地質学雑誌
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109 巻, 1 号
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  • 古澤 明
    2003 年109 巻1 号 p. 1-19
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    洞爺火山灰降灰以降の岩手火山のテフラの識別を行うため,これらのテフラが模式的に露出することが示されている3地点で,火山ガラスおよび斜方輝石の屈折率を詳細に測定した.また,火山ガラスの色調,発泡形態および微斑晶の含有量を明らかにした.その結果,これまでに野外で識別されている個々のテフラは,鉱物組成.火山ガラスの形態,屈折率および斜方輝石の屈折率が異なり,それぞれをこれらの記載岩石学的特徴から識別できることが明らかとなった.なお,これらのテフラの中には雪浦軽石のように火山ガラスの屈折率が異なる3種類の軽石が混在していることも明らかとなった.岩手火山では,模式地でのテフラの上記記載岩石学的特徴をカタログ化すれば,層準未知のテフラを同定できることが明らかとなった.岩手火山周辺では,AT火山灰は滝沢第1スコリア層準に挟在し,分火山灰の巣子スコリアの直下の黒ボク層中には,十和田中掫軽石が含まれることも明らかとなった.
  • 小松原 純子, 廣木 義久, 松本 良
    2003 年109 巻1 号 p. 20-29
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    九州北西部に分布する下部中新統野島層群は2200m以上の厚さを持つ.堆積相の解析に加え総有機炭素量と総硫黄含有量を測定し,野島層群の堆積環境とその時代変遷を復元した.堆積相解析からは9つの堆積相および7つの堆積相組み合わせが認定され,湖,デルタ,河川の堆積環境が復元できた.総有機炭素・総硫黄含有量からは,南田平層最上部を除くすべての層準が海水の影響を受けない淡水の環境下で堆積したことが示唆される.これまで化石の産出がなく具体的な堆積環境がわかっていなかった深月層中部~南田平層下部も含め,野島層群全体の堆積環境は淡水湖→淡水デルタ→河川→淡水デルタ→河川→淡水湖と変化したことがわかった.野島層群最上部の海進は16.5 Maに日本海周辺で起こったテクトニックな沈降と汎世界的海水準の上昇による大規模な海進に対応する可能性があり,それより下位の野島層群は日本海開裂時の圧縮~伸張場で発達した淡水盆地で堆積した.
  • 土屋 健, 長谷川 卓, プラット リサ M.
    2003 年109 巻1 号 p. 30-40
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    イノセラムス化石帯区分は上部白亜系の年代層序決定の手法として重要であるが,近年,本邦蝦夷層群において微化石との間に指標する年代区分に不一致が指摘されている.本論はイノセラムス化石帯に対応する炭素同位体比曲線を報告する.北海道大夕張・古丹別両地域のTuronian中部~Santonianの炭素同位体比曲線はInoceramus hobetsensis帯では負方向へのシフトを見せ,I. hobetsensis帯上部及びInoceramus teshioensis帯で特定傾向を示さず安定する.その上位のI. uwajimensis帯からInoceramus amakusensis帯に向かって次第に正方向にシフトする.この炭素同位体比曲線の経時変化パターンは,英国におけるTuronian中部からSantonian下部のものと類似する.それらに加え,I. hobetsensis帯に小規模なピークも見られ,これは国際対比の鍵になる可能性がある.
  • 宮田 雄一郎, 高下 昌也
    2003 年109 巻1 号 p. 41-47
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    鳴り砂は,せん断すると粒子同士が擦れあうことによって一定の周波数で音を発する砂であるが,その発音メカニズムは明らかになっていない.表面にざらつきのある石英砂を洗浄研磨していくと表面が平滑になって鳴り砂ができる.粒子間の摩擦抵抗の尺度として,間隙率・安息角およびせん断実験による摩擦角を用い,洗浄に伴う変化を検討した.その結果,鳴り砂になると,間隙率・安息角および摩擦角が大きくなり,摩擦抵抗の増大を示している.ところが,水中で求めた間隙率と安息角は,洗浄を進めても低下した.これは粒子の表面同士の摩擦が水膜によって妨げられることを示し,増大した抵抗は固体間の凝着に起因すると推察される.音を発する砂は,低速せん断時に顕著で周期的なスティックスリップを示すようになった.鳴り砂の発音をもたらす原因には,洗浄研磨によって増大した接近領域に働く凝着と,それに関連したスティックスリップ運動が強く示唆される.
