活撓曲を切る2種類の断層が,知多半島で発見された.ひとつは,半島北部の高横須賀断層で,南北性の活撓曲を東西方向に切り,右ズレを伴う北側隆起の逆断層である.その垂直変位量は合計で170mに達する.この断層は,撓曲形成の直後に,撓曲形成過程では解放されなかった応力によって,局所的に異なる変形の程度を調整するように変位した胴切り断層である.いまひとつは半島南部の河和断層で,南北方向の活撓曲の西側を並走する.断層の南半部では,西側のブロックが,西に急傾斜する撓曲西翼部に,反転テクトニクスの様相を呈して,西から衝上している.北半部は西落ちの正断層である.この断層は,撓曲形成後に,応力状態の若干の変化に伴って,撓曲の向斜軸部に高角の断層が発生し,西側ブロックが,右ズレを伴いつつ,反時計回りに回転した結果と考えられる.伊勢湾周辺には,河和断層のような反転型の断層が,すでにいくつか知られている.
抄録全体を表示