p. 516-524
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    北海道東部の釧路地域に分布する上部始新統浦幌層群最下部の基底礫岩である別保層には花崗岩質岩礫が含まれており,そのK-Ar年代を求め,また岩石学的・地球化学的特徴から後背地における火成活動の特徴について検討した.花崗岩質岩礫は角閃石-黒雲母花崗閃緑岩と角閃石-黒雲母モンゾニ岩の2系列が認められる.モンゾニ岩礫は,その地球化学的特徴から根室層群中に貫入しているモンゾニ岩や閃長岩と同じ火成活動により形成されたと考えられる.角閃石-黒雲母花崗閃緑岩礫の3試料の黒雲母K-Ar年代は61.2±1.9,62.7±2.0,64.5±2.0Maで,その平均値は62.8Maである.この年代をもつ花崗岩類は北海道では知られていない.またオホーツク古陸を形成していた科学アカデミー海台からも知られていない.現在,地表には関連した花崗岩類は露出していないものの,釧路北東にその起源が考えられ,古千島弧の島弧火成活動により形成されたと考えられる.
  • 荒井 晃作, 安井 秀, 尾田 太良
    1998 年104 巻8 号 p. 525-537
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    富山県氷見市十二町層堆積サイクル中に見られる磁性鉱物量と,浮遊性有孔虫化石群集を比較すると,良い相関関係が得られた.同層の特徴種の1つであるGlobigerina quinquelobaの産出頻度の曲線も,磁性鉱物量の変動と非常に良く一致している.氷期に海水準が低下し海退が進むと,陸源砕屑物の流入量は増加し,磁性鉱物量は高くなる.この時期には,有孔虫のP/T比率が低く浮遊性有孔虫の多様性が低いことで特徴づけられる浮遊性有孔虫化石群集bまたはdが産出する.その後,間氷期になると磁性鉱物量は低下し,有孔虫のP/T比率が高く浮遊性有孔虫の多様性が高い浮遊性有孔虫化石群集aが産出する.また,Gna.quinquelobaは塩分濃度の低い海域で多産することが知られており,氷期には海水準が低下するだけでなく,塩分濃度の低い表層水が十二町層堆積盆を支配していたと思われる.本研究の結果は,堆積岩石物性と古生物学的な解析の両面から互いを支持するもので,ここで用いた方法は堆積物の古気候・古環境の解析にきわめて有効である.
  • 伊藤 孝, 牧野内 猛, 古澤 明, 鳥越 祐司
    1998 年104 巻8 号 p. 538-549
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    活撓曲を切る2種類の断層が,知多半島で発見された.ひとつは,半島北部の高横須賀断層で,南北性の活撓曲を東西方向に切り,右ズレを伴う北側隆起の逆断層である.その垂直変位量は合計で170mに達する.この断層は,撓曲形成の直後に,撓曲形成過程では解放されなかった応力によって,局所的に異なる変形の程度を調整するように変位した胴切り断層である.いまひとつは半島南部の河和断層で,南北方向の活撓曲の西側を並走する.断層の南半部では,西側のブロックが,西に急傾斜する撓曲西翼部に,反転テクトニクスの様相を呈して,西から衝上している.北半部は西落ちの正断層である.この断層は,撓曲形成後に,応力状態の若干の変化に伴って,撓曲の向斜軸部に高角の断層が発生し,西側ブロックが,右ズレを伴いつつ,反時計回りに回転した結果と考えられる.伊勢湾周辺には,河和断層のような反転型の断層が,すでにいくつか知られている.
  • 加藤 進, 井上 洋子, 田澤 孝一, 中野 孝教
    1998 年104 巻8 号 p. 550-557
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    基礎試錐「御前崎沖」の新生代の地層から採取した有孔虫化石の⁸⁷Sr/⁸⁶Sr比の測定から,次のことが明らかになった.1)同深度の浮遊性種と石灰質底生種の⁸⁷Sr/⁸⁶Sr比に差は認められない.2)伊藤(1993)の回帰式から計算したSr年代は一般にに微化石年代と調和しており,C層最下部に0.5m.y.程度のハイアタスが確認された.3)Sr年代と坑井データの再検討により,下部中新統と推定されていたB1層は,深度2561mに推定される不整合により上部(下部中新統)と下部(下部漸新統)に区別できることが明らかとなり,下部をA'層として分離した.4)有孔虫化石を用いるSr同位体層序は新生代の海成層の有効な年代測定法であり,微化石などの他の坑井データと総合することによって,より精度の高い層序解析が可能である.
  • Katsuki Kurokawa, Yuko Tomita
    1998 年104 巻8 号 p. 558-561
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    An early Pliocene widespread subaqueous tephra deposit was detected in central Japan over a distance of 400 km. The Znp-Ywg ash layer in Niigata region, the PM ash layer in Himi region, both on the Japan Sea side, and the Ohta-OtaniAkogi ash layer around Ise Bay of the Pacific Ocean side can be correlated. These ash layers attain up to 4-25 m in total thickness and thick units contain pumice clasts of 5 mm-10 cm in size. Glassy matrix consists mainly of characteristic bubble- unction type glass shards and shows identical rhyolitic composition. Small amount of plagioclase and heavy minerals are accompanied. Heavy mineral association is also identical ; mainly biotite, accompanied by zircon, hornblende, oxyhornblende, orthopyroxene, clinopyroxene, iron oxides and small amounts of garnet and muscovite. Thus, the Znp-Ohta Ash was proposed as the general name of these ash layers. It is inferred that in early Pliocene, the pyroclastic flow occurred subaerially in the northern Chubu Mountains, and flowed down into the Japan Sea, 170 km northeastwards to the Niigata region, and 80 km northwestwards to the Himi region, transformed into subaqueous turbulent flow. Also, it flowed southwestward as pyroclastic flow for at least 70 km in subaerial environment and it redeposited in fluvio-lacustrine environments around Ise Bay more than 100 km farther.
  • 根本 直樹, 田中 和夫, 田中 克人
    1998 年104 巻8 号 p. XIX-XX
    発行日: 1998年
    公開日: 2010/12/14
    ジャーナル フリー
    白頭山(Mt. Paektu)は朝鮮半島北部に位置し(第2図),青森県を含む東北地方北部から北海道南部に分布する白頭山‐苫小牧テフラ(B-Tm)の給源火山である. B-Tmは, この地域の平安時代の遺跡に見られ, 十和田aテフラ(To-a)との層序関係等から923-924年に噴出したとされてきた(町田・福沢,1996). 筆者らは青森県史編さん事業の一環として, このテフラの年代を直接測定する目的で1997年10月1日~2日の2日間にわたり白頭山周辺において年代測定用試料の採取を行った. このテフラの年代を確定することは, 地質学的に意義があるだけでなく, 考古学的にも貴重な資料を提供する. 現在その年代は測定中であり, 結果等については今後速やかに報告したい.
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