地質学雑誌
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105 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 廣木 義久, 松本 良
    1999 年105 巻2 号 p. 87-107
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    富山県八尾, 岐阜県瑞浪, 静岡県掛川の中新統中に8つの海退-海進境界を認めた.八尾と瑞浪地域の中新統は沿岸~陸棚の堆積物からなり, 海退-海進境界は不整合あるいはラビンメント面で示される.掛川地域の中新統は陸棚の泥岩相からなり, その泥岩相中に挟まれるタービダイト相および海底浸食面それぞれを最大海退期の堆積物と浸食面と解釈した.磁気層序によると, 8つのうち7つの境界は中新世に形成されており, それらは古い方からJmi1~Jmi4の4つのゾーンに対比できる.各々のゾーンの年代はクロンC5Dn, C5Br, C5Bn1r, 14.89-12.3±1.9 Maである.これらのうちゾーンJmi2とJmi3中の境界はテクトニックセッティングの異なる地域でほぼ同時期に形成されていることから, 局所的なイベントではなく, 広域的な海水準変動に関連したものと考えられる.
  • 赤羽 久忠, 古野 毅, 宮島 宏, 後藤 道治, 太田 敏孝, 山本 茂
    1999 年105 巻2 号 p. 108-115
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    温泉水の中で, 自然の倒木が珪化していることがあり, これが地質時代に形成された珪化木の一つの形成現場であるという報告がある(Leo and Barghoorn 1976;赤羽・古野, 1993).筆者らはさらにこれを確かめるため, 木片を7年間にわたって温泉水の流れに浸し, 珪化の進行を観察した.珪酸の増加は約1年で重量比~0.72%, 2年で~2.90%, 4年で10.65%, 5年で26.78%, 7年で38.11%に達した.珪化は, 珪酸の球状体が木材組織の細胞内腔を充填することによって行われている.珪酸が木材組織へ浸潤する機構について, 珪酸の球状体が道管~道管壁孔を経由し各細胞まで到達した痕跡を確認した.今回確認した珪化木の形成機構は, 地質時代の珪化木形成を説明するものである.すなわち, 条件が整えば, 地質時代に形成された珪化木も数年~数10年という驚くべき短期間で行われた可能性がある.
  • 渡辺 真人, 三宅 誠, 野崎 誠二, 山本 裕雄, 竹村 厚司, 西村 年晴
    1999 年105 巻2 号 p. 116-121
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    前期-中期中新世の珪藻化石が岡山県高山市地域の備北層群, および津山地域の勝田層群から産出した.これらの珪藻化石により両層群の年代を精度良く決定した.高山市地域の備北層群上部はCrucidenticula kanayae帯(NPD 3A, 16.9-16.3 Ma)上部とDenticulopsis praelauta帯(NPD 3B, 16.3-15.9 Ma)下部に相当する.津山地域の勝田層群高倉層の1試料から産出した珪藻化石は, C. kanayae帯(NPD 3A, 16.9-16.3 Ma)上部あるいはD. praelauta帯(NPD 3B, 16.3-15.9 Ma)下部のいずれかに対比される.これらの年代は, 備北層群上部と高倉層に対して浮遊性・底生有孔虫化石層序に基づき見積もられていた年代より古い.
  • 藤白 隆司, 小坂 共栄
    1999 年105 巻2 号 p. 122-139
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    関東山地北縁部, 下仁田構造帯に分布する下部中新統について検討を加えた.その結果, その層序学的位置について議論の分かれていた神農原礫岩層の層位学的位置を確定し, その層序を確立した.本地域の下部中新統は下仁田累層として一括され, 下位から神農原礫岩, 岩山礫岩, 川井砂岩泥岩の3部層に区分される.川井部層からは, N5およびN7以降を示す浮遊性有孔虫が産出した.本累層の地質年代は, N8を示す浮遊性有孔虫を多産する額部累層に不整合におおわれることから, それ以前の前期中新世と考えられる.神農原部層は不淘汰巨礫岩から, また岩山部層は多様な礫組成の大~中礫岩からなる.川井部層は砂岩, 泥岩からなる.各部層は整合で一部指交関係にある.堆積相の特徴から, 神農原・岩山両部層は帯の北方を後背地とする扇状地に, また川井部層は内湾的な浅海に堆積したものと推定される.当時この地域に入り込んでいた内湾を古下仁田湾と呼ぶ.