  • 須藤 斎, 高橋 雅紀, 柳沢 幸夫
    2003 年109 巻1 号 p. 48-62
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    埼玉県川本町の明戸堰上流の荒川河床に露出する中新世海成堆積物(土塩層)より珪藻化石を抽出した結果,珪藻化石を含有する試料は,すべてYanagisawa and Akiba(1998)のThalassiosira yabei帯(NPD 5C)最上部に相当し,Denticulopsis hustedtiiのアクメ・終多産出層準(D 55.8:10.1 Ma)とDenticulopsis dimorphaの初産出層準 (D56 : 10.0 Ma) の間に位置づけられた.珪藻化石年代に基づくと,明戸セクションの土塩層は栃木県烏山地域の田野倉層,福島県東棚倉地域の久保田層および茨城県日立市の国分層上部に年代対比される.比企丘陵地域の土塩層と土塩層に重なり海退相からなる楊井層は,富岡地域の原市層と板鼻層にそれぞれ岩相対比されるが,それぞれの地層境界(海退相の開始層準)は,富岡地域が150万年ほど古く,岩相境界の時間斜交性が明らかにされた.
  • 吉川 周作, 渡辺 秀男, 井上 淳
    2003 年109 巻1 号 p. 63-70
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    後期更新世の米原・貝坂ローム層に含まれる炭化片の実体顕微鏡観察,電子顕微鏡観察および化学分析によって,これらは,高い表面反射率,細胞壁構造の均質化,H/C比の推定炭化温度(430℃~460℃)から,高温状態で炭化した炭であることを明らかにした.そして,ローム層より産出する炭は新潟・長野県に広く連続的に分布することを発見した.これらの炭は米原ローム層及びその相当層のM3とM4の間(約11~12万年前),M6上部から直上(約9~10万年前),米原ローム最上部(約7万年前)の3層準から産出した.このうち,M3とM4の間の津南-1炭層準は50km以上,M6上部から直上の津南-2炭層準は30km以上,米原ローム層最上部の津南-3炭層準は20km以上に渡って追跡可能で,大規模な森林火災を示すことを明らかにした.今後,過去の森林火災を示す炭層準は,広く連続的に追跡でき,時間面を示すことから鍵層準として,層序学的研究に重要な役割を果たすことを指摘した.
  • 斎藤 眞, 利光 誠一
    2003 年109 巻1 号 p. 71-74
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    Early Cretaceous Tomochi Formation in central Kyushu is occupied by northern margin of the Chichibu Belt along the Usuki-Yatsushiro Tectonic Line. The Tomochi Formation is shallow marine sediment and correlative with the Monobegawa Group in Shikoku. The Tomochi Formation unconformably covers the Hirodaira Unit composed of melange. We have discovered Late Permian radiolarian fossils from terrigenous sediments of the Hirodaira Unit. We clarified that the correlative of the Monobegawa Group in Kyushu covers the Permian accretionary complex same as in central Shikoku. And it has revealed that the Permian accretionary complex occurs in two rows around the area.
  • 2003 年109 巻1 号 p. 76
    発行日: 2003年
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 石渡 明
    2003 年109 巻1 号 p. I-II
    発行日: 2003年
    公開日: 2010/12/14
    ジャーナル フリー
    マリ共和国バオレ・バニフィング地域(Fig.1)のドレライトは, 原生代前期の泥質・砂質片岩を貫く中生代前期の岩脈や岩株として産し, Kに富む大陸性ソレアイトの特徴を示す. 本岩は長径約1mmの自形斜長石が単斜輝石や斜方輝石に食い込むサブオフィチック組織を呈し(Fig.2), 大きな斜方輝石のリムには転移ビジョン輝石が見られる(Figs.3,4). そして残液が固結した部分には石英とカリ長石の文象組織が発達する(Fig. 5). 他にチタン磁鉄鉱, 普通角閃石, 黒雲母を含む. このような岩石は日本の第四紀火山岩には稀だが, 能登半島には斜長石にカリ長石のリムが発達するピジョン輝石含有玄武岩があり(López and Ishiwatari, 2002), 斑晶が石英とカリ長石で斜長石を欠き全岩Zrに富む北陸の月長石流紋岩(石田ほか,1998 ; 石渡, 2000)などとともに日本海側の中新世マグマ活動の大陸的性格を示す. なお, 本試料は金属鉱業事業団の平成13年度資源開発協力基礎調査において採集されたものである.
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