北西四国高縄半島の安山岩類6サイト試料について古地磁気方位を求め, 1試料については, 新たにK-Ar年代を求めた.これらの安山岩は, 12 Ma程度の年代の1試料, 約15 Maから14 Maの範囲の4試料, 15.8±0.2 Maの1試料の3つの年代グループに区分できる.最も古い年代を示した試料からは, 偏角52.2°の有意に東偏した残留磁化方位が得られた.また約15 Maから14 Maの範囲に入るグループと, それよりも新しい年代を持つ安山岩の古地磁気方位は, 現在の双極子磁場方向と比べて有意な差がなかった.これらのデータと瑞浪・可児層群に関する既存データを相補的に組み合わせることにより, 中期中新世における西南日本ブロックの時計回り回転の開始以前から終了までの全体像を見ることができ, 西南日本ブロックの回転は, 約16 Maに開始し, 約15 Maから14 Maには終了したと考えられる.
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