  • 延原 尊美, 高取 亮一
    1999 年105 巻2 号 p. 140-150_1
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    静岡県掛川地域の鮮新統堀之内層は, フィリピン海プレートの沈み込みによって形成された前弧海盆を充填するタービダイトである.堆積盆の陸側縁辺部に露出する同層下部の砂岩シルト岩互層より多くのシロウリガイ類化石が産出した.これらのシロウリガイ類化石は, 同じ堆積盆の陸棚斜面に堆積した満水層および土方層より産するものとは別種であることが, 歯部形質の観察から明らかになった.シロウリガイ類化石は散点的ながら, 層厚約20 mのタービダイトの中で, 砂岩, シルト岩をとわず多くの層準から産出する.このことから, その生息地は陸棚斜面上に比較的長期にわたって存在していたと考えられる.このシロウリガイ類の生息地は, 堆積盆陸側縁を境する断層活動もしくはタービダイトによる高い有機物負荷量に起因するメタンを含む湧水に関連している可能性がある.今回の発見は, 前弧海盆域でのシロウリガイ類の分布を把握する上で重要な資料を提供する.
  • 伊藤 知佳, 入月 俊明, 岩井 雅夫
    1999 年105 巻2 号 p. 152-155
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    Diatom zonal key species are identified in the samples from the Morozaki (the Toyohama, Yamami and Utsumi Formations), Iwamura (the Toyama Formation) and Tomikusa (the Awano and Yonekawa Formations) Groups. These assemblages are characterized by the abundant occurrences of Kisseleviella carina and Stephanopyxis spp. The presence of Crucidenticula sawamurae, C. ikebei, Delphineis kamenooensis and D. miocenica, and the absence of Crucidenticula kanayae suggest that all of those samples from above groups are placed within the middle to upper part of C. sawamurae Zone (late Early Miocene).
  • 石渡 明
    1999 年105 巻2 号 p. 156-158
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
  • 石渡 明, 辻森 樹, 早坂 康隆, 杉本 孝, 石賀 裕明
    1999 年105 巻2 号 p. III-IV
    発行日: 1999年
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    日本列島は古生代から新生代にかけて形成された典型的な付加型造山帯であり, その基本構造は衝上断層で境されたナップの重なりであって, ナップに含まれる地層や岩石の形成年代は一般に構造的上位のナップほど古い. ナップには基盤岩(火成岩・変成岩)を含むものと, 堆積岩のみよりなるものがあるが, 日本列島の付加体の場合, 含まれる基盤岩の多くはオフィオライトや海山の断片である. 大陸地殻の断片と考えられる隠岐帯・飛帯を除くと, 西南日本内帯の古生代付加体には, 古生代前期以前に形成された大江山オフィオライトが構造的最上位を占め, その下に三郡-蓮華ナップ, 秋吉ナップ, 舞鶴ナップ(古生代後期以前の夜久野オフィオライトを含む), 超丹波ナップ, 三郡-周防ナップ(一部は中生代前期の付加体)があり, これら全体がジュラ紀付加体(美濃・丹波ナップ)を構造的に覆っている(Fig. 1)
    最近20年間に, これらのナップを境する衝上断層の露頭が次々に発見されてきた. ここにそれらの代表例をまとめて示す. Fig. 2は若桜地域において, 大江山オフィオライトの蛇紋岩化したマントルかんらん岩が蓮華ナップ(志谷層)の泥質片岩に衝上する露頭である(上村ほか, 1979, p.28). Fig.3 は新見地域で, 大江山オフィオライトの同岩が秋吉帯の石灰岩に衝上する露頭である(早坂ほか, 1995, Stop 1). この断層は3km以上にわたって追跡できる(Fig.4). Fig.5 は大屋地域において大江山オフィオライト(関宮岩体)の同岩が夜久野オフィオライトの玄武岩質凝灰角礫岩に衝上する露頭で, ここでは時代も岩石学的性質も異なる2つのオフィオライトが重なっている(Fig.6; Ishiwatari and Hayasaka, 1992のStop 14(中瀬地窓)の2km南方). Fig, 7は高浜地域で夜久野オフィオライトが超丹波帯の砂岩, 泥岩, 凝灰岩に衝上する露頭である(Ishiwatari and Hayasaka, 1992;Stop 6). Fig.8 とFig.9 は, 小浜地域および青垣地域において, 超丹波帯の二畳系氷上砂岩が丹波帯II型地層群のジュラ系泥質岩に衝上する露頭である(石賀ほか, 1987;Stop 2, 3).
